先週は福岡で開催された「日本リウマチ学会」に出席してきました。すぐに遊びにいく私には珍しく、朝から晩まで会場で過ごしていました。


もちろん、夜は飲み会に繰り出したのですが、そこで改めて痛感したのは、日本の
保険診療の医療機関(病院)が置かれている極めて厳しい現状です。


私は現在、病床数250ほどの中規模病院で病院長を務めています。日頃から財務諸表を注視していますが、残念ながら未来を明るく描くことは非常に困難だと言わざるを得ません。


誤解のないよう補足しますと、私の病院は同じエリア内ではかなり良好な経営状態を維持しています。しかし、10年スパンで俯瞰すると、拭い去れない絶望感に襲われるのです。


その最大の理由は、収益率の極端な低さにあります。私が知る限り、これほど低収益な構造で成り立っている業界は他に見当たりません。


あらゆる経営施策を打っても、ようやく損益分岐点を上回るのが精一杯。このような状況では、業界としての持続可能性など望むべくもないのです。


確かに、2024年度の診療報酬改定による打撃の反動で、2026年度には大幅な収入増が見込めるかもしれません。


しかし、それはあくまで「揺り戻し」に過ぎず、この2年間で進んだインフレや人件費の高騰をカバーできるレベルでは到底ありません。


今後も、物価上昇やコスト増を上回るような診療報酬の引き上げが行われる可能性は、財政的に考えても極めて低いでしょう。


率直に申し上げて、病院長である私が見ても、保険診療の医療業界はすでに「詰んでいる」と考えています。幸い、私は創業者一族ではないため、いつでも身を引ける立場です。


もし仮に、私が今、何のしがらみもなく医療業界へ新規参入するとしたら、徹底的な効率化と人件費の抑制に振り切るでしょう。しかも保険診療ではなく自由診療です。


しかし、それは現場で働くスタッフの労働環境悪化と同義です。医療従事者としてのバックグラウンドを持つ私にとって、そのような施策を強行するのは心情的に耐え難いです...。


だからこそ、私が医療機関のオーナー経営者になることは、この先もないでしょう。これほど詰んでしまった業界に、わざわざ身を投じるメリットを感じないからです。


こうした話は、医師の皆さんにとって、耳を塞ぎたくなるような暗い内容かもしれません。しかし、今こそ現実を直視すべきです。


その上で、自分自身の将来や「身の振り方」を、真剣に見つめ直してみる時期に来ているのではないでしょうか。




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