先日にTHAを施行した患者さんですが、術後1週間目で創部から大量の浸出液が漏出しました。コレって、整形外科医的にはメチャクチャ嫌なパターンですね...。


もし感染だったら、鬱になってしまいそうです。しかしガーゼ交換しても、感染っぽい感じはありません。内部に溜まっていた血種なのか???


しかし、尋常ではない量の浸出液なので、こちらも不安になります。血液生化学検査で炎症所見が亢進していなくても、浸出液が出てドレナージできていれば感染を否定できません。


一方、この方は反対側も THAを施行しています。何年か前なのですが、カルテを手繰ると術後2週間以上に渡って浸出液が漏出し続けたとの記録がありました。


最終的には感染ではなく経過観察で治癒したようです。どうやら、コレがこの患者さんにとっては正常(?)な経過なのかもしれません。


このように困った状況になったときに、反対側も同じ手術をしていれば、その臨床経過は大いに参考になる場合が多いと思います。


今回は創治癒不全でしたが、肝機能障害のパターンも多いと思います。術翌日のGOT/GPTが尋常ではなかく高いとビビってしまいますが、前回手術も同じなら少し安心します。


このように、患者さんは同じような臨床経過を踏む確率が高いと思います。傍から見ると異常な経過でも、意外とその人にとってはフツーの経過という可能性があると感じました。






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