Doctor's magazine 2023年3月号の医療過誤判例集 vol.237に興味深い記事がありました。腰椎後方椎体間固定術等を受けた患者の術後感染と医師の法的責任です。


何だか長ったらしいタイトルですが、私が「おっ」と思ったのは、現在では感染を起こしたこと自体は争点にならないという点です。


従来、術後感染は病院の中で発生した感染だから、病院に責任があると考える弁護士が少なくなかったそうです。しかし、周知のように術後感染は一定確率で発生します。


このため、感染を起こしたこと自体は争点にならないそうです。恥ずかしながら、私もこのコラムを読むまで、医療訴訟では感染を起こしたことが争点になると思っていました。


どんなに感染対策しても一定確率で発生する有害事象に対して法的責任を負うのはあまりに理不尽だと考えていましたが、実際にはそのようなことは無いようです。少し安心ですね。


しかし、感染を起こしたこと自体が争点にならないう代わりに、早期発見して適切な治療を実施したか否かが争点になるそうです。


なるほど、迅速な対応が必要なようです。まぁ、医師として当たり前のことですが、検査結果を確認し忘れるとかは話になりません。


しかし、日々大量の検査データを確認しなければいけないので、見落としもある一定頻度で発生する可能性があります。見落としは免責されないので注意が必要ですね。






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