先日、皮膚科で開業している同級生のクリニックを受診してみました。いつも先進的な取り組みをしているヤツなので、実際どんな感じなのかを確かめる目的です。
そのクリニックは、ナント完全予約制です。10分でも遅れようものなら、診療拒否も辞さないという超強気の運営をしています。
ところが、手術が長引いて10分ほど遅れてしまいました。診療拒否されたらどうしよう...ビクビクしながら行くと、さすがに酷い仕打ちはされませんでした(苦笑)。
さて、彼は経営者として優秀で、自分の時間単価を計算して最大の収益を上げる算段をしています。クリニック経営は自分の時間の切り売りであることを理解しているのです。
そして、診察室に入ると、メチャクチャ手際良い診察が始まりました。あっという間に診断して、治療についてロジカルな説明をしてくれます。
処方してもらったのは単なる外用剤です。しかし、彼がその薬をチョイスしたのは、正確な診察と的確な診断から導き出されたということがよく分かります。
もしかしたら、私も自分の入院患者さんには同じような薬を処方したかもしれません。しかし、思考の深さが全く異なります。と言うか、見ている世界が全く違う。
思い返せば、私たち整形外科医も診察するときには、手術中に触った実際の関節の構造や脊椎の形態を無意識のうちにイメージしているはずです。
つまり、最終的に処方するのが消炎鎮痛剤であっても、そこに至るまでの思考過程が、専門医とそれ以外では全く異なるのです。他科のベテラン医師の診察を通じて再認識しました。
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