今日の午前の手術は人工股関節全置換術(THA)でした。
THAのカップ設置角度は、外方傾斜角40度・前方開角20度ぐらいが理想といわれています。
ただ、この設置角度を実際の手術で常に再現することは意外と難しいです。


これをクリアする方法の一つとしてナビゲーションがあります。
しかし、大きな設備投資が必要なことや、レジストレーションの頻雑さを考えると全ての医療機関で導入することは難しいと思います。


私達は、単純X線の両股関節立位正面像に外方傾斜角40度・前方開角20度でのカップ設置することを目指しています。ナビゲーション無しで正確なカップ設置角度を得るために、麻酔導入後にイメージ下に両股関節立位正面像と同じように透視できるように手術台の傾きを調整します。


具体的には透視を使用して下記の調整を行っています。
①骨盤の傾きが床に対して90度になるよう手術台の傾きを調整する
②次に骨盤の前倒れ・後倒れの調整をする
③骨盤の傾斜角(前傾や後傾)を確認して、床にテープを貼付してインプランテーションの際の指標にする


この方法により、ナビゲーションを用いることなく、常に正確なTHAのカップ設置角度を得ることが可能となります。