先日、痛風発作である可能性が高い患者さんが初診されました。足関節外果の腫脹と発赤ですが、痛風発作でも割とよく見かける部位です。


しかし、この患者さんには問題点がひとつありました。半年ほど前に同院の皮膚科に受診しており、そこで蜂窩織炎の診断をされて抗生剤を処方されていたのです...。


今回の腫脹・発赤が痛風発作ではなく蜂窩織炎である可能性も全くのゼロではありません。もし痛風発作ではなく、蜂窩織炎だった場合にはややこしいことになりそうです。


血液生化学検査では、尿酸値は軽度上昇程度でした。しかし、痛風発作時に尿酸値が下がることは常識ですね。このため、痛風発作を否定する材料にはなりません。


このような場合、私は発赤している部位の辺縁を黒マジックでマーキングします。そして患者さんには、このマーキングを越えて発赤が広がるようなら即受診と伝えます。


一応、1週間後の外来に再診予約しますが、蜂窩織炎であればどんどん増悪するはずです。その際の保険をマーキングすることで掛けているワケです。


もちろん、翌日の他の担当医師の診察を予約することも可能ですが、前日との比較が困難なのであまり意味がありません。


それよりはマーキングすることで、局所所見が増悪していないかを確認する方が合理的だと考えています。





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