今年に入ってから、所有物件の賃賃借契約の更新時期を迎えるのが楽しみになっています。その理由は、更新のタイミングで毎回「賃料の引き上げ」を打診しているからです。


今のところ、すべての物件で値上げを了承いただいています。もちろん多少の減額交渉になることもありますが、基本的にはこちらの要求が通る状況です。


引き上げ幅の目安にしているのは、契約期間中のCPI(消費者物価指数)の上昇率です。年率換算で約2%程度なので、3年契約なら約6%、4年契約なら約10%の値上げ幅となります。


なお、あえてCPIを根拠にしているのは、万が一訴訟へと発展した場合でも「物価変動並みの改定であれば法的に負けない」というロジックを組んでいるためです。


賃上げ交渉は軽い気持ちで行うのではなく、こちらは最初から訴訟も辞さない覚悟と気合を持って打診しています。


ここ2年ほど、着実に賃料を改定できているため、当然ながらキャッシュフローや利回りは目に見えて改善しています。


不動産を購入した時点よりも後から利回りが上がっていく感覚は、長らくデフレ時代に不動産投資に取り組んできた身としては、どこか不思議で感慨深いものがあります。


昨年までは恐々と手探りの交渉をしていましたが、今年は堂々と提示できるようになりました。そして何より、賃借人側の受け入れ姿勢も昨年までに比べて明らかに滑らかです。


「物価が上がれば家賃も上がる」というインフレ思考が、世間一般にもいよいよ定着してきた証拠でしょう。不動産投資家にとって、常識のアップデートは非常に心強い追い風です。


しかし、こうしてスムーズに値上げができる状況を客観的に見つめ直すと、恐ろしい事実に気づかされます。


4年前と比べて賃料が10%以上上がった物件が増えたということは、裏を返せば「日本円の価値がこの4年で10%下落した」ということを意味しているからです。


わずか4年という短期間で、通貨価値がこれほどの勢いで目減りしている現実は、極めて深刻な事態と言えます。


私自身は不動産を所有しているため、インフレに対する耐性(ヘッジ機能)が自然と働いています。しかし、もし給与所得だけで生活している状態だったらと思うと、ぞっとします。


インフレが加速する時代においては、現金で持ち続けるリスクを避けて、不動産や株式といった実物資産をできる限り多く保有し続けることが、最大の防衛策になるでしょう。





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