整形外科医のブログ

投資の成功によって30歳代で経済的自由を達成しました。 医師起業家として年商10億円企業を目指して日々奮闘中

腰椎

頚椎人工椎間板って人工関節に似ている!

このエントリーをはてなブックマークに追加


日整会誌95:628-637 2021に興味深い教育研修講座がありました。頚椎人工椎間板置換術の実際と今後の展望です。


関節外科医にとって
人工椎間板置換術は縁遠い話ですが、整形外科医であるからには脊椎外科の大きな流れも知っておく必要があります。


現在日本で上梓されている人工椎間板は 2種類あります。メドトロニック社の Prestige LPとジンマーバイオメット社の Mobi-Cです。



211015 - コピー



上の画像はメドトロニック社の Prestige LPです。なんだかメタルオンメタルの THAを彷彿させる構造ですね。素人目線では ARMDや脱臼やが心配になりそうな形状です。



211014 - コピー



一方のジンマーバイオメット社の Mobi-Cは、モバイルベアリングのTKAっぽいです。インサート(?)にはサイズバリュエーションが豊富にあるようです。


日本での導入は 2017年とかなり遅かったようですが、その理由は①欧米では頚部神経根症に対して積極的に手術を行う ②日本では後方法へ過剰にシフトしていた ためです。


広義のデバイスラグですが、頚椎人工椎間板置換術ではむしろ良かったかもしれません。人工椎間板置換術はけっして夢の治療法ではなく下記のような問題点もあるからです。


  • 椎体へのインプラントの沈み込み
  • 後方への脱転による脊髄損傷
  • 椎体骨折
  • 頚椎の後弯化
  • 異所性骨化による骨性癒合
  • 固定マジックを期待できないので除圧をしっかりする必要がある


たしかに隣接椎間障害を防止できるメリットはありますが、現時点では人工関節全置換術ほど完成された術式ではないようです。


若年者の単椎間のヘルニアに伴う神経根症および脊髄症が最も良い適応だそうなので、症例を積み重ねて順調に発展することを祈念したいですね。






★★★  管理人 お勧めの医学書  ★★★


自治医科大学准教授の星地先生の経験・知識を余すところなく収めたサブテキストです。定番と言われている教科書に記載されている内容は素直に信じてしまいがちですが、実臨床との”ズレ”を感じることがときどきあります。このような臨床家として感じる、「一体何が重要なのか」「何がわかっていないのか」「ツボは何なのか」を自らの経験に基づいて完結に述べられています。








                        

脊椎圧迫骨折では打腱器ではなくグーで叩打しよう!

このエントリーをはてなブックマークに追加


高齢者の脊椎圧迫骨折では画像だけでは骨折の有無がはっきりしないことも多いです。全例MRIを撮像すれば解決しますが、医療資源を考えると現実的ではありません。


単純X線像の側面像で臥位・座位の比較を行っても不明な場合には、MRIという最終兵器を繰り出すか否かの決断を迫られます。


このような状況では、手のひらをグーにして脊椎を叩打しています。グーで叩いて結構な疼痛を訴える場合には MRIを撮像することにしています。


一般的な整形外科医の診察では打腱器を用いて脊椎を叩打することが多いと思いますが、これでは疼痛を訴えない方も多いです。


しかしグーにして尺側で叩く、骨折のある場合にはとかなりの確率で疼痛を訴えます。私の中では打腱器よりも手のひらをグーにして叩く方が感度が高い印象を受けます。


打鍵器で疼痛を訴えないからといって脊椎圧迫骨折の存在を否定してはいけません。迷ったらグーにして脊椎を叩打してみましょう。






★★★  管理人 お勧めの医学書  ★★★


自治医科大学准教授の星地先生の経験・知識を余すところなく収めたサブテキストです。定番と言われている教科書に記載されている内容は素直に信じてしまいがちですが、実臨床との”ズレ”を感じることがときどきあります。このような臨床家として感じる、「一体何が重要なのか」「何がわかっていないのか」「ツボは何なのか」を自らの経験に基づいて完結に述べられています。







               

胸腰移行部椎体骨折の治療方針

このエントリーをはてなブックマークに追加


胸腰椎の椎体骨折を受傷すると脊柱アライメントが後弯になります。後弯になるのは悪いイメージがありますが、具体的にはどのようなことが発生するのでしょうか?


