先日、高速サンダーで手を切った人が受診しました。以前の記事でご紹介したように、未滅菌手袋を使用して縫合しようと思いました。


まず局所麻酔をして水道水で石鹸で洗ってもらいます。昔に比べたら、こちらがやることが省略化されており、業務改善を感じます。


手洗いが終了すると処置台に上がってもらい、創部を観察します。しかし、手洗い前に比べると出血が多い...。手洗いすると止血されていた部分から再出血するのが玉に瑕です。


仕方ないので未滅菌手袋の指部分を切って、簡易エスマルヒ&ターニケットを実施しました。すると、PIP関節直上で伸筋腱が切れていました。


放置するとボタンホール変形をきたすヤツですね。伸筋腱中央索(central slip)はきっちり縫合しなければいけません。ここで、はたと手が止まりました。


腱縫合も未滅菌手袋で縫合してよいのか??? 感染すると少々厄介です。しかもナイロン糸は腱内に残存します。この場合は、やはり通常通りに消毒するのが吉だな...。


今回得た教訓は、未滅菌手袋で縫合する場合でも内部の観察はマストで、関節や腱にまで損傷が及んでいる場合には仕切り直した方が良さそうだということでした。






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