整形外科医のブログ

投資の成功によって30歳代で経済的自由を達成しました。 医師起業家として年商10億円企業を目指して日々奮闘中

手術の気付き

3Dテンプレートには見えないものが見えてしまう弊害アリ?!

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数年前から、THAの作図は 3Dテンプレート(ZedHip)を使用しています。3Dテンプレートにすると、従来の 2Dと比較して圧倒的に正確に術前計画可能です。


まさに良いこと尽くめ、、、というわけではありません。何故なら、2Dでは見えなかった問題点が可視化されるケースがあるからです。


先日も、寛骨臼前方荷重部に巨大な欠損ができる可能性がある症例がありました。3Dテンプレートでインプラントを設置して初めて分かったことです。


院内のCT画像を見直しましたが、本当にそんな骨欠損(被覆不足)が生じるのか?という疑念が生じるほどです。しかし、3Dテンプレートは正確なはずです。


できるだけ被覆率を上げるために、カップ設置位置を微修正して1時間ぐらい費やしました...。しかも、最終的には不満足な術前計画以外は実行不可だと悟るハメに。


たぶん従来であれば何も考えずに手術して、そしておそらく何も起こらずに終了していたはずです。つまりコワいものの存在を知らずに手術して、知らないまま終了し
ていたのです。


下手にリスクが発生する可能性を知ってしまったがために、心配になって有効な解決策があまり無い状況下で悶々とする...という状況は整形外科医アルアルではないでしょうか。






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人工股関節全置換術



患者さんのハートを鷲掴みにする神ワードとは?

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予定手術の手術説明は、医師として最も時間のかかる業務の一つだと思います。特に人工関節や脊椎などの緊急性の無い手術では、患者さん(と家族)との信頼関係構築に必須です。


私の場合、30分程度かけてじっくり説明しますが、手術説明が終わるとどっと疲れます(苦笑)。毎週のように手術説明を繰り返していますが、効率化できそうにありません。


その理由は、手術説明が患者さんに情報を伝える場であるとともに、患者さんおよびご家族との信頼関係を熟成する場だと考えているからです。


私は業務を効率化するのが大好きな人間です。おそらく医師としての生産性はかなり高いと自負していますが、手術説明だけは非常に効率が悪いです。


何の利益も産み出さないのに、1日の仕事の1/14もの時間を投入しています。しかし、外科系の予定手術では、信頼関係がすべてに優先されると思います。


このため、必要経費(?)と考え、患者さんの信頼を得られるまでとことん手術説明を行います。ところが最近、手術説明も効率化できることを発見しました。


その方法とは、ずばり「私に任せてください!」と言い切ることです。若い頃の私なら、絶対に言わない禁忌ワードでした。そんなこと言って結果が悪かったらどうするんだ?と。


しかし、よく考えると何か合併症が発生しても「私に任せてください!」と言ったことが不利に働くことはありません。それなら、患者さんのハートを鷲掴みにしてもいいはずです。


最近では、患者さんからお願いしますと言われると、待ったましたとばかりに「私に任せてください!」としっかり目を見て言い切っています。


これだけで患者さんとご家族は安心して退出することが目に見えて分かります。あ~良いこと言ったなと我ながらご満悦(笑)。もちろん、自信の無い手術で言ってはいけません。






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人工股関節全置換術



固定性が良いのも考えもの?!3Dポーラスカップの意外な盲点

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先日のTHAで、少し考えさせられることがありました。
寛骨臼側にカップを設置したところ、プレスフィット感は完璧です。


しかし、カップホルダーを外して寛骨臼縁とカップとの位置関係を確認すると、微妙に術前作図と異なるのです。その差はおそらく2mm程度でしょう。


カップが少し寛骨臼後縁からはみ出る状況を想定していましたが、カップと寛骨臼後縁が面一なのです。見た目の差異は2mm程度でも、前方開角は少し甘くなります。


最終的にはステム側で調整して易脱臼性は全くありませんでしたが、術者的には少し不満の残る結果でした。このようなケースではカップを置換し直す選択肢があります。


しかし、今回のカップは3Dポーラスカップでした。ご存知の通り、3Dポーラスカップの固定性はハンパ無いです。寛骨臼にプレスフィットすると、直後であっても抜去困難です。


感覚的には、セメントカップに似ています。つまり、修正の利かない一発勝負のカップ設置なんですね...。セメントレスカップのメリットはやり直しが利くことと思いがちです。


しかし、3Dポーラスカップに関しては、そのような甘い考え方は禁物なのでしょう。
3Dポーラスカップ ≒ セメントカップ。これからは、そのように認識を改めようと思いました。






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人工股関節全置換術



困った時には反対側の臨床経過を調べてみるのも一法

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先日にTHAを施行した患者さんですが、術後1週間目で創部から大量の浸出液が漏出しました。コレって、整形外科医的にはメチャクチャ嫌なパターンですね...。


もし感染だったら、鬱になってしまいそうです。しかしガーゼ交換しても、感染っぽい感じはありません。内部に溜まっていた血種なのか???


しかし、尋常ではない量の浸出液なので、こちらも不安になります。血液生化学検査で炎症所見が亢進していなくても、浸出液が出てドレナージできていれば感染を否定できません。


一方、この方は反対側も THAを施行しています。何年か前なのですが、カルテを手繰ると術後2週間以上に渡って浸出液が漏出し続けたとの記録がありました。


最終的には感染ではなく経過観察で治癒したようです。どうやら、コレがこの患者さんにとっては正常(?)な経過なのかもしれません。


このように困った状況になったときに、反対側も同じ手術をしていれば、その臨床経過は大いに参考になる場合が多いと思います。


今回は創治癒不全でしたが、肝機能障害のパターンも多いと思います。術翌日のGOT/GPTが尋常ではなかく高いとビビってしまいますが、前回手術も同じなら少し安心します。


このように、患者さんは同じような臨床経過を踏む確率が高いと思います。傍から見ると異常な経過でも、意外とその人にとってはフツーの経過という可能性があると感じました。






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人工股関節全置換術



カルカー部の骨切り不足で楔状骨折を量産してしまった件

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最近、あろうことか、THAや人工骨頭の大腿骨骨切りの際に、立て続けにカルカー部を骨折させてしまいました...。


原因は、骨切りの際にカルカー部を完全に切除していなかったためです。カルカーの一部に切り残しがあると、大腿骨頭を摘出する際にその部分が楔状に骨折するのです。


基本的にはセメントステムなので実害は無いのですが、研修医のような稚拙な手技に、我ながら呆れています。


さて、このようなことが発生する背景には、カルカー部をガツンと骨切りすると大腿骨頭の栄養動脈を切断してしまい、派手な動脈性出血を併発しやすくなることがあります。


動脈性出血を怖れてカルカー部の骨切りを少し控えめにしているのですが、コレが仇になっているようです。動脈性出血とカルカー部の楔状骨折では、骨折の方が罪深いでしょう。


このため、まず最初に内側のカルカー部をガツンと骨切りしてから、外側の骨切りを実施する方式に変更しようと思います。


それにしてもこの歳になって、こんな所で躓くとは、ホトホト外科医としての才能が無いようです(苦笑)。






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