関節外科的には椎間関節が悪くなって症状をきたしそうですが、胸腰椎高位では脊椎後方要素の「椎間関節」の変性はあまり問題にならないようです。


もちろん、椎間関節の変性は発生しますが、症状としてさほど問題になることは無いそうです。脊椎外科医が手術を検討するのは、椎体不安定性や椎間不安定性が存在する場合です。


椎体不安定性の場合は、BKP(椎体形成術)を中心として罹患椎を安定化する術式が選択されます。一方で椎間不安定性の場合は、不安定な椎間をまたぐ後方固定術が必須です。


椎体不安定性と椎間不安定性が合併している場合には前方椎体置換術を考慮します。脊椎外科医はこのような考え方で治療方針を決定するそうです。勉強になりました。


ちなみに、素人目線では脊椎固定術=隣接椎間関節障害が問題になるとイメージしがちですが、実際にはどうなのでしょうか?


隣接椎間関節障害が問題になるのは、荷重負荷の大きな腰椎の固定術後だそうです。単なる胸腰移行部の椎体骨折では隣接椎間関節障害は問題になりません。


尚、胸腰移行部の椎体骨折では、受傷時に骨折が終板まで及んでいる画像所見(上位終板損傷)があれば、骨折形態から終板骨折があり椎間板損傷が存在する可能性があります。


このような症例では、将来的に椎間板障害が進行して
椎間不安定性
をきたす可能性があるので注意が必要なようです。





★★★  管理人 お勧めの医学書  ★★★


自治医科大学准教授の星地先生の経験・知識を余すところなく収めたサブテキストです。定番と言われている教科書に記載されている内容は素直に信じてしまいがちですが、実臨床との”ズレ”を感じることがときどきあります。このような臨床家として感じる、「一体何が重要なのか」「何がわかっていないのか」「ツボは何なのか」を自らの経験に基づいて完結に述べられています。








                        

脊柱の global balanceはどこまで使えるのか

このエントリーをはてなブックマークに追加


日常臨床では
胸腰移行部の椎体骨折のために後弯変形をきたした症例を頻回に診ますが、客観的評価はどうすればよいのでしょうか。



脊椎外科医にお伺いすると、脊柱だけでなく骨盤も含めた global balanceの評価が一般的とのことでした。恥ずかしながら 
global balanceという概念は初めて聞きました...。



体幹の矢状面の global balanceの指標のひとつに、C7椎体中心から降ろした垂線(C7 plumb line: C7PL)と仙骨岬角の距離(C7PLシフト)があります。



210816 - コピー


稲見 聡: Dokkyo Journal of Medical Sciences 38巻3号 Page307-311より転載





Scoliosis Research Society(SRS)は、成人脊柱変形の各パラメーターの基準値を示しており、C7PLシフトが5㎝以上を異常値としています。


脊柱後弯変形では、バランスの円錐(cone of economy)という概念もありますが、素人的には具体的な指標を挙げている global balanceの方がクリアカットに思えます。


しかし、
C7PLは global balanceの評価において絶対的なものではなく、静的な状態を捉えているに過ぎず、背筋に負荷がかかり疲れて後弯になる易疲労性の減少は捉えられません。



また、global balanceの維持には体幹筋が重要ですが、特に女性においては 30歳台をピークにして、筋力が減少していきます。


さらに、若年者の椎体骨折では局所後弯が進行しても、脊柱の代償機構により C7PLが異常値として算出されにくいという問題点もあります。


global balanceは重要な概念ですが、背筋や骨盤の代償機構が介在します。このため臨床的には
絶対的なアライメント不良をもたらす椎体骨折の変形程度の方が重要だと思いました。







