Uncemented Paradoxをご存知でしょうか? 人工股関節全置換術の世界で囁かれている、セメントに対して成績に劣るセメントレスが増加するパラドックスです。
少なくとも大腿骨側(ステム側)では、セメントステムの長期成績はセメントレステムを凌駕しています。そして、セメントステムには以下のような利点もあります。
- 再置換が容易(polish stemの場合)
- 耐感染性がある(抗生剤含有骨セメントの場合)
これらの優れた利点があるにもかかわらず、レジストリーのある全ての国でセメントレスステムの方が多く使われており、しかも年々セメントステムの比率は減少しています。
日本でもセメント派の股関節外科医は絶滅危惧種と言われて久しいです。しかし、そんな風潮の中、私はセメントレス派からセメント派に趣旨替えしようとしています。
正確にはステム側だけセメントなので、ハイブリッド派なのですが。もちろん、セメントには嫌な点がたくさんあります。
術者の身体にあまり良くないし、死亡に至る重篤な血圧低下やショックを併発する可能性があります。手術時間がかなり延長してしまうのも面倒くさい。
しかし、それらの欠点を補ってなお、再置換術の容易さと対感染性に関しては、もっと評価されて然るべきではないでしょうか。
あえて自分から絶滅危惧種仲間入りを志向した風変りな私ですが、その理由はリスク回避の1点に尽きます。セメントレスでガハハッと手術していた頃の勢いはありません(苦笑)。
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初学者がTHAの治療体系を俯瞰するにあたり、最もお勧めの書籍です

人工股関節全置換術
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