整形内科医師のワタシは、内科的な疾患を多数抱えた患者さんを常に受け持っています。そしてその中にはCOPD患者さんもチラホラ。


COPDと聞けば、どのようなイメージがあるでしょうか。学生時代の遠い記憶では、COPD患者さん=CO2ナルコーシス併発のため酸素投与禁忌というイメージがあります。


COPD患者さん=CO2ナルコーシスが刷り込まれているので、COPD患者さんには酸素投与できないというアタマになっています。しかし、よく考えるとHOTはどうなのでしょうか?


立派に酸素投与していても何の問題もありません。その理由をしばらく悶々と内に抱えていましたが、先日に恥を忍んで内科の先生に訊いてみました。


すると、憐みの目で私を見ながら、アホでも分かるように懇切丁寧に教えてくれました。COPD患者さんに酸素投与する際には、普段のSaO2を把握しておく必要があります。


ご存知のように、一般人は血中の二酸化炭素濃度に呼吸中枢が反応します。しかし、COPD患者さんの中には、これがイカれていて酸素濃度で呼吸中枢が反応する人がいます。


そのような人に過剰な酸素を投与すると呼吸が止まりますが、普段のSaO2までならOKです。つまり、普段の
のSaO2を計測しておき、酸素投与時の上限をその値にするのです。


なるほど、いちいち論理的で納得できるロジックです...。しかし、このような基本的事項を知らなかったのは、アホな整形外科の中でも更にアホな私ぐらいかもしれませんね。







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