イラン情勢の先行きは、依然として予断を許しません。ホルムズ海峡が完全に開放され、物流が正常化するまでには、まだ相当の時間を要することでしょう。


一方で、日米の株価は史上最高値圏で推移しています。まるで原油供給の懸念など存在しないかのような力強い動きです。


株式市場は、おそらくイラン情勢の早期終結を楽観的に見込んでいるのでしょう。しかし、私たちはこのまま株式市場の楽観を信じて安心していて良いのでしょうか。


少なくとも現時点において、原油供給にはかなりの制約がかかっています。その影響で、原油を原料とするナフサなどの原材料価格の高騰は避けられない状況です。


確かに、政府の的確な対応によって、致命的な日本社会への原油の供給途絶という最悪の事態は免れています。


TOTOのユニットバスの受注再開といったニュースに象徴されるように、経済的なショックは一時期より和らいでいるようにも見えます。


しかし、私は今回のイラン戦争による原油供給不足がトリガーとなって、インフレがさらに加速すると予測しています。


なぜなら、仮に今すぐホルムズ海峡が開放されたとしても、一度跳ね上がった石油製品の価格は、戦争前の水準まで完全には戻らないからです。


例えば、紛争前の価格を「100」と仮定します。海峡封鎖による供給不安で、製品価格が「130」まで上昇したとしましょう。


その後、情勢が落ち着いたとしても、価格は「110~120」程度で高止まりするのが常です。これまでも、供給不安が起こるたびに、物価の底が段階的に押し上げられてきました。


「一度上がった物価は完全には下がりにくい」というこのメカニズムこそが、インフレを進行させる正体です。


私たちは、インフレ加速を念頭に置いて、備えを万全にすべきでしょう。端的に言うと、株や不動産などの実物資産に換えようということです。尚、買い煽りではありません…笑






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