整形外科医のブログ

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手術の気付き

手に汗握る?!Crowe group Ⅲ/Ⅳに対する THA

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日整会誌95:622-627 2021に興味深い教育研修講座がありました。金沢大学の加畑先生による Crowe group Ⅲ/Ⅳに対する人工股関節全置換術 -術前計画と手術の実際- です。


なんともマニアックなお題ですが、股関節外科医的にはとても興味を惹かれます。冒頭で高位脱臼股の疫学を解説されています。


1970年代以降は乳児検診が一般化したことで、Crowe group Ⅲ/Ⅳの患者さんは激減しました。患者さんの高齢化も顕著で、あと20年すると日本人症例がゼロになるかもしれません。


おおっ、それは股関節外科医にとって朗報だ!と思ったのですが、加畑先生は発展途上国では依然として症例数が多く日本人医師が治療機会を失うことは無いだろうと述べています。


う~ん、Crowe group Ⅲ/Ⅳなどまっぴらごめんと思っている場末病院の股関節外科医と、大学の看板を背負っているスペシャリストの感覚の違いは大きいですね(苦笑)。


話は具体的な手術手技のコツに進みます。最大のヤマ場である寛骨臼のリーミング部分では、かつて執刀した症例を思い出してしまい、読んでいてドキドキしました(笑)。



たしかに Crowe group Ⅳのカップ設置では、寛骨臼後壁の張り出している部分を大胆に削るのが正解なのですが、紙上にもかかわらず痺れますね~。


診察の空き時間に拝読していたのですが、ひとりで手に汗握ってしまい苦笑いしてしまいました。久し振りにエキサイティングな瞬間でよかったです。





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コロンブス的発想! 人工関節周囲骨折を2期的に手術する

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人工関節周囲骨折は治療が難しいです。人工関節屋さんでなくても、人工骨頭置換術後のステム周囲骨折があるので、すべての整形外科医が症例を受け持つ可能性があります。


この歳になっても未だに人工関節周囲骨折がくると憂鬱になるのですが、その理由は手術手技の難しさと、一体どれぐらい手術時間がかかるのか予想できない点に尽きます。


インプラントと骨の安定性が毀損されると再置換術が必要です。セメントステムの人工関節周囲骨折の場合は、セメント除去+骨接合+再置換術という 3つものステップが必要です。


う~ん、考えただけで憂鬱になりますね...。できるだけ再置換術を避けたいので骨接合術に逃げがちです。しかし、海外のレジストリーでは明らかに骨接合術の成績は落ちます。


もちろん骨折型によって術式は決められるべきなのですが、現実論として待ったなしの骨折症例では各施設の能力の上限を超えている症例も多いことでしょう。


成績が不良になることを覚悟したうえで骨接合術を選択する場合が多いですが、実は一期的に手術をしてしまおうと考えるからしんどい術式になるとも言えます。


1期的にセメント除去+骨接合術+再置換術までしなくても、まずセメント除去+骨接合術を施行してから、2期的に再置換術を施行するという考え方もあります。


2期的に手術を行うメリットとしては、患者さんへの侵襲が小さいため合併症併発率を抑えられること、および専門医を招聘することで万全の体制で再置換術を実施できることです。


コロンブスの卵的な発想ですが、人工関節周囲骨折を必ず 1期的に施行しなければいけないルールがあるわけではありません。自施設の実力に応じて柔軟に考えると良いと思います。






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DIP関節固定術は意外と難しい

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ヘバーデン結節は極期の半年ほどを乗りきると疼痛が緩和していきます。このため mucous cystの自壊を繰り返すような症例を除けば保存治療を行うことがほとんどです。


しかしときどき疼痛が軽快しないため手術希望される患者さんが居ます。了解、それじゃDIP関節の固定術を行いましょうと言いがちですが、ちょっと待ってください。


DIP関節固定術は意外と難しいと感じています。DIP関節なんて表層の関節なんだから容易でしょ、と思いがちですが実はいくつかピットフォールがあります。


最大の問題点は内固定材料の選択および挿入法です。関節固定なので強固な固定を目指したいところです。このため Acutrakや DTJスクリューを選択することが多いです。


たしかにこれらの内固定材料がうまく挿入できれば強固な固定性を獲得できますが、挿入する際の角度が問題となります。


中節骨・末節骨とも小さな骨なので、かなり強斜位に挿入しないとうまく固定できないのです。しかもスクリュー挿入時に中節骨の皮質が割れてしまうこともあります...。


私個人の好みではありますが、術中に Acutrakや DTJスクリューの挿入が難しそうだと判断すれば、躊躇なくC-wireの cross pinningにコンバージョンします。


結論的には DIP関節の固定術を舐めてはいけません。それなりに難しい手術であると認識して手術に臨むべきだと思います。






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抜釘時にはドライバーを叩打しよう!

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先日、10年モノの Acu-Locを抜釘しました。
初期のプレートだったため、遠位スクリューが小さな六角ドライバーです...。


比較的若年者だったこともあり、スクリューヘッドを舐めそうになりヒヤヒヤしました。フルスレッドの遠位スクリューにびっちり骨が嚙みこんでいます。


さて、このような場合にはスクリューヘッドの軟部組織を完璧に除去してからドライバーを挿入するのは当然として、もうひとつするべきことがあります。


それは、スクリューヘッドにドライバーを正確に挿入してから、ハンマーで何度かドライバーを叩打するのです。


この手技により、プレートとスクリュー間および骨とスクリュー間の噛み込みが少し外れるそうです。よくハチミツの瓶の蓋を開けるときに包丁の背で叩きますが同じ要領ですね。


この手技の存在は術中に教えてもらいましたが、その効果のためか何とかすべてのスクリューを抜去することができました。


最近の橈骨遠位端プレートのスクリューはスタードライブなので六角よりはマシですが、それでも抜去時に舐める可能性があります。抜釘時にはドライバー叩打が望ましいでしょう。






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3Dポーラスのカップは避けた方が無難そう

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先日、大学の先生と一緒に人工股関節全置換術(THA)に入る機会がありました。一流の術者と一緒に手術ができるのはありがたい環境です。


さて
同門とは言え、所属施設が異なる股関節外科医が集まると話題になるのは、どのインプラントを使用しているの? です。


私はセメントレス派、かつ 3Dポーラスは嫌い派です。3Dポーラスのカップは初期固定性が良いのですが、少し経過すると高率にカップ周囲の Radiolucent lineが出現します。


Radiolucent lineの出現は、某社の招待で米国のニュージャージーに行った際に、各大学の股関節外科医から相次いだ意見でした。


その印象もあったので 3Dポーラスは嫌い派になったのですが、最近では大学の先生も 3Dポーラスのカップに懐疑的になっているようです。


ソースは、がみたけ先生のブログでもご紹介されているフィンランドの国家レジストリーをもとにした報告なのでしょう。


現時点で成績が出ているのは Tritaniumだけですが、他のカップも怪しいです。3Dポーラスのカップがダメな理由はよくわかりませんが、結果は厳粛に受け止めるべきだと思います。






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