整形外科医のブログ

投資の成功によって30歳代で経済的自由を達成しました。 医師起業家として年商10億円企業を目指して日々奮闘中

薬物治療

夢の関節注射ジョイクルは使える薬なのか?

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2021年5月に変形性関節症を適応とする関節機能改善薬ジクロフェナクエタルヒアルロン酸ナトリウム(DF-HA、商品名ジョイクル)が上梓されました。


ジョイクルは、抗炎症薬ジクロフェナク(DF)とヒアルロン酸(HA)を化学結合させたことで、両製剤の長所を兼ね備えていると言われています。


一見するとなかなか良いアイデアの薬に思えますが、懸念点が2つ存在します。
  1. 重篤な副作用発現
  2. 関節軟骨を温存する効果の有無


①の重篤な副作用発現として重篤なアナフィラキシー反応があります。約 5500名中 10名に発症したとのことなので、決して低い数字ではありません。


アナフィラキシー症状をきたした症例が多発したため、厚生労働省は 6月 1日に安全性速報(ブルーレター)を発出して注意喚起しました。


一方、②の関節軟骨を温存する効果については結論が出ていないようです。ジョイクルはその作用機序からも、関節軟骨保護作用というよりも除痛効果の方が高そうです。


あまりに強力な除痛効果は、シャルコー関節を例に出すまでも無く関節軟骨破壊を進行させてしまいます。”関節機能改善薬”と銘打っていますが関節破壊を助長しては本末転倒です。


2つともなかなか難しい問題なので、チキンな私としては率先して使用しようという気概を持てません。もっと詳細なデータが早く出てほしいところです。






管理人 お勧めの医学書


 
一般的で使用頻度の高い、鎮痛薬・睡眠剤・感冒薬・胃薬・止痢薬・去痰薬・便秘薬等の薬剤が、全13章にわたって系統立てて書かれています。それぞれの章の最初に、薬剤の分類図が記載されています。各系統間の薬剤の使い分けも平易な文章で書かれており実践的な書籍です。









姉妹本に『類似薬の使い分け』があります。こちらは全15章からなり、降圧剤、抗不整脈薬、狭心症治療薬、脂質異常症治療薬、糖尿病治療薬、消化性潰瘍治療薬、鎮咳薬、皮膚科疾患治療薬、抗菌薬などが1章ずつ割り当てられています。








社会的意義の高い専門外来に感服

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Medical Tribuneに社会的意義の高さに関心した記事がありました。妊婦に禁忌の制吐薬、胎児に影響及ぼさず です。


妊娠初期のつわりを感冒や胃腸炎と捉え、治療薬の投与を受けるケースがあるが、問題となるのは、妊娠判明までに知らずに服用した薬剤が胎児に及ぼす影響(主に催奇形性)である。

これらに関する疫学研究は乏しく、妊娠継続について悩む例も少なくない。そのため、虎の門病院と国立成育医療研究センターでは、妊婦の薬剤に対する不安を解消する目的で偶発的に妊娠中に薬剤を使用した患者に対するカウンセリングを行うための専門外来を設置。症例を蓄積し、妊婦に対する薬物治療のリスク・ベネフィットを検討してきた。


偶発的に妊娠中に薬剤を使用した患者に対するカウンセリングを行うための専門外来が存在することを初めて知りました。さすが虎の門病院です...。


妊娠初期に知らずに薬剤を服用してしまう例は多いです。ただでさえもストレスの多い出産なのに、不安を感じながら生活している妊婦さんに寄り添う素晴らしい外来だと思います。


そしてその結果を解析して学会発表することも社会的意義が高いと感じました。今回の結論は「妊娠初期のドンペリドン服用による大奇形リスクの増加は認められなかった」です。


しかしその成果以上に、このような外来を設置して、その研究結果を世の中に還元する社会的意義の高さに感心してしまいました。






管理人 お勧めの医学書


 
一般的で使用頻度の高い、鎮痛薬・睡眠剤・感冒薬・胃薬・止痢薬・去痰薬・便秘薬等の薬剤が、全13章にわたって系統立てて書かれています。それぞれの章の最初に、薬剤の分類図が記載されています。各系統間の薬剤の使い分けも平易な文章で書かれており実践的な書籍です。









姉妹本に『類似薬の使い分け』があります。こちらは全15章からなり、降圧剤、抗不整脈薬、狭心症治療薬、脂質異常症治療薬、糖尿病治療薬、消化性潰瘍治療薬、鎮咳薬、皮膚科疾患治療薬、抗菌薬などが1章ずつ割り当てられています。








下垂体腫瘍摘出術後はステロイドカバー必須

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先日、下垂体腫瘍摘出術後の患者さんの手術ありました。下垂体腫瘍の手術歴がある患者さんはそれほど多くありません。


お薬手帳を確認すると、コートリルとチラージンが処方されています。コートリルは鉱質コルチコイドなので整形外科医が自発的に処方する機会はほとんど無いと思われます。


このためステロイドカバーが必要性の判断がすぐにできませんでした。当日手術だったので急いでステロイドカバーの要否を調べると基本的な事項が抜けていることに気付きました。


