私は場末病院で働いています。
場末病院の役割は何でも屋。地域から求められるモノは何でも引き受ける必要があります。


人工関節はニーズが高いので、年間 100症例程度こなしていますが、それ以外にも何本か収益の柱があります。回復期リハビリテーションもそのひとつです。


しかし、これからの時代は、それだけでは厳しいのも事実です。アフターコロナの医療機関淘汰時代に備えて内部留保を厚くする必要があります。


病床利用率を上げるためには、多少リスクの高い症例も受け持つ必要があります。その結果、必然的に看取りする症例も増加します。


私は整形外科医にもかかわらず、割と定期的に入院患者さんの看取りをしています。看取りの経験を重ねる毎に、やはりご家族とのコミュニケーション能力の必要性を実感します。


そして、それ以外にも一種の胆力が必要です。その胆力とは、自分の受け持ち患者さんがお亡くなりになることへの精神的ストレスに耐える力です。


内科医師にとっては常識的なことなのでしょうが、整形外科医の立場では自分の患者さんが亡くなるのは一大事です。もちろん、終末期にはいろいろ医療行為も発生します。


それらを全てひっくるめて、整形外科医主体で最期まで看取るのは、なかなか辛いと思うのも事実です。しかし、必要とされている業務なのでやり遂げざるを得ません。


人工関節全置換術後に元気に退院していく患者さんを診つつも、もう一方ではご家族を看取りに導く自分が居ます。これほどオンオフの激しい整形外科医は居ないかもしれませんね。








管理人 お勧めの医学書

 
初学者が整形外科の外来や救急業務を遂行するにあたり、最もお勧めの書籍です




整形外科研修ノート 改訂第2版