整形外科医のブログ

投資の成功によって30歳代で経済的自由を達成しました。 医師起業家として年商10億円企業を目指して日々奮闘中

腰椎

コルセットはエビデンスの無い治療法。ダーメンから卒業しよう!

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2019年の日整会で、鳥取大学の荻野浩先生の『骨粗鬆症性椎体骨折の治療  診療マニュアル作成の試み』という教育研修講演を拝聴しました。この講演の要諦は下記のごとくです。


  • 骨粗鬆症性椎体骨折の治療では外固定の種類と治療成績に有意差は無い
  • 骨粗鬆症性椎体骨折の治療では外固定の有無と治療成績に有意差は無い
  • 骨粗鬆症性椎体骨折の治療では受傷後の安静期間と治療成績に有意差は無い



上記の結論は、たくさんの論文をベースにしたCQに対する回答です。今更ながら、整形外科医としては衝撃的な内容です。


何といっても、整形外科の圧迫骨折に対する標準的保存治療(?)が全否定されているのですから...。しかし世の中の趨勢は EBMです。


この流れが変わることはないでしょう。ということは、10年ぐらいすると圧迫骨折に対する標準的保存治療では、コルセットは簡易型でも問題なしということになるかもしれません。


このことは医療財政にも追い風です。これまで実施していた高価な保存治療にはあまり意味がなく、簡易コルセットでも圧迫骨折の治療効果に差はないことになりますから。


しばらく忘れていましたが、最近になって「骨粗鬆症性椎体骨折の治療では外固定の種類と治療成績に有意差は無い」「外固定の有無と治療成績に有意差は無い」を思い出しました。


EBMが更に進化すると、圧迫骨折でフレームコルセットやダーメンコルセットを処方すると、ダメ医者のレッテルを貼られる可能性すらあります。


現時点でもエビデンスの無い話です。それにもかかわらず高価な外固定を処方し続けるのはどうかと思います。それって「私は不勉強なアホです」と告白するのと同じですから。


コロナ禍で医療は国家に更なる負担をかけました。私たちが能動的にコロナ禍の過剰医療を推進したわけではありませんが、片棒を担いでいるのは紛れもない事実です。


せめてエビデンス皆無の治療は中止することが望ましいのではないでしょうか。特に圧迫骨折の外固定では、義肢装具士に暴利を貪らせる必要はないと思います...。







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オーストラリア理学療法協会のスポーツ理学療法士による実践的な教科書です。
治療的テーピングの概要を学ぶことができます。



 






ヘルニコアって何だ? 新しい椎間板内酵素注入療法

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ヘルニコアは椎間板機能を温存できる画期的治療法


先日、腰椎椎間板ヘルニアの患者さんから「ヘルニコア」という治療について質問がありました。関節外科医の立場では、ヘルニコアなどという治療法は聞いたことがありません。


ざっくりネットで調べたところでは、ヘルニコアは椎間板内酵素注入療法の一種です。椎間板の髄核にヘルニコアを注入する治療です。


髄核を融解すること椎間板の髄核を融解することで椎間板内圧を減少させ、突出したヘルニアによる神経根への圧を軽減するメカニズムのようです。


従来からキモパパインというタンパク分解酵素を髄核内に注入する治療が存在しました。しかし、キモパパインはタンパク質を分解してしまうので椎間板機能が廃絶します。


このため販売中止になりました。椎間板機能を廃絶してしまう類似の治療として、椎間板ヘルニアレーザー治療(PLDD)があります。これらの黒歴史の治療法と原理は同じです。


ヘルニコアが注目される理由は、タンパク質を分解せずに髄核の保水成分プロテオグリカンのみを分解して保水能を低下させるため、椎間板機能が温存される点にあります。


なるほど、これまでの治療法はすべて椎間板を「殺す」メカニズムばかりでしたが、ヘルニコアは椎間板の機能を温存できることに大きな差異があるようです。



手術療法との比較


一方、手術療法との比較では、その治療成功率は手術療法より低いものの、手術療法に付随する合併症の危険性は低いと考えられています。


すなわち、椎間板ヘルニアに対する治療法の中で「手術療法と保存療法の中間の治療法」と捉えられている治療法です。


ヘルニコアの注意点は、著明な筋力低下を有する症例は禁忌である点です。また、ヘルニコアの治療可能施設は日本脊椎脊髄病学会指導医が常勤する施設に限られているようです。



まとめ


従来のキモパパインやPLDDのように、椎間板機能を廃絶してしまう悲惨な治療法のイメージが強い椎間板治療ですが、ヘルニコアは従来法と異なるようです。


ヘルニコアは日本で開発された新薬であることを加味して、手術療法と保存療法の中間の治療法として普及するとよいですね。







管理人 お勧めの医学書


自治医科大学准教授の星地先生の経験・知識を余すところなく収めたサブテキストです。定番と言われている教科書に記載されている内容は素直に信じてしまいがちですが、実臨床との”ズレ”を感じることがときどきあります。このような臨床家として感じる、「一体何が重要なのか」「何がわかっていないのか」「ツボは何なのか」を自らの経験に基づいて完結に述べられています。








                        

Stanford A型に前脊髄動脈症候群は併発するの?

