先日、人工股関節全置換術(THA)術後数日の患者さんが急変しました。看護師が訪床すると、ベッドの上で呼吸していなかったようです。


木曜日の午後15時頃というゴールデンタイム(?)だったので、あっという間に黒山の人だかり。もの凄いマンパワーを得て蘇生開始します。


そうこうするうちに自発呼吸が出てきたので、頭部CT、頭部MRI、造影胸部CT、心エコー、下肢エコーまでを小1時間で完了してしまうという偉業を達成しました。


ちょうど放射線科医師も居たので読影もばっちり。結局、脳卒中、心筋梗塞、症候性PEなどではなく一命を取り止めました。不整脈だった可能性があるため循環器内科で精査です。


さて、このことがあってから思ったのですが、今回はとてもラッキーなケースでした。何故なら、個室にもかかわらず発見が早かったからです。


偶然にも早いタイミングで看護師が訪床したので事なきを得ましたが、あと数分遅かったら取返しのつかない状況だったと思われます。


もし、この患者さんが個室ではなく総室だった場合には、更に発見が早かった可能性もあります。もちろん、突然死であれば個室も総室も変わらないでしょう。


それでも、総室の場合には、他の患者さんの目もあるので、発見されやすいことは疑いようの無い事実です。これまで私は総室よりも個室の方が良いと思っていました。


しかし、今回の一件で個室至上主義の考え方が変わりました。特に高齢者や何らかの基礎疾患のある方は、総室の方がより安全かもしれないと感じました。






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