整形外科医のブログ

中堅の整形外科医が、日々の気付きを書き記します。投資の成功で働く必要が無くなりましたが、社会貢献のため医師を続けています。

骨折

コロナ禍で施設内骨折が減少した理由は学位論文になる?!

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コロナ禍で整形外科に影響があったことのひとつに外傷患者数の減少が挙げられます。外出機会が減少したため交通事故も激減し、高エネルギー外傷数はが減少したのです。


もちろんそれ以外にもスポーツをする機会も減少したため、それに付随する外傷も激減しています。このため、コロナ禍の1年半は整形外科的には外傷治療はご無沙汰状態です。


一方、高齢者の大腿骨近位部骨折は、外出とはあまり関係無いイメージです。ところが、大腿骨近位部骨折数も減少している印象がありました。


器械メーカーの方にお伺いしたところ、やはりエリア全体の傾向として大腿骨近位部骨折数は著明に減少しているようです。屋内や施設内転倒がメインなのに何故でしょう?


その理由は定かではありませんが、コロナ禍が影響を与えていると考えるのが自然です。もしコロナ禍に原因があるとすれば、何らかの生活様式の変化があった可能性があります。


ぱっと思いつく原因は無いのですが、コロナ禍前後で施設内等で変化した入居者対応を精査すれば、大腿骨近位部骨折を予防するヒントが隠されているかもしれません。


鍵は、コロナ禍前後の施設内の生活様式変化のヒアリングでしょう。うまくいけば、こういう調査も学位論文のネタになるかもしれませんので、若い先生は参考にしてください!





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骨粗鬆症性椎体骨折の最新の治療動向

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Medical Tribuneに興味深い記事がありました。
骨粗鬆症性椎体骨折、新たに診療マニュアルが刊行 です。


今回のマニュアルでは、下記のような特筆するべき点が収載されています。

  1. 単純X線像は、坐位と仰臥位の側面像撮影を推奨
  2. ベッド上安静は、2週間程度までの比較的短期間にすることが望ましい
  3. 装具療法についての標準的治療法は確立されていない
  4. 安静にできない高齢者では発症後2〜3週でBKPを検討


上記①③は、2019年の日整会の段階で拝聴していましたが、ようやく全国の整形外科医に対して周知される運びとなりました。


あと個人的には、②ベッド上安静は、2週間程度までの比較的短期間にすることが望ましいということも勇気付けられます。


実際、骨粗鬆症性椎体骨折では早期離床を進めていますが、椎体圧壊が進行して遅発性神経麻痺が併発したらどうしようとビビりながら実施しているので...。


これ以外にも、椎体骨折では叩打痛や圧痛が陽性であることも多いが、必ずしも感度は高くはなく骨折高位との関連性も低いというクリニカルクエスチョンもあるようです。


非常に参考になるマニュアルだと思います。特に若手整形外科医には必須と言えるのではないでしょうか。






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セメントレス人工骨頭はステム周囲骨折が多い

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先日、セメントレス人工骨頭後のステム周囲骨折がありました。米国の研究ではあるものの、セメントレスステムは有意にステム周囲骨折が多いです。






肌感覚としても、日本においてもセメントレス人工骨頭は、有意にステム周囲骨折が多い印象を受けます。私は、THAに関してはセメントレス派ですが、人工骨頭はセメント派です。


人工股関節手術の主流はセメントレスなので、セメントテクニックに不慣れな整形外科医が多いと思います。このため高齢者の人工骨頭でセメントレスが施行されているのでしょう。


しかし、①粗鬆骨で ②転倒リスクの高い 高齢者に対しては、米国での勧告と同様に、日本でもセメント人工骨頭が推奨されてしかるべきだと考えます。


セメントステムはセメントレスよりも手術時間がかかるのでメンドウだと思いがちですが、やはりステム周囲骨折の低減を目指してセメント人工骨頭を推進するべきだと思います。







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Profemur Xmの新ラスプが米国から輸入された?!

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過去に何度か、大腿骨頚部骨折でよく使用している MicroPort社のポリッシュテーパー+チェンジャブルネックである Profemur Xmの話題を取り上げました。






なかなか良いコンセプトのインプラントなのですが、日本人の高齢女性に使用する場合には大きな問題点がありました。それは、インプラント近位の大きさです。


メーカーの方にお伺いすると、これぐらいバルキーにしておかないとチェンジャブルネックの強度を保てないとのことだったので仕方無いと思います。


一方、ラスプに関しては最も使用頻度の高い最小サイズのラスプがプアだったので、術中骨折併発が危惧されます。このため、いつも冷や冷やして手術を施行していました。


その感想をブログに記載したところ、MicroPort社のHipプロダクトマネジャーの方から、当ブログ宛てに下記のようなメッセージをいただきました。




改善点の最小ラスプについてですが、ご指摘の通りこれまで日本で作成しておりました。 これを改良するため、US本社で新しいラスプを作成し、昨日日本に輸入しました。 ご指摘いただいたラスプの切れが悪く、術中骨折につながる可能性を軽減したいと考えております。




場末病院のしがない整形外科医の書いたブログの感想で新しいラスプを作成するとは思えないので、おそらく全国の整形外科医から同様の要望が多数あったのでしょう。


せっかく新しいラスプを使用できるようになったようなので、大腿骨頚部骨折の症例があれば積極的に使用してみようと思います。






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整形外科医なら誰もが所有している骨折治療のバイブルです。豊富な図や画像が提示されており、骨折手術におけるAOの考え方や基本原則を学べます。








人工関節周囲骨折では MRIが第一選択?!

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先日、人工股関節全置換術(THA)後の患者さんが転倒されました。かなりの圧痛と叩打痛があるのでステム周囲骨折を疑いました。


ところが単純X線像では明らかな骨折を認めませんでした。CTも施行したのですが、ステムのアーチファクトのために、肝心のステム周囲の状態は判然としません。


こりゃ困ったなぁと思っていましたが、ふと関節のMRIの人工関節合併症の章で人工股関節全置換術後感染の画像があったことを思い出しました。


そこで提示されていた画像は人工関節のみブラックアウトしていましたが、ステム周囲の骨髄浮腫や膿瘍が描出されていたのです。


チラ見したときは「MRIって、CTと違ってステムのアーチファクトがほとんど無いんだな」と思っただけでスルーしていたのですが、実はコレって臨床でメチャクチャ有用かも!


そこで今回の症例で MRIを施行したところ、やはりステムのアーチファクトはほぼ無く、大転子部の骨折が確認できました。


単純X線像で確認できないレベルのステム周囲骨折では、CTよりも MRIが第一選択だと思いました。






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初学者がTHAの治療体系を俯瞰するにあたり、最もお勧めの書籍です


    




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