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先日、激烈な両下肢痛で救急入院した患者さんがいました。既往歴として、ちょうど1ヵ月前に Stanford A型の大動脈解離で、Total arch replacementを施行されています。


症状自体は約 1日で軽快しましたが何だか気持ち悪いですね。整形外科疾患というよりも血管系傷病のニオイがします。しかし、両下肢の循環動態に問題はありません。


そういえば、大動脈解離の術後合併症のひとつに前脊髄動脈症候群があったような気が...。調べてみると確かに合併症のようです。


前脊髄動脈症候群とは、前脊髄動脈の支配領域である脊髄腹側約2/3の領域の梗塞が原因で発症します。脳梗塞と同様に MRIの DWI撮像によって発症早期であっても診断可能です。


しかし、
前脊髄動脈症候群の症状は、突発的で重度の背部痛とその直後から急速に発症する両側性弛緩性麻痺と感覚消失とのことです。


今回の症例は背部痛ではなく両下肢痛であるところが異なりそうです。もし前脊髄動脈症候群であれば、支配領域の疼痛ではなく麻痺症状で発症するはずです。



おそらく今回の症例は前脊髄動脈症候群ではなさそうです。しかし、あまりに痛がっていたので気持ち悪いです。関節外科医的には、脊椎はよく分からないですね...。






管理人 お勧めの医学書


自治医科大学准教授の星地先生の経験・知識を余すところなく収めたサブテキストです。定番と言われている教科書に記載されている内容は素直に信じてしまいがちですが、実臨床との”ズレ”を感じることがときどきあります。このような臨床家として感じる、「一体何が重要なのか」「何がわかっていないのか」「ツボは何なのか」を自らの経験に基づいて完結に述べられています。








                        

腰椎硬膜外脂肪種症は星形に硬膜管が圧迫される

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外来で両下肢痛と間欠性跛行で治療している人がいますが、保存治療が奏功しません。EPAやシロスタゾールを処方しても効果が無いのです。



2 - コピー



腰椎MRIはこんな感じです。よく見かける腰部脊柱管狭窄症とは明らかに異なる画像所見ですね。硬膜管が星型に圧迫されています。


病名は、腰椎硬膜外脂肪種症です。ステロイド使用者や高度肥満の人に発症します。高度肥満の少ない日本人では比較的稀と言われています。私の中では、3例目ぐらいでしょうか。


星形に硬膜管が圧迫されている画像所見は、もう少し多くの患者さんで見かけますが、間欠性跛行まできたす症例はそれほど多くありません。


この症例は保存治療が無効なので除圧術を検討しています。尚、腹部CTでは内臓脂肪がすごいことになっています。まずはダイエットが必要なのかもしれませんね...。







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自治医科大学准教授の星地先生の経験・知識を余すところなく収めたサブテキストです。定番と言われている教科書に記載されている内容は素直に信じてしまいがちですが、実臨床との”ズレ”を感じることがときどきあります。このような臨床家として感じる、「一体何が重要なのか」「何がわかっていないのか」「ツボは何なのか」を自らの経験に基づいて完結に述べられています。








                        

エセ疾患? スプラングバックって何だ

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先日、雑談でスプラングバックと棘間靭帯炎という病名が話題になりました。何なんだ、その病名は? まったく聞いたことがありません。


なんでも接骨院でスプラングバックといわれて施術を受ている患者さんが外来受診したそうです。そんな病名聞いたことないですが、それは自分の不勉強なのか?という話題でした。


スプラングバックはともかく、棘間靭帯炎はアリそうな病名です。しかし教科書はもちろん、医中誌で検索してもヒットゼロ...。やはり正式な病名ではないようです。


Googleで検索すると接骨院のホームページばかり出てきます。どうやら彼らが創作した想像上の疾患概念のようです(笑)脊椎外科医にきいても、何だそれ?という感じでした。


もっともらしく、エコーで棘間靭帯に炎症が見られるとの記載もあります。しかしもし本当に靭帯付着部の炎症なら、付着部炎のパターンになるのではないでしょうか。


医学的に考えるとハチャメチャな疾患概念(?)ですが、一般人にはもっともらしく聞こえるのがコワイところです。


このようなエセ情報が流布されるということは、そこに金脈があるのかもしれません。
医療業界の周辺には魑魅魍魎としたモノが多いことを再認識しました。





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