薬価が上がるという驚くべき状況が出現しました。
2023年度薬価改定では、わずかな品目ですが薬価が上がった薬剤が出現したようです。


これまで薬価は下がるものだとばかり思っていました。しかし、昨今の急激な原材料費の高騰や安定供給問題が、一部の薬剤で薬価を上げる要因となりました。


例えば、アズノール軟膏は40%ほども薬価が上がったそうです。その理由は原材料費の高騰です。作れば作るほど赤字になる薬剤が増えてきました。


製薬会社は営利企業です。赤字を垂れ流す不採算品を作り続ける意味はありません。後発医薬品メーカーの不適切な製造管理を背景とした品不足も薬価の低さが要因のひとつです。


このような要因が重なって、これまでの薬価は少しずつ下がっていくという常識を覆す事態が出現しました。通貨安やインフレが続く限り、薬価が上がる現象は続くでしょう。


薬価の抑制は、貴重な国民の財産である医療費を温存する施策です。しかし、弱い立場の製薬会社を虐め過ぎると、持続性のある製薬業を望めません。


使い古された薬の薬価が上がるという驚きの状況を目の当たりにして、昨今の原材料費高騰の影響力の大きさを感じました。







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