整形外科医のブログ

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手術の気付き

前腕両骨骨折のコツ

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先日、前腕両骨骨折の手術がありました。
前腕両骨骨折の手術は、下記の問題点があるため手術難易度が高いと思います。


  1. 術後の腫脹を防ぐためにワンターニケットでの手術完了が望ましい
  2. 少しでも転位を残すと2本目の骨接合が困難になる


①ですが、ワンターニケットで手術を終了することはかなりハードルが高いです。自分の手術記録を見直したところ、
ワンターニケットで終了した症例は 1/3しかありませんでした。


②に関しては、少しでも転位を残すと2本目の骨接合が困難になるため、1本目の骨接合から完全な整復を目指す必要があります。これはかなりのプレッシャーですね...。


ちなみに前腕両骨骨折では、骨折型が単純な方から骨接合を行いますが、両方とも同じなら通常は尺骨から骨接合を行います。


釈迦に説法かもしれませんが、橈骨は骨面が比較的平坦なため掌側へプレートを当て、尺骨はテンションサイドである背尺側にプレートを当てる必要があります。







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THAのポリエチレンライナー交換では22mmのトライアルヘッドを準備しよう!

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先日、人工股関節全置換術後のポリエチレンライナー交換がありました。たかがポリエチレンライナー交換と思いがちですが、初回手術よりも難しいので注意が必要です。


ポリエチレンライナー交換が難しい理由は、主に下記の2点に集約されます。

  1. 人工関節周囲の軟部組織を切離するので易脱臼性が出現することがある
  2. ステムネックが邪魔になってポリエチレンライナーを設置することが難しい


①に対してはリップ付きのポリエチレンライナーや従前よりも長いサイズの骨頭を使用することで対応可能ですが、過度に軟部組織を切離することを避ける必要があります。


問題は②なのですが、患者さんの体型によっても難易度が異なります。筋肉量の多い患者さんではステムネックの邪魔度合いが増加してとてもやりにくいです...。


ネックを前方や下方に排除するためには軟部組織に大きなダメージを与えてしまいます。これを防ぐためにはネックをポリエチレンライナー内に「整復」した状態で操作します。


この際には、ショートサイズの 22mmのトライアルヘッドを準備するとよいです。トライアルヘッドをステムネックに装着してポリエチレンライナー内に「整復」してしまいます。


ネックを直接ポリエチレンライナー内に「整復」してしまうと、ポリエチレンライナーが傷だらけになってしまいます。このためトライアルヘッドを保護材として利用するのです。



昨今では 22mm骨頭を使用する症例はほとんどありません。28mmが最小サイズなので、22mmのトライアルヘッドならポリエチレンライナーとの間にかなり余裕ができます。



さらにショートサイズなので、比較的余裕をもってポリエチレンライナーの操作ができます。と言ってもなかなか難しいのですが、再置換術なので仕方ないですね...。







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低体温症では手術延期が無難

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周術期の低体温は忌避するべき状態です。周術期低体温による術後合併症には下記のようなものがあります。


  • 感染率上昇
  • 心疾患リスクの増加
  • 出血および輸血の必要性の増加
  • 薬物代謝・覚醒遅延
  • 皮膚障害・褥瘡


主治医として特に憂慮される点は感染率上昇でしょう。消化器外科の待機的結腸直腸手術の研究では、正常体温群と比較して約 4倍もの感染率上昇を認めました。


かなり前のことですが、真冬に病院の空調設備が故障したために病室の気温が低下してしまい、出室前に低体温をきたしてしまった症例がありました。


やむを得ないこととは言え、そのまま手術を施行した場合には種々の合併症を併発するリスクが高まります。判断が難しかったですが、手術を延期したことがありました。


病室の温度コントロールができない状態というのは頻回にあるわけではないですが、特に冬場にそのような事態が発生した場合には慎重な対応が必要だと思いました。






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下腿髄内釘を行ううえでの一番のポイントは?

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先日、脛腓骨骨幹部骨折の髄内釘を施行しました。この手の外傷は久し振りだったのですが、少し間を置いていたからこそ気付いた点がありました。


下腿髄内釘のキモは何だと思いますか? 今回の手術で感じたのですが、脛骨近位の髄内釘エントリーポイント決めが最重要ではないかと思いました。


脛骨近位の髄内釘エントリー部の位置が至適だとさまざまなメリットがあります。まず髄内ロッドの刺入が容易であるため手術時間の短縮につながります。


またエントリー部の位置が遠位過ぎると脛骨前方皮質が縦骨折してしまい心臓に悪いです。そのような種々の術中トラブルを回避するため、エントリー部の位置を術前検討しました。


健側脛骨の骨軸を2方向で計測して、患者さんに即した位置を決定します。今回の症例では、正面像で脛骨外側顆間隆起でした。


術中透視でその位置を確認して、その直上で皮膚切開を加えます。意外と膝蓋腱の中央だったのでそのまま繊維方向でスプリットしました。


以前は膝蓋腱を傷つけないように側方に排除していましたが、これではエントリーポイントが至適になりにくいです。今回はそのようなストレスなくスムーズに手術が終了しました。


下腿髄内釘のコツは他にもいろいろあると思いますが、やはり脛骨近位のエントリーポイント決めが最も重要ではないかと感じています。





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希少な合併症のカルテは貴重な財産

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関節外科医にとって、最も嫌なイベントのひとつに術後感染があります。感染すると患者さん・主治医とも、とんでもない不利益を被ってしまうので忌避するべき合併症です。


いくら入念に感染対策を行っても、併発可能性をゼロにすることはできません。一般的にハイボリュームセンターでは発生率が低いもののゼロにできないことは悩みを深くします。


そして更に厄介なことは、術後感染は滅多に発生しないことです。私の医師人生の中では2回経験していますが、詳細を思い出すことが難しいため前回経験を活かしにくいです。


このような時に役立つのは過去の感染症例の診療録です。発生時の経過や血液生化学検査データ、そして局所所見を含めた治療歴などの貴重な記録がすべて記載されています。


先日、その記録を見返す機会がありましたが、記憶の中にある経過や所見とずいぶん異なることに気付かされました。やはり人間の記憶がかなり曖昧なようです。


このような診療録は「羅針盤」として絶大な威力を発揮します。たしかに正書を紐解くと術後感染についての大量の文献がありますが、実際に目の前に居る患者さんとは異なります。


知りたいと思う
微に入り細を穿つ経過を、一般化された正書だけで把握することは不可能です。思い悩む症例を治療するにあたって過去診療録の価値は絶大なのです。


重篤な合併症を併発した症例の診療録は、個人情報を消去したうえで手許に厳重に保管しておくのも一法だと思います。


苦しかった症例は忘れたくなるモノですが、何年かしてその診療録のおかげで救われる患者さんが居るかもしれませんから...。






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