骨折の保存治療では、患者さんへの説明がひとつのキーポイントだと思います。自宅での過ごし方をうまく説明できると、要らぬ合併症が低減できるかもしれません。


例えば、鎖骨骨幹部骨折。転位が大きく骨片間が接触していない骨折型では、偽関節化すると治療が厄介です。このため、保存治療にも気合が入ります。


しかし、普段の生活の注意点をどうやって伝えたら良いのでしょうか? 自分が患者さんの立場になると分かりますが、医師に言われたことの10%も理解していない可能性が高い。


つまり、私たちが患者さんに伝えたことのほとんどすべてが守られない可能性があることを認識するべきでしょう。それならどうやって大事なポイントを伝えればよいのでしょうか。


骨折の保存治療であれば、転位させないことが重要です。私は一言「痛みが出ないように生活してください」と言っています。


痛みが出る=骨折部にストレスがかかる=転位する確率が上昇する、というロジックです。痛みが出ないように生活するというのは、患者さんにも理解しやすいワードだと思います。





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