Medicla Tribuneに骨粗鬆症治療の興味深い記事がありました。
骨粗鬆症治療薬の逐次療法3つの戦略 です。


骨粗鬆症の治療は長期にわたるため、適切に薬剤を切り替えること(逐次療法)が大切です。第24回日本骨粗鬆症学会で大阪大学の蛯名耕介先生が講演された内容です。


骨粗鬆症治療薬の逐次療法では、以下の3つの戦略が有効です。

  1. 骨吸収抑制薬の効果不足なら、より強い骨吸収抑制薬へ切り替え
  2. 骨吸収抑制薬の効果不足なら、骨形成促進薬への切り替え
  3. 骨形成促進薬の終了後は骨吸収抑制薬を使う


骨吸収抑制薬の効果不足なら、より強い骨吸収抑制薬へ切り替え


アレンドロネート/リセドロネート12カ月継続群に比べ、6カ月の時点でミノドロネート切替群は骨吸収マーカーが有意に低下し、腰椎骨密度変化率が有意に上昇したそうです。


また、BP → BPと比べて、抗RANKLモノクローナル抗体デノスマブに切り替えた群は、更に有意に上昇したそうです。



骨吸収抑制薬の効果不足なら、骨形成促進薬への切り替え


BP → BPやBP → 抗RANKLモノクローナル抗体デノスマブと比較しても、BP → 副甲状腺ホルモン製剤テリパラチドの方が腰椎骨密度の増加率が有意に上昇したそうです。


骨形成促進薬の終了後は骨吸収抑制薬を使う


 副甲状腺ホルモン製剤テリパラチドなどの骨形成促進薬には、投与期間に制限があります。このため、投与期間が終了すると他剤に切り替えなければなりません。


テリパラチド終了後にBPに切り替えた群よりも、デノスマブに切り替えた群の方が、12カ月後の腰椎骨密度の変化率は有意に上昇していたそうです。


両者とも効果がありましたが、より効果があったのはデノズマブです。まぁ、臨床の肌感覚でもその通りだと思います。


問題はコストですね。後期高齢者の自己負担割合が上昇しているので、これまでのように安易に高価な薬を処方するわけにはいきません。患者さんとの協議が必要だと思いました。







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