人工膝関節全置換術(TKA)後に、伏在神経膝蓋下枝障害がほぼ必発するのは周知の事実です。人工関節手術をする人の間では常識ですね。
ところが先日、膝関節外科医とお話した際に、伏在神経膝蓋下枝障害は膝前十字靭帯再建術後にも併発することがかなり多いと聞いて驚きました。
ええっ、昔のBTBならいざ知らず、STでもかなり多いとは...。しかしよく考えると、脛骨側の骨孔作成の際や、移植腱の固定具の刺激で伏在神経膝蓋下枝障害が発生します。
このため、移植腱をどこから採取しようがあまり関係無いです。更に膝前十字靭帯再建術だけではなく、下腿髄内釘手術でも伏在神経膝蓋下枝障害は併発する可能性があります。
下腿の髄内釘手術では、近位側の横止めスクリューによって併発します。あんな小さな皮膚切開でも伏在神経膝蓋下枝障害を併発するとは...。
意外と世の中には、伏在神経膝蓋下枝障害で溢れているのかもしれないですね。
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