整形外科医のブログ

投資の成功によって30歳代で経済的自由を達成しました。 医師起業家として年商10億円企業を目指して日々奮闘中

膝関節

膝蓋骨骨折の治療方針で迷ったら SLRを確認しよう

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先日、膝蓋骨骨折の患者さんが来ました。
単純X線像では、骨折部の転位がそれほど大きくない横骨折です。


完全なヘアラインの骨折とまでは言えない、何ともビミョーな骨折型です。保存療法でも手術療法でも、どちらの選択肢もアリな感じですね。


このような患者さんに対しては、あっさり経皮的に手術してしまい、ROM訓練等をしっかりめに行う選択肢もあると思います。


しかし、もし自分の家族が患者さんであれば、やはり保存療法を希望する気がします。このような悩ましい症例では、患側でSLRできるかを試させると良いようです。


自力でSLRができるということは、膝関節の伸展機構が温存されていることになります。膝蓋骨骨折の手術をすると、膝蓋骨表面の腱膜が残っている症例を散見します。


このような症例は、実は手術をしなくても骨癒合した可能性があります。保存療法か手術療法かに迷ったら、SLRを自力で実施できるか試すと良いかもしれませんね。







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豊富な図や画像が提示されているため、ほとんどの骨折や脱臼に対応することが可能です








登山で発生する膝痛には関節外要素もある

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実は、明日から屋久島の縄文杉トレッキングに参加します。屋久島の縄文杉は世界遺産にも登録されているので、ご存知の方も多いことでしょう。


しかし、縄文杉に辿り着くためには、往復11時間の道のりを歩かなければいけません。道はそれなりに整備されているそうですが、往復11時間はちょっと自信ありません...。


その理由は、2020年にビワイチ(自転車で琵琶湖1周)をした際に、初日の後半から腸脛靭帯炎を発症して、階段を昇ることさえままならなくなったためです...。


これでも私は、毎日通勤で往復12Km自転車に乗っています。しかも、毎週2回ボクシングジムに行ってサンドバックを叩いたり筋トレも余念が無い...。


このため体力には自信があったのですが、ビワイチでは完膚無きまでに打ち砕かれました。今回の縄文杉トレッキングも膝が心配です。ちなみに普段は全く膝関節痛はありません。


ご存知のように、登山やトレッキングで起こる膝痛には、関節内要素と関節外要素があります。いわゆるOAなどの関節内要素に関しては、あまり対応法がありません。


一方、腸脛靭帯炎や鵞足炎などの関節外要素は、サポーターやストック使用で多少はカバーできます。ストックはレンタルしたので、あとはサポーターを購入するかどうかです。


あと、ロキソニンはもちろんのこと、ステロイド局注を持参するか迷うところです。縄文杉トレッキングの翌日は白谷太鼓岩ツアーに参加予定だからです。大丈夫かな...。


しかし、経験者によると屋久島に行くのであれば、両方とも絶対に外せないとのことです。初日はどんちゃん騒ぎを控えて、2日間にわたる屋久島トレッキングツアーに集中しよう。







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オーストラリア理学療法協会のスポーツ理学療法士による実践的な教科書です。
治療的テーピングの概要を学ぶことができます。



 






内側半月板後根損傷は中高年女性に突然発症する

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先日、内側半月板後根損傷が話題になりました。傍で聞いていたのですが、恥ずかしながら内側半月板後根損傷という傷病は初めて聞きました...。


内側半月板後根損傷は半月板損傷の特殊形態です。中高年の女性に好発し、階段昇降やジョギングなどの最中にいきなり発症することが特徴です。


内側半月板後根が断裂する際に、膝の中でゴリッという音がして痛みが出ること多いようです。かなり痛みが強いのですが、MRIでははっきりとしないことも多いです。


その理由は内側半月後根の解剖学的特徴のためです。MRIで内側半月板後根損傷と診断できる唯一の所見は、MRIの矢状断での内側半月板後根の消失です。


しかも、ほとんどの症例では、内側半月板後根の消失しているスライスはひとつしかありません。よほど注意していないと見逃す可能性が高いのです。


内側半月板後根損傷を放置していると、半月板のクッション機能が急激に低下し、変形性膝関節症の急速な進行や大腿骨内側顆骨壊死を起こすことがあります。


その理由は、内側半月板後根は内側半月のアンカーの働きをしているため、この部分が断裂すると内側半月板逸脱(medial meniscus extrusion:MME)を誘発するからです。


私は今まで内側半月板後根損傷を見逃していた可能性が高そうです。動作中に発生した中高年女性の突然の内側膝関節部痛では、内側半月板後根損傷を鑑別診断に入れよう...。






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世の中には伏在神経膝蓋下枝障害が溢れている?!

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人工膝関節全置換術(TKA)後に、伏在神経膝蓋下障害がほぼ必発するのは周知の事実です。人工関節手術をする人の間では常識ですね。


ところが先日、膝関節外科医とお話した際に、伏在神経膝蓋下障害は膝前十字靭帯再建術後にも併発することがかなり多いと聞いて驚きました。


ええっ、昔のBTBならいざ知らず、STでもかなり多いとは...。しかしよく考えると、脛骨側の骨孔作成の際や、移植腱の固定具の刺激で伏在神経膝蓋下障害が発生します。


このため、移植腱をどこから採取しようがあまり関係無いです。更に膝前十字靭帯再建術だけではなく、下腿髄内釘手術でも伏在神経膝蓋下障害は併発する可能性があります。


下腿の髄内釘手術では、近位側の横止めスクリューによって併発します。あんな小さな皮膚切開でも伏在神経膝蓋下枝障害を併発するとは...。


意外と世の中には、伏在神経膝蓋下障害で溢れているのかもしれないですね。






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初学者がTKAの治療体系を俯瞰するにあたり、最もお勧めの書籍です









膝関節のKL分類は立位での評価だった!

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先日の日整会では久し振りの学会が嬉しくて会場をはしごしていましたが、その中に自分の知識の無さを痛感した講演がありました。


京都府立医科大学の高橋謙治教授による「変形性膝関節症の病態進行は抑えられるのかです。始まる前は、変形性膝関節症なんて整形外科医の常識でしょ!という感覚でした。


しかし、初っ端からヤラれました。MRIから始まったのですが、内側半月板逸脱(medial meniscus extrusion:MME)は名前を知っていたものの重要性を理解していませんでした。


まぁ、自分は股関節外科医だから仕方無いなと気を取り直して聴講していると、高橋教授の友人(?)の症例提示がいくつかありました。


そのうちのひとつで、初診の医療機関で撮影した単純X線像は「臥位で撮影されたため、KL分類を正確に評価できていなかったと言うくだりがありました。


えっ、KL分類は立位撮影が基本なの?! たしかに提示された症例は、立位では膝関節の関節裂隙がはっきりと狭小化していますが、臥位ではほとんど狭小化していませんでした。


初診の医師は、部長クラスの医師だったとのこと...。なんだか自分のことを言われているようで居心地悪かったです(苦笑)。


KL分類は、こちらで紹介したように語呂合わせで覚えています。これに加えて、立位で評価しなければいけないことを肝に銘じようと思いました。






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