整形外科医が保存治療を前提で治療する場合に、最も困るのは「神経痛」ではないでしょうか。神経痛には頚椎由来と腰椎由来がありますが、頚椎由来が特に難しい...。


脊椎外科医であれば、伝家の宝刀である手術を抜けますが、関節外科医では難しい。特に場末病院で脊椎外科医が居ないと困ってしまいます。


安易に紹介するわけにもいかず、治療方針に悩むケースが時々ありますが、そのような際に強い味方になってくれるのが、プレガバリンや‎ミロガバリンです。


最近では、より副作用の少ない‎ミロガバリン(タリージェ)を処方することが多いですが、それでもやはり眠気の出る人が多いです。


これらの薬剤は、効果が出るのが先か、副作用が出るのが先かのチキンレースの様相を呈しています。運良く効果の方が早くでれば「勝ち」ですが、副作用の方が早い方も多いです。


しかし、副作用は服用方法である程度克服できる可能性があります。具体的には、眠前服用を中心に据えるのです。例えば、タリージェを10mg投与する場合には以下のごとくです。


  • パターン① 夕食後5mg+眠前5mg
  • パターン② 眠前10mg


これ以外にも、午後から夕方にかけて症状が強くなる人には、昼食後5mg+眠前5mgというパターンも考えられます。私はパターン①を選好しますが、概ね良い感じです。


ポイントは、処方の基軸を眠前服用に据えることと、症状のピークに合わせて血中濃度を上げることだと考えています。ご参考になれば幸いです。





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