先日、医療安全委員会なるものに出席していた際に、放射線科から要注意の情報がでてきました。それは、持続血糖測定器についての注意喚起です。
最近では、24時間の血糖の変動を簡単に測定できる機器が登場しています。上腕にペタッと貼るだけで血糖を持続的に測定できる優れものです。
この測定器によって、昼夜を通して高血糖および低血糖のパターンが分かり、低血糖リスクの予防に威力を発揮します。
少しずつ糖尿病患者さんの間に浸透しているようですが、この測定器を貼ったまま MRIを施行すると、誤作動を起こして血糖値が狂ってしまう可能性があるとのことです。
誤った血糖値のデータをもとにしてインスリン投与量が決定されると、糖尿病コントロールが不良になります。このため、MRI撮像時には持続血糖測定器を取り外す必要があります。
しかし、一般的なMRIの問診票には、体内金属やアートメークの記載はあるものの、現時点では持続血糖測定器の記載のあるものは少ないのではないでしょうか。
持続血糖測定器の誤作動可能性は、糖尿病内科医師や放射線科技師に周知していましたが、肝心のMRIを依頼する医師(整形外科や脳神経外科)には周知されていませんでした。
医療安全委員会委員長の立場では開いた口が塞がらない状態でしたが、気を取り直して整形外科や脳神経外科医に周知するよう指示しました。もう少し全体を見て欲しいところです。
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