先日、セメントステム推しの記事を書きましたが、セメントステムの再建では、少し課題があると思っています。
それは、セメントインセメント、セメントオンセメントとも意外に難しいことです。まずセメントインセメントですが、コレがなかなか同サイズステムが入りませんでした。
おそらく大転子部の瘢痕組織や骨組織の切除が不充分だったのでしょうが、完璧にステム軸方向の障害物をすべて切除するのは思いのほか難しいと感じました。
次にセメントオンセメントですが、セメントを入れるタイミングや方法、そしてステムを挿入するタイミングも難しい...。
まずセメントを入れるタイミングですが、術者的にはスタックすることだけは絶対に回避したい。このためかなり早い段階で注入することになります。
ところがシャバシャバの状態で注入すると、術野にこぼれてエライことになります。そして細いステム部分しか空間がないので、奥までセメントを注入するのは至難の業です。
これをクリアすると、ステムを入れるタイミングという難関が控えています。慣れないのでどれぐらいのタイミングで挿入してよいのか分からないのです。
通常よりも早いタイミングで挿入するべきなのでしょうが、スタックだけは絶対回避しなければいけません。このためシャバシャバの状態で入れました。
まぁ、シャバシャバの状態でも髄腔内から出血は無く、またセメント塞栓の心配もないので気楽ですが、普段と違う風景に違和感を感じまくりです。
このあたりの実践的なテクニックを、いちどセメントTHAの大家に訊いてみたいと思いました。しかし絶滅危惧種と言われて久しいので、現役世代ではあまり居ない気が...。
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