整形外科医のブログ

投資の成功によって30歳代で経済的自由を達成しました。 医師起業家として年商10億円企業を目指して日々奮闘中

腰椎

Stanford A型に前脊髄動脈症候群は併発するの?

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先日、激烈な両下肢痛で救急入院した患者さんがいました。既往歴として、ちょうど1ヵ月前に Stanford A型の大動脈解離で、Total arch replacementを施行されています。


症状自体は約 1日で軽快しましたが何だか気持ち悪いですね。整形外科疾患というよりも血管系傷病のニオイがします。しかし、両下肢の循環動態に問題はありません。


そういえば、大動脈解離の術後合併症のひとつに前脊髄動脈症候群があったような気が...。調べてみると確かに合併症のようです。


前脊髄動脈症候群とは、前脊髄動脈の支配領域である脊髄腹側約2/3の領域の梗塞が原因で発症します。脳梗塞と同様に MRIの DWI撮像によって発症早期であっても診断可能です。


しかし、
前脊髄動脈症候群の症状は、突発的で重度の背部痛とその直後から急速に発症する両側性弛緩性麻痺と感覚消失とのことです。


今回の症例は背部痛ではなく両下肢痛であるところが異なりそうです。もし前脊髄動脈症候群であれば、支配領域の疼痛ではなく麻痺症状で発症するはずです。



おそらく今回の症例は前脊髄動脈症候群ではなさそうです。しかし、あまりに痛がっていたので気持ち悪いです。関節外科医的には、脊椎はよく分からないですね...。






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自治医科大学准教授の星地先生の経験・知識を余すところなく収めたサブテキストです。定番と言われている教科書に記載されている内容は素直に信じてしまいがちですが、実臨床との”ズレ”を感じることがときどきあります。このような臨床家として感じる、「一体何が重要なのか」「何がわかっていないのか」「ツボは何なのか」を自らの経験に基づいて完結に述べられています。








                        

腰椎硬膜外脂肪種症は星形に硬膜管が圧迫される

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外来で両下肢痛と間欠性跛行で治療している人がいますが、保存治療が奏功しません。EPAやシロスタゾールを処方しても効果が無いのです。



2 - コピー



腰椎MRIはこんな感じです。よく見かける腰部脊柱管狭窄症とは明らかに異なる画像所見ですね。硬膜管が星型に圧迫されています。


病名は、腰椎硬膜外脂肪種症です。ステロイド使用者や高度肥満の人に発症します。高度肥満の少ない日本人では比較的稀と言われています。私の中では、3例目ぐらいでしょうか。


星形に硬膜管が圧迫されている画像所見は、もう少し多くの患者さんで見かけますが、間欠性跛行まできたす症例はそれほど多くありません。


この症例は保存治療が無効なので除圧術を検討しています。尚、腹部CTでは内臓脂肪がすごいことになっています。まずはダイエットが必要なのかもしれませんね...。







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エセ疾患? スプラングバックって何だ

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先日、雑談でスプラングバックと棘間靭帯炎という病名が話題になりました。何なんだ、その病名は? まったく聞いたことがありません。


なんでも接骨院でスプラングバックといわれて施術を受ている患者さんが外来受診したそうです。そんな病名聞いたことないですが、それは自分の不勉強なのか?という話題でした。


スプラングバックはともかく、棘間靭帯炎はアリそうな病名です。しかし教科書はもちろん、医中誌で検索してもヒットゼロ...。やはり正式な病名ではないようです。


Googleで検索すると接骨院のホームページばかり出てきます。どうやら彼らが創作した想像上の疾患概念のようです(笑)脊椎外科医にきいても、何だそれ?という感じでした。


もっともらしく、エコーで棘間靭帯に炎症が見られるとの記載もあります。しかしもし本当に靭帯付着部の炎症なら、付着部炎のパターンになるのではないでしょうか。


医学的に考えるとハチャメチャな疾患概念(?)ですが、一般人にはもっともらしく聞こえるのがコワイところです。


このようなエセ情報が流布されるということは、そこに金脈があるのかもしれません。
医療業界の周辺には魑魅魍魎としたモノが多いことを再認識しました。





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腰痛ぐらいで休んでいられない?!

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この1ヵ月ほどひどい腰痛に悩まされています。「ミイラ取りがミイラになる」の典型例ですが、この体験で患者さんはなぜ医師の言うことを聞かないのかが分かった気がしました。



腰痛外来アルアルは、

  • こちらが鎮痛剤を処方したのにきっちり服用していない
  • ある程度の安静指示にもかかわらず守らない
ではないでしょうか。


私も結構な腰痛だったにもかかわらず、例に漏れずロキソニンを服用し忘れていました。あと、腰痛が残存しているにもかかわらず、ボクシングジムに行ったりしています(苦笑)。


ロキソニンを服用し忘れるのは、仕事が忙しくて気付けば寝る前だったというつまらない理由です。また一晩寝るとロキソニンを服用することをすっかり忘れてしまいます...。


毎日コレの繰り返しで気付けば1ヵ月近く経過していました。さすがに心配になって腰椎 MRIを施行したのですが異常所見が無かったので輪をかけていい加減になりました。


腰痛が続いているのに鎮痛剤も服用せず、ボクシングジムに定期的に通う等の不良患者さんが来るとイラっと来ますが、それを地で行っているのが自分です。


毎日忙しくて腰痛なんかに構っていられない!というのが正直な気持ちです。完全に開き直っていますが、意外と困った外来患者さんもこのように考えているのではないでしょうか。







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初学者が整形外科の外来や救急業務を遂行するにあたり、最もお勧めの書籍です


    



整形外科以外の腰痛をきたす疾患

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日本医師会雑誌の第150巻・第7号にの特集は腰痛の臨床でした。腰痛をきたす疾患には、脊椎以外のものがあります。下記にまとめてみました。



心臓血管外科疾患
急激に発症した激しい背部痛に加えて、意識障害、ショック、四肢冷感がある場合には大血管の病変を考えます。

  • 解離性大動脈瘤(腹部大動脈瘤)


泌尿器科疾患
強い痛みが典型的な症状であり、血尿がみられることが多いです。
  • 腎盂腎炎
  • 尿路結石
  • 腎梗塞(2021/10/27 追記)

消化器疾患
腰痛だけではなく、副筒や悪心などの症状を伴う場合には消化器疾患を疑います。
  • 胃・十二指腸潰瘍(心窩部痛)
  • 胆石症、胆嚢炎(右季肋部痛)
  • 膵炎(上腹部~背部痛)


婦人科疾患
腰部から臀部の鈍痛、圧迫感を訴え、月経周期と関連を認める場合には婦人科疾患を疑います。
  • 月経周期に伴う腰痛
  • 子宮内膜症
  • 子宮腺筋症
  • 卵巣嚢腫



上記のうちで放置すると特にヤバイものは、解離性大動脈瘤、胃・十二指腸潰瘍、胆嚢炎膵炎、卵巣嚢腫茎捻転です。


膵炎以外は私も経験ありますが、特に卵巣嚢腫茎捻転は分かりにくい印象を受けました。特に婦人科疾患は存在を念頭に問診や診察を実施しないと見逃す可能性が高いと思います。






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