今日の午後の手術は、大腿骨顆上骨折でした。
大腿骨顆上骨折は大腿骨頚部骨折と比べて症例も少なく、術後の免荷期間が長いため難易度が高い骨折です。


ロッキングプレートが出てくるまでは、逆行性の髄内釘ぐらいしかなかったため、良い成績はあまり見込めませんでした。そういう意味では、シンセスのロッキングプレートは革命的な内固定材料といえます。ただ、いくらロッキングプレートが比較的強固な固定性を得ることができるとはいえ、膝関節拘縮はほぼ併発します。


実際の手術手技ですが、牽引手術台を使用する方法としない方法に分けることができます。

牽引手術台を使用する場合は、顆部が過伸展位になりがちです。まず側面像で大腿骨骨幹部のやや後方にプレートが位置するようにし、顆部にロッキングスクリューを7本挿入します。次に、ローマン等でプレートの中枢側を大腿骨の長軸に合わすことで過伸展を矯正することが可能です。


顆部の整復を要する場合は、牽引手術台を使用しないで手術を行います。この場合、側面のアライメントは問題無く整復できますが、正面のアライメントが不良となりやすいです。したがって特に最初のスクリューを顆部に刺入する際に正面像で顆部と骨幹部のアライメントを確認することが重要です。


牽引手術台を用いると手術が楽なので、私は基本的には牽引手術台を使用します。





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