激しい当直から遠ざかっているため、熱傷の患者さんを診なくなって久しいです。ところが、ひょんなことから手掌の2度熱傷患者さんを診察する機会がありました。


母指から中指にかけて、たくさんの水疱を形成しています。これは痛そう...。患者さんは痛過ぎてあまり指を動かせない状態です。


さて、このような患者さんに適切に対応するにはどうすれば良いのでしょうか? さしあたってデルモベートを手掌の赤くなっている部分に塗布+ガーゼ保護して返しました。


明日以降の治療方針を決めなければ行けないので、皮膚科専門医の同級生に訊いてみました。その結果は下記のごとくです。


  1. ステロイドは1日だけでOK
  2. 2日目からはワセリン塗布+ガーゼ保護とする
  3. 基本的にはある程度「ドライ」な環境を目指す


①②は納得できますが、③の「ドライ」は腑落ちしません。だって、創処置の基本はウェットな環境ではなかったでしょうか。


この点を確認すると、熱傷では浸出液が極めて多いため、創をウェットにしようとすると「ズブズブ」になってしまうそうです。


つまり、創をドライにする感覚でやっていると、ほど良いウェット加減になるとのことでした。なるほど、、、教科書的な浅い知識では、餅屋に対抗できないと感じました。








管理人 お勧めの医学書

 
初学者が整形外科の外来や救急業務を遂行するにあたり、最もお勧めの書籍です




整形外科研修ノート 改訂第2版