そもそも下垂体腫瘍摘出術後の患者さんは下垂体機能不全なので、考えるまでも無くステロイドカバーは必須だったのです...。


1. 1 週間以上、ステロイドを投与されている

2. 術前 6ヵ月に4 週間以上ステロイド投与を受けている

3. 術前 6ヵ月以内にコルチゾール 1 g 以上あるいは同等以上のステロイド投与を受けている

4. アジソン病の患者、または両側副腎摘出術や下垂体摘出術の既往およびこれらの手術予定の患者

5. ACTH 刺激試験などで副腎機能低下が明らかな患者



教科書的にも長期間のステロイド投与やt直近のステロイド投与と並んで下垂体腫瘍摘出術後はステロイドカバー必須と記載されています。少し恥ずかしいですね(苦笑)。


周術期のステロイドカバーの量は下記のごとくです。


小手術

ステロイド維持量+コルチゾール 25mg もしくはメチルプレドニン 5mg を術当日のみ静脈内投与、術翌日より維持量へ


中手術

ステロイド維持量+コルチゾール 50~70mg またはメチルプレドニン 10~15mg を術当日静脈内投与し、以後1~2 日で漸減し維持量へ



大手術

ステロイド維持量+コルチゾール 100 ~ 150mg またはメチルプレドニン20 ~ 30mgを術当日静脈内投与し、以後2~3 日で漸減し維持量へ





整形外科手術は再置換術や一部の腫瘍切除術を除き、小~中手術に該当するものと思われます。高齢者の大腿骨近位部骨折などは小手術でしょう。


高齢者に大量のステロイドを投与するのも気持ち悪いので、小手術とみなしてステロイドカバーの量を決定するインセンティブが働きそうです。



それにしても下垂体腫瘍摘出術後にステロイドカバー必須であることは盲点でした。まったくお恥ずかしい限りです。






★★★  管理人 お勧めの医学書  ★★★

 
初学者が関節リウマチの治療体系を俯瞰するにあたり、最もお勧めの書籍です

頻回に処方する薬剤はシート形状を考慮する必要なし

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ロキソニンやフェブリクなどの処方をするときには、投与日数を考えていました。1シート 10錠なので、フェブリク(10) 1錠 × 84日では 84錠となり 9シート目の半分が余ります。


90日処方とすると 9シートで区切り良くなるので、84日処方よりも 90日処方が望ましいと考えていたのです。外来を考えると週単位で処方する方が良いですが悩ましいところです。


ところが「医師が薬を手放した」ことの弊害かを読んで考え方が変わりました。この記事の要旨は医師が実際の包装形状を知らないため薬のデッドストックが増えるというものです。


記事内では調剤薬局目線で、特に高額で滅多に処方されない薬剤に関してはシート内の薬剤数なども考慮して欲しいという問題を
(言外に)提起していました。



これは当然の考えなのですが、逆に安価かつ頻回に処方する薬剤ではシート数に合わせる必要など無いことに気付きました。


ロキソニンやフェブリクでは頻回に処方依頼があるのでデッドストック化するリスクは無いからです。なるほど、頻回に処方する薬剤なら週単位処方で OKなんですね。






★★★  管理人 お勧めの医学書  ★★★

 
初学者が整形外科の外来や救急業務を遂行するにあたり、最もお勧めの書籍です


    



入院患者さんは薬剤を一包化する病院が多い理由

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私たちが薬剤を内服するときに目にするのは、PTP包装が多いです。PTP包装とは、press through packの略で、錠剤やカプセルなどを押し出すタイプの包装のことです。


一方、入院中の患者さんでは圧倒的に一包化されていることが多いです。えっ、入院患者さんの実際の薬には興味無い?一度観察してください。ほとんど一包化されているはずです。


なぜ、わざわざ PTP包装から薬を取り出して一包化するのでしょうか? その理由はとても興味深く、入院患者さんが PTP包装ごと服用する事件が多発したからだそうです。


なるほど、たしかに入院患者さんには認知症の方も多いので、PTP包装ごと服用してもおかしくありません。


このような事故を防止するために、全国的に面倒な一包化が行われています。しかし、かなりの部分が自動化されているため、実際の薬剤師さんの手間はさほどでは無いようです。


私たち医師の立場では、入院患者さんの薬剤の一部を変更する場合に、一包化された薬剤を取り出して再度一包化する手間を申し訳なく思いがちです。


しかし、一包化することになった理由と自動化(あとは業務への慣れ?)によって、さほど手間ではないことを知って少し安心しました。






★★★  管理人 お勧めの医学書  ★★★


 
一般的で使用頻度の高い、鎮痛薬・睡眠剤・感冒薬・胃薬・止痢薬・去痰薬・便秘薬等の薬剤が、全13章にわたって系統立てて書かれています。それぞれの章の最初に、薬剤の分類図が記載されています。各系統間の薬剤の使い分けも平易な文章で書かれており実践的な書籍です。









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