★★★  管理人 お勧めの医学書  ★★★


自治医科大学准教授の星地先生の経験・知識を余すところなく収めたサブテキストです。定番と言われている教科書に記載されている内容は素直に信じてしまいがちですが、実臨床との”ズレ”を感じることがときどきあります。このような臨床家として感じる、「一体何が重要なのか」「何がわかっていないのか」「ツボは何なのか」を自らの経験に基づいて完結に述べられています。








                        

脊椎圧迫骨折後にお腹がすぐに膨れる原因は?

このエントリーをはてなブックマークに追加


先日、外来で脊椎圧迫骨折のフォローをしている患者さんから、最近すぐにお腹が膨れてあまりご飯を食べられなくなったという訴えがありました。


この患者さんは、骨粗鬆症が高度のためにいくつかの脊椎に圧迫骨折を併発しています。見た目にも円背であり、脊椎アライメントは著明な後弯変形しています。


今回のように脊椎圧迫骨折のためにアライメントが変わってしまった患者さんには、逆流性食道炎や失禁などを併発することがあります。


円背のために腹腔容積が減少します。
腹腔容積が減少すると、腹圧が高まって逆流性食道炎を併発し、膀胱内圧が高まるために失禁を併発します。



一方、腹腔容積が減少することで胃の容積も減少するため、今回の症例のように以前と比べてお腹が膨れて食事量が落ちるということも併発します。


もちろん、食道や消化管の通過障害の存在を除外診断する必要はありますが、そのような障害が存在しない場合には、円背のために食事の摂取量が落ちたことになります。


私たちは脊柱アライメントや椎体変形そのものに目が行きがちですが、それ以外にも各種の腹部症状を併発しうることを知っておくべきでしょう。







★★★  管理人 お勧めの医学書  ★★★


自治医科大学准教授の星地先生の経験・知識を余すところなく収めたサブテキストです。定番と言われている教科書に記載されている内容は素直に信じてしまいがちですが、実臨床との”ズレ”を感じることがときどきあります。このような臨床家として感じる、「一体何が重要なのか」「何がわかっていないのか」「ツボは何なのか」を自らの経験に基づいて完結に述べられています。








                        
アクセスカウンター
  • 今日:
  • 昨日:
  • 累計:

管理人の著書

161228 【書影】医師の経済的自由
株式会社リコー様のインタビュー記事


管理人によるケアネット連載コラム
log_carenet

医師のためのお金の話

管理人による m3.com 連載コラム
管理人による幻冬舎ゴールドオンライン連載
管理人も参加しているオンラインサロン
勤務医のための資産形成マニュアル
築古木造戸建投資マニュアル

医師のための築古木造戸建投資マニュアル 1
REITで実践する不動産投資セミナー
190122
医師のための 金融資産形成術


配送無料! 医学書 購入サイト
プロフィール

自由気ままな整形外科医

30歳代で経済的自由を達成した医師起業家です。 年商10億円企業を目指して日夜奮闘中

・医学博士
・整形外科専門医
・日本リウマチ学会専門医
・不動産投資家
・超長期金融資産投資家

QRコード
QRコード
記事検索
メッセージ
免責事項
免責事項に関して明示することで、当ブログの利用者は以下の事項に同意した上で利用しているものと考えます。 ここに書かれる意見には管理者のバイアスがかかっています。 利用者が当ブログに掲載されている情報を利用した際に生じた損害等について、当ブログの管理者は一切の責任を負いません。 また、当ブログの情報は、あくまでも目安としてご利用いただくものであり、医療行為は自己責任で行ってください。 また、当ブログは医療関係者を対象にしています。それ以外の方が、当ブログの情報から自己判断することは極めて危険な行為です。 必ず医療機関を受診して専門医の診察を受けてください。 当ブログの内容は、予告なしに内容を変更する場合があります。