整形外科医のブログ

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大腿骨

意外と骨折に付随した発熱+酸素飽和度低下は多い?!

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大腿骨近位部骨折の症例では、肺炎等を併発 → しんどくなって転倒 → 大腿骨近位部骨折を併発 という流れが多いという刷り込みが私にはあります。


大腿骨近位部骨折で搬送されてきた症例で肺炎を併発している方があまりに多かったので、この仮説はかなりの頻度で該当すると感じていました。


しかし、思い込みがキツ過ぎて、いつの頃からか発熱+酸素飽和度低下+大腿骨近位部骨折=肺炎を併発している、と考えるようになりました。


もちろん、そのような症例の多くは実際に肺炎を併発しているわけですが、ときどきそうではない症例も紛れていることに気付きました。例えば下記のような症例です。


  • 骨折してから1~2日経過している
  • 肥満
  • 肋骨骨折を併発



肺塞栓症の除外診断ができていれば、発熱+酸素飽和度低下があれば肺炎でしょと思いますが、意外と胸部CTでは肺炎像が無いことも多いです。


一応、スルバクタムナトリウムを投与しながら手術に臨むのですが、単に骨折して体動困難なので呼吸が浅い+骨折による熱発というパターンもあるように感じます。


データも大切ですが、患者さんが呼吸苦を訴えていないようであれば、骨折による熱発+低換気というパターンもあることを頭の片隅に置いても良いかもしれません。







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Profemur Xmの新ラスプが米国から輸入された?!

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過去に何度か、大腿骨頚部骨折でよく使用している MicroPort社のポリッシュテーパー+チェンジャブルネックである Profemur Xmの話題を取り上げました。






なかなか良いコンセプトのインプラントなのですが、日本人の高齢女性に使用する場合には大きな問題点がありました。それは、インプラント近位の大きさです。


メーカーの方にお伺いすると、これぐらいバルキーにしておかないとチェンジャブルネックの強度を保てないとのことだったので仕方無いと思います。


一方、ラスプに関しては最も使用頻度の高い最小サイズのラスプがプアだったので、術中骨折併発が危惧されます。このため、いつも冷や冷やして手術を施行していました。


その感想をブログに記載したところ、MicroPort社のHipプロダクトマネジャーの方から、当ブログ宛てに下記のようなメッセージをいただきました。




改善点の最小ラスプについてですが、ご指摘の通りこれまで日本で作成しておりました。 これを改良するため、US本社で新しいラスプを作成し、昨日日本に輸入しました。 ご指摘いただいたラスプの切れが悪く、術中骨折につながる可能性を軽減したいと考えております。




場末病院のしがない整形外科医の書いたブログの感想で新しいラスプを作成するとは思えないので、おそらく全国の整形外科医から同様の要望が多数あったのでしょう。


せっかく新しいラスプを使用できるようになったようなので、大腿骨頚部骨折の症例があれば積極的に使用してみようと思います。






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大腿骨顆上骨折に対する NCB-DF

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先日、大腿骨顆上骨折に対して、ZIMMER BIOMETの NCB
Distal Femur(NCB-DF)を使用しました。患者さんは極度の骨粗鬆症で、股関節・膝関節とも拘縮しています。


牽引台に乗せること自体が、新たな骨折を併発させる要因になりそうなほどでした。このような症例であるため、短時間+低侵襲での手術手技が望まれます。



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上図のプレートが NCB-DFです。このプレートシステムには、ターゲティングガイドという MIS用のデバイスがあります。手技書を読んだ限りでは、結構使えそうな印象でした。


では実際にはどうだったのでしょうか? 第一印象は、短いプレートを選択した場合には、ほとんど MISにはならないということでした。


ターゲティングガイドをプレートに取り付ける部位がかなり近位であるため、大腿骨顆部の皮膚切開が近位測に向かってかなり大きくなります。


このため、なかなか長大な皮膚切開をせざるを得ませんでした...。ただ、
ターゲティングガイドがあるとプレートの操作性が良好です。


プレートを大腿骨の軸に合わせるのも、視覚的にも手技的にもターゲティングガイドがあると非常に簡単にできてしまいます。


スクリューを挿入するのもターゲティングガイドがあった方が楽です。ただ、圧倒的に楽かと言われるとそうでもないなという印象でした。


シンセスの LCP-DFと比較しても、ポリアクシャルなロッキングスクリューが可能な NCB-DFが優位です。おそらく大腿骨顆上骨折では、NCB-DFを使い続けることでしょう。


それでは、NCB-DFのMIS用デバイス(ターゲティングガイド)を使用するかというと、すこし微妙なところです。今度は通常の方法で手術してみよう...。








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イベニティでも非定型大腿骨骨折を併発しうる?

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先日、大腿骨頚部骨折にたいして人工骨頭置換術施行した症例で、
大腿部痛を訴える症例がありました。骨粗鬆症が高度だったのでイベニティ→BP製剤にスイッチしたところです。


大腿部痛を訴えて近医を受診したのですが、その際の担当医から「非定型大腿骨骨折の疑いあり」と言われたとのことで、患者さん家族が怒鳴り込んできました...。


大腿骨の単純X線像では、ステム先端の皮質骨がやや肥厚しています。これ自体はよく外来でみかける所見であり、何故この所見で非定型大腿骨骨折なのか理解に苦しみます。


診察すると、どうやら腰椎由来の臀部から大腿部痛のようです。まだ、BP製剤は1回しか服用してもらっていないので、非定型大腿骨骨折はないだろうと思いました。



しかし、その開業医はそこそこベテラン医師なので、もしかしたらイベニティでも非定型大腿骨骨折は発生するのかも? と心配になりました。


製薬会社に問い合わせたところ、BP製剤の長期服用例で報告があったようですが、イベニティ単独ではないようです。そりゃそうだな
...。


もちろん、非定型大腿骨骨折自体が原因不明であり、半数以上は BP製剤服用歴は無いため、BP製剤の長期服用が無くても発生する可能性はあります。


今回患者さんに怒鳴り込まれて、改めて非定型大腿骨骨折症例の対応は難しいと感じました。まぁ、今回は誰が見ても非定型大腿骨骨折ではないのですが...。







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非定型大腿骨骨折の健側治療は?

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非定型
大腿骨骨折...

なかなか骨癒合しない嫌な骨折ですね。


できればあまりお目にかかりたくないですが、延々とBP製剤を投与されている症例も散見され、今でも一定頻度で発生している印象を受けます。


骨折に至った症例は手術するしかないのですが、反対側に無症状の骨膜肥厚が存在する場合には悩むことが多いです。


骨折してしまうと難治性なので、主治医的には手術しておきたいところですが、無症状の骨膜肥厚に対して手術を提案しても拒否される可能性があります。


一応、ベストと思われる選択肢は、

  1.  無症状の骨膜肥厚に対して予防的に髄内釘
  2.  BP製剤中止
  3.  PTH製剤投与

と思われますが、①はやはりハードルが高い印象を受けます。


主治医的にも無症状の症例に対して予防的に手術を施行するのは憚れることではあります。それでも他医で
BP製剤が投与されていたのでがなら、まだ強く勧めることも可能です。


非定型大腿骨骨折症例の健側の治療はなかなか難しい論点があると感じています...。







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