年末年始は2週間近くタイに滞在していました。
タイ滞在中に一番困ったことは「物価高」です。
2023年5月にコロナ禍が明けてからの7ヵ月間で海外に4回行きましたが、いずれも日本円の通貨安に悩まされました。
しかし、東欧や韓国はそれなりの物価高を覚悟できたし、タンザニアは「安全をお金で買う」選択肢しか無かったので、日本以上の物価高も許容できました。
一方、今回のタイはこれらの国々と異なります。すでに20回近くの渡航歴があり、私にとって裏庭感覚の国です。そのタイの物価が日本とほとんど変わらないことに驚きました。
今回はバンコクとパタヤにしか滞在しなかったので、タイの中でも有数の物価高のエリアであることは間違いありません。
しかし、ビッグCなどのスーパーに行っても、安いと感じた瞬間がありませんでした。10~20年ぐらい前のタイは、日本よりも物価は安いが環境が劣っていました。
一方、今回訪れたタイは、暑い以外は日本と環境がさほど遜色無く、また物価も日本並みでした。まさにタイ≒日本という昔からは考えられない状況が現実化していたのです。
最後にタイを訪れたのは、コロナ禍初期の2020年2月のクラビです。あれから早4年。今回はまさに浦島太郎的でした。アジアの発展と変化に驚きました。
4年前と比べて、アジア勢の勢力が拡大しているように感じました。旅行者に占めるアジア勢の割合がかなり大きくなっていたのです。
当時は欧米系がメジャーでしたが、今回はアジア系が過半数を占めていました。欧米系はむしろ少数派です。そしてタイの国内勢も台頭しているようです。
そんな中、日本勢は相変わらず目立ちません。さすがに東欧やタンザニアほどではありませんが、タイ滞在中に日本人グループにあまり会わなかったのは非常に残念です。
さて、タイの物価高に悩んだのは、もちろん払えないからではありません。私のアタマの中にインストールされているタイの相場観が現実と相容れないためです。
何をしても相場観から「高い」ので、心の底から楽しめない(苦笑)。バーゲンハンター的感覚で生きてきた私が病的なのが一番の原因です。
しかし、この状況ではせっかくのバカンスを楽しめないのも事実。そこで何とかタイの物価高に対処する方法を考えてみました。
もちろんテクニカルに物価高を変更することは不可能です。取りうる手段は自分のマインドリセットでしょう。そこで日本 vs タイではなく、自分 vs タイに比較対象を変更しました。
つまり、自分の資産規模拡大速度 vs タイの発展速度で考えることにしたのです。CF増大速度や資産の時価評価増大速度で比較すると、、、少し気持ちが楽になりました。
国としての差は縮まっていますが、この点に関しては個人の力の及ぶところではありません。一方、個人のポジション取りに関しては努力次第で何とでもなります。
他力本願に円高や日本経済の復活を待つのではなく、自助努力をすることが唯一の解決策だと気付いたのです。
そして、この気付きは恐ろしい事態の進行を示唆しています。つまり、日本においても今後は格差拡大が不可避ではないかという予感です。
集団としての日本が沈没していくのなら、個人として助かる道を各々が探るしか方法が無いのではないかと...。
最後は重苦しい結論になりましたが、私は日本に決して暗い見通しがあるわけではありません。日本を取り巻く地政学的変化は、長期的には日本復活の原動力になるはずです。
日本の復活を信じつつも、それに頼らず自助努力して、これからも日本で生き抜いていこうと思います。それには、時代の大きな流れを見誤らないことが大切ですね!
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