先日、大阪公立大学整形外科の豊田先生の慢性疼痛に関する講演を拝聴しました。講演の後半が、認知行動療法(CBT)と動機付け面接(MI)の整形外科診療への応用でした。
正直言って、認知行動療法や動機付け面接というフレーズは聞いたことがありませんでした(苦笑)。感覚的には、心療内科っぽい印象を受けます。
国立精神・神経医療研究センター(NCNP)から抜粋
認知行動療法(Cognitive Behavior Therapy)はCBTとも呼ばれ、ストレスなどで固まって狭くなってしまった考えや行動を、ご自身の力で柔らかくときほぐし、自由に考えたり行動したりするのをお手伝いする心理療法です。
内閣府のホームページより抜粋
動機付け面接とは、面接者は対象者の考え方や行動が変化するための援助を行う。 動機づけ面接は、本人が変わりたい方向を見出し、その方向に変わろうとする対象者に力を添えていくようなやり方です。
おそらく、ほとんどの整形外科医にはピンとこない話題でしょう。しかし、特に慢性疼痛歴の長い人では、薬物療法だけでは不充分なケースがあります。
慢性疼痛はネガティブな感情も原因になっている症例が多いため、認知行動療法の考え方を取り入れて、患者さんの凝り固まった考え方を開放することが肝要とのことです。
そして、その手段のひとつが動機付け面接(MI)です。医師などの専門家が導くのではなく、患者さん自らが凝り固まった考え方を変える方向に援助するのがポイントです。
患者さん自ら考え方を変えるには、患者さん言葉を否定せずに、末広がりになる方向に会話を持っていきます。
普通の医師が限られた外来時間でコレをするのは至難の業っぽいですが、ガチガチの慢性疼痛患者さんを扱う専門外来であれば、是非習得するべき技術だと感じました。
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