化膿性脊椎炎+化膿性腸腰筋炎の方の治療を行っています。
糖尿病がベースのcompromised hostです。


発症当日から抗生剤治療を開始しています。
MRIの所見と併せて、腸腰筋膿瘍ではなく筋炎の状態であると考えています。


化膿性脊椎炎(椎間板炎)においては、同定される起因菌の半数以上が黄色ブドウ球菌です。
したがって、第一世代セフェムが第一選択の抗生剤となります。


今回の症例でも第一世代セフェムに感受性があるようで、劇的に炎症所見や症状が改善しつつあります。今後どのタイミングで抗生剤を終了するかが問題になります。


3-4週間は最低でも投与続けるべきとの文献が多いようです。今回のように初期の段階で炎症所見が劇的に低下しても、CRPが完全には正常範囲内にならないケースが多いです。


したがってCRPが正常範囲内になるまで投与すると、自然に3-4週は掛かるケースが多いように感じます。


いずれにせよ、血流が豊富な脊椎や筋肉に感染を併発するのは、尋常なことではありません。
私の場合、幸い年に1例程度しか経験しませんが、いつも治療するにあたっては緊張します。