整形外科医のブログ

中堅の整形外科医が、日々の気付きを書き記します。投資の成功で働く必要が無くなりましたが、社会貢献のため医師を続けています。

骨折

6センチルールに目から鱗

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日整会誌に興味深い教育研修講演がありました。
順天堂大学准教授の馬場智規先生のインプラント周囲骨折アップデート です。


馬場先生は大腿骨ステム周囲骨折に対する 
Baba分類で有名です。下図は International Orthopaedics (SICOT) からの転載で、ステムと大腿骨との固着部分に注目した分類です。




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さて、今回の教育研修講演では、Baba分類の解説はもちろんのこと、6センチルールが紹介されていました。6センチルールとは下記のごとくです。


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日整会誌から転載


  • ステム周囲骨折では、ステムとプレートを6cm以上オーバーラップして固定(A)
  • 大腿骨遠位にTKAがある場合は、プレートとステムの間を6cm以上あける(B)



この手の骨折治療ではいつも気持ち悪さを感じていましたが、明快に6cm以上という数字を提示いただいたので、目から鱗でした。





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初学者がTHAの治療体系を俯瞰するにあたり、最もお勧めの書籍です


    




橈骨遠位端骨折の rim plateは難しい!

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先日、高齢者の橈骨遠位端粉砕骨折がありました。
いわゆる rim fractureではありませんが rim plateの使用が望ましい症例だと判断しました。



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私は、rim plateの使用経験がありません。このため、プレートの設置位置が感覚的につかめずに苦労しました。


本症例では Watershed lineは破綻しておらず、十分に触知できる状況です。しかし、rim plateではWatershed lineを覆ってしまうので、イマイチ設置部位に自信を持てないのです。


透視下に至適位置を探りますが、骨粗鬆症が強いために橈骨遠位端の形状が分かりにくいです。このため、プレート設置位置決めで普段の 3倍ほど時間がかかってしまいました。


最終的には、
イメージ画像としては通常タイプのプレートと大差無いことが分かって手術が終了しました。しかしここに至るまでに何度も仮固定→透視を繰り返しました。



Watershed lineを越えてプレートが橈骨掌側を覆ってしまうので、整形外科医的には非常に気持ち悪い内固定材料です...。


後方視の判断にはなりますが、本事案では rim plateではなく通常タイプのプレートでも対応できた可能性が高いです。これからは通常タイプで対応できるものは通常タイプにしよう。






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パーフェクトに見える Profemur Xmの注意点

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先日、大腿骨頚部骨折の人工骨頭置換術がありました。
私は、THAはセメントレスですが、術後合併症の少なさから人工骨頭はセメント派です。


では、どのようなステムを使用しているのかと言うと、最近はMicroPortのProfemur Xmというポリッシュテーパー+チェンジャブルネックという「いいとこ取り」の機種です。

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良好な長期成績が見込めるポリッシュテーパーに加えて、セメントステムの欠点である一発勝負的な要素を軽減できるチェンジャブルネックの選択肢はまさに最強に見えます。


では、この一見素晴らしい特徴をもったステムは、実際にはどんな感じなのでしょうか?何度か使用した感想は、このステムにも改善するべき点がいくつかありました。


まず、このステムは近位の形状がバルキーです。メーカーの方にお伺いしたところ、これぐらい大きくしておかないとチェンジャブルネックの強度を保てないとのことでした。


ステムの近位が大きいので、高齢日本人女性のサイズに合いません。多くの症例で、最も小さなサイズのステムを入れることさえ一苦労です。


しかも、最小サイズのステムのみ、ラスプが日本仕様のようで非常にプアです。ラスプ表面の歯が粗なのでなかなかラスピングできず、また術中骨折併発可能性が高まります。


チェンジャブルネックを採用している以上、ステム近位の形状変更は難しそうです。しかしラスプはもう少しマシなものを作成できるはずなので、メーカーは善処して欲しいですね。







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ハンソンピン抜去で一苦労

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先日、ハンソンピンの抜釘を施行しました。ハンソンピンの抜釘は、THAへのコンバージョンの際にしか施行したことがなく初めての経験でした。


何となく嫌な予感がしたので、それなりに頭の中でシミュレーションして臨んだのですが、予想通りなかなか難しい手術でした。


まず、皮膚切開からして大変です。ご存知のようにハンソンピンの皮膚切開長は2㎝程度しかありません。しかし、そんな小切開ではピンを抜去できないのです。


やむを得ず皮膚切開を延長することになりますが、まだまだ難関が控えています。大腿骨外側からピンの尾部が飛び出ているので指先で触知することは可能です。


しかし、透視下に抜去用アタッチメントを装着することはほぼ不可能です。その理由はピン尾部は瘢痕組織に覆われているからです。


この瘢痕組織を小切開+ブラインドで切除して、完全にピン尾部を展開することは至難の業です。このため、直視下にピン尾部が展開できたことを確認する必要があります。


しかし、イメージを使用するために側臥位ではなく仰臥位で手術を施行しています。このため、創内部に光が届かずぜんぜん見えないのです...。


全てを解決する方法は長大な皮膚切開を追加することですが、抜釘するような若年者に対して、2cmの皮膚切開を6㎝に延長するなど、なかなか憚られる選択肢です。


そして苦労してアタッチメントを装着しても、内部のフックだけが抜けてしまい、本体のピンが残ってしまうことが高率にあります。専用抜去器はあるものの、装着が難しいです。


今回の症例では、ピンの抜去器を装着することができなかったため、ラジオペンチで力業で抜去せざるを得ませんでした。


もちろん初回手術よりも手術時間は長かったです。ハンソンピンの抜釘は、なかなか侮れない手術だと感じました。






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橈骨頚部骨折の K-wire髄内釘手術

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先日、橈骨頚部骨折の手術がありました。何度か、K-wireを用いた髄内的固定術の助手に入ったことはあるのですが執刀は初めてです。



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そこで、教科書や文献をあたったのですが、意外なほどありませんでした...。OS NOWにあったような気がしたのですが見つけることができませんでした。


医中誌ウェブで検索しても症例報告ばかりです。これってメジャーな手術ではないのかも???。大学同門会で発表した人が居たので、同門内でメジャーなだけかもしれません。


とりあえず、下記のような手法で手術を施行しました
  • 1.5mm K-wireを2本使用
  • 先端10mm部分を少し曲げ、手元部分を同じ面で90度に曲げる
    橈骨遠位端から5cmの橈背側に10㎜の皮膚切開
    2.5mmドリルをできるだけ寝かせて、橈骨長軸に平行に近くなるようにして開孔
    骨折部の整復は intrafocal piiningに準じて、1.5K-wireで整復・仮固定
  • 橈骨遠位端から5cmの橈背側に10㎜の皮膚切開
  • 2.5mmドリルをできるだけ寝かせて、橈骨長軸に平行に近くなるようにして開孔
  • 骨折部の整復は intrafocal piiningに準じて、1.5K-wireで整復・仮固定
  • 1.5mm K-wireを橈骨軟骨下骨まで叩打して再転位を防止



術後の単純X線像はこんな感じです。少しコツはありますが、手技自体は容易で30~40分程度で終了します。



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低侵襲なのでもっとメジャーになってもよい手術だと思うのですが...。





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広島大学名誉教授の津下先生による、手の外科における必須の医学書です。特に、「私の手の外科」は津下先生直筆のイラストが豊富で、非常に分かりやすく実践的な医学書です。


 







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