私が人工股関節全置換術(THA)の執刀をする前に、CTで確認することのひとつに筋肉量があります。一般的には皮下脂肪が厚いと手術はやりにくいです。
このため、術前CTでは皮下脂肪に目が行きがちですね。しかし、私の場合は、皮下脂肪よりも、むしろ筋肉量に注目しています。
その理由は、もちろん手術のやりやすさに直結するからです。肌感覚では、手術のやりやすさへの影響度は、筋肉量>>皮下脂肪の厚さです。
先日の症例では、皮下脂肪の厚みはそこそこ(約3cm)でしたが、手術は非常にやりやすかったです。その理由は、極端に筋肉量が少なかったから。
筋肉量が少ないと展開が容易で術中もストレスがありません。もちろん、筋肉量が少ないのは患者さんにとって良いことではありません。いわゆるサルコペニア予備軍だからです。
しかし、体幹に近い部位の手術をするという1点についてだけは、筋肉量の少なさは良い影響があります。まぁ、そう言いながら脳筋の私は今日もジムに行くワケですが(笑)。
管理人 お勧めの医学書
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人工股関節全置換術
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