整形外科医のブログ

投資の成功によって30歳代で経済的自由を達成しました。 医師起業家として年商10億円企業を目指して日々奮闘中

感染

希少な合併症のカルテは貴重な財産

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関節外科医にとって、最も嫌なイベントのひとつに術後感染があります。感染すると患者さん・主治医とも、とんでもない不利益を被ってしまうので忌避するべき合併症です。


いくら入念に感染対策を行っても、併発可能性をゼロにすることはできません。一般的にハイボリュームセンターでは発生率が低いもののゼロにできないことは悩みを深くします。


そして更に厄介なことは、術後感染は滅多に発生しないことです。私の医師人生の中では2回経験していますが、詳細を思い出すことが難しいため前回経験を活かしにくいです。


このような時に役立つのは過去の感染症例の診療録です。発生時の経過や血液生化学検査データ、そして局所所見を含めた治療歴などの貴重な記録がすべて記載されています。


先日、その記録を見返す機会がありましたが、記憶の中にある経過や所見とずいぶん異なることに気付かされました。やはり人間の記憶がかなり曖昧なようです。


このような診療録は「羅針盤」として絶大な威力を発揮します。たしかに正書を紐解くと術後感染についての大量の文献がありますが、実際に目の前に居る患者さんとは異なります。


知りたいと思う
微に入り細を穿つ経過を、一般化された正書だけで把握することは不可能です。思い悩む症例を治療するにあたって過去診療録の価値は絶大なのです。


重篤な合併症を併発した症例の診療録は、個人情報を消去したうえで手許に厳重に保管しておくのも一法だと思います。


苦しかった症例は忘れたくなるモノですが、何年かしてその診療録のおかげで救われる患者さんが居るかもしれませんから...。






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感染症治療で最もお勧めの書籍です。Grandeと小さいサイズがあり内容は同じです。小さいサイズの方が安いですが、常に携帯する医師を除けば見やすいGrandeがお勧めです。

2年連続のインフルエンザ激減にみる医師信用度の低下問題

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師走に入り、例年であればインフルエンザの流行期入りしているのですが、今年も昨年に引き続いて極めて発症数が少ないそうです。





たしかに入院・外来患者さんでも熱発している人をあまり見かけません。本当にインフルエンザ患者さんは少ない印象を抱いています。


おそらく新型コロナウイルス感染症対策がインフルエンザにも奏功しているのでしょう。3密回避はそれなりにウイルス感染症には有効なのかもしれません。


一方、昨年の感染者が少なかったため、社会全体の集団免疫が形成されていない可能性が指摘されています。日本感染症学会が流行リスクがあることを呼びかけるのも頷けます。


これとは別の視点ですが、一般国民の間では医師に対して「また言っているよあの人たち...」といった
狼少年的な視線を注ぐ人が増加していることが気にかかります。



京都大学の西浦氏などを筆頭に、エキセントリックな脅しが注目されたため、医師に対する社会的信用が失墜したことは同業者として看過できない問題と考えています。


発展途上の研究領域だけに立脚したエキセントリックな見解で注目を集める戦略は個人としては正解ですが、医師全体の信用度を棄損するのは勘弁してほしいものです...。





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創治癒不全には経口抗生剤が利く?

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THAや TKAの症例で、術後1週間を超えても創部から少しずつ浸出液が漏出し続けることをときどき経験します。創部に発赤は認めないものの何となく暗赤色っぽい色調です。


熱発はなく、血液生化学検査でも CRP/WBCとも術後感染を疑う結果ではありません。それにもかかわらず浸出液が少しずつ漏出し続けるのは気持ち悪いものです。


このような症例では、私は思い切ってクラビットもしくはミノマイシンを処方してみることにしています。ICTラウンドで見つかってしまうとキツクお叱りを受けそうです...。


しかし、ほとんどの症例で、処方を開始してから1~2日で創からの浸出液漏出が収まり色調も正常化します。これってマイルドな表層感染なのでしょうか???


本当は浸出液を培養に提出するべきなのかもしれませんが、仮に細菌が検出されてもコンタミと区別することは困難です。


人工関節全置換術後 1週間を超えても浸出液が漏出し続ける場合で明らかな PJIでなければ、マイルドな表層感染と考えて抗生剤処方もアリかもしれないと考えています。


各方面からお叱りを受けそうな過激な意見だと思いますが、チキンな私はやむを得ず抗生剤を処方してしまいます...。






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多くの感染要因は迅速な手術で解決できる?!

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日整会誌 95: 819-824 2021に手術部位感染(SSI)に関するシンポジウムが掲載されていました。東京医科大学の正岡先生による 人工関節周囲感染予防のための手術室環境 です。


人工関節周囲感染(PJI)における手術室環境という外因性要因が網羅されています。今回は下記のような事項がありました。

  • やはり外履きシューズの導入は慎重になるべき
  • 手術室内のスタッフ数が多いほど感染率が上昇する
  • 手術室ドアの開閉回数が多いほど感染率が上昇する
  • 患者さんの術中体温低下で感染率が上昇する
  • 手術室の室温上昇で感染率が上昇する


そして上記の多くの要因に関係するのは手術時間だと思います。つまり、手術時間が短くなるほど感染リスクは低下するという肌感覚を支持する結果です。


手術は早く終われば良いいうものではありませんが、やはり迅速な手術にはそれなりのメリットがあると考えるべきでしょう。


つらつらと拝読してきましたが、読了してから次回の予定手術を執刀するのが嫌になりました。何だか感染しそうな気がしてきたのです...。まさに心気症ですね(苦笑)。






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粘膜損傷は菌血症の原因となりうる

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日整会誌 95: 813-814 2021に手術部位感染(SSI)に関するシンポジウムが掲載されていました。聖マリアンナ医科大学・鳥居先生の整形外科手術部位感染原因菌の侵入経路です。


鳥居先生の研究のノイエスは、挿管や胃管挿入時の手技で菌血症が発生することです。経鼻挿管、経口挿管とも 10%程度の頻度で菌血症を認めました。


菌血症が発生する原因として下記要因を推察されています。

  • 挿管や胃管操作による上気道粘膜損傷
  • 挿管チューブの気管粘膜圧迫



つまり、何らかの物理的原因で粘膜を損傷することが菌血症を惹起することを想定されているようです。しかし、ここでひとつの疑問が出てきます。


それは今回の研究において、菌血症で検出される菌は口腔内の常在菌であり、整形外科領域の SSIで最も多い MSSAではない点です。


たしかに挿管操作で菌血症は発生するかもしれません。しかし、整形外科領域で問題となる SSIの原因としては、挿管操作はさほど問題にならないのではないでしょうか。


もちろんそうであったとしても、愛護的な挿管操作と口腔ケアの重症性が低くなることは無いと思います。







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