最近、あろうことか、THAや人工骨頭の大腿骨骨切りの際に、立て続けにカルカー部を骨折させてしまいました...。
原因は、骨切りの際にカルカー部を完全に切除していなかったためです。カルカーの一部に切り残しがあると、大腿骨頭を摘出する際にその部分が楔状に骨折するのです。
基本的にはセメントステムなので実害は無いのですが、研修医のような稚拙な手技に、我ながら呆れています。
さて、このようなことが発生する背景には、カルカー部をガツンと骨切りすると大腿骨頭の栄養動脈を切断してしまい、派手な動脈性出血を併発しやすくなることがあります。
動脈性出血を怖れてカルカー部の骨切りを少し控えめにしているのですが、コレが仇になっているようです。動脈性出血とカルカー部の楔状骨折では、骨折の方が罪深いでしょう。
このため、まず最初に内側のカルカー部をガツンと骨切りしてから、外側の骨切りを実施する方式に変更しようと思います。
それにしてもこの歳になって、こんな所で躓くとは、ホトホト外科医としての才能が無いようです(苦笑)。
管理人 お勧めの医学書
初学者がTHAの治療体系を俯瞰するにあたり、最もお勧めの書籍です

人工股関節全置換術
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