整形外科医のブログ

中堅の整形外科医が、日々の気付きを書き記します。投資の成功で働く必要が無くなりましたが、社会貢献のため医師を続けています。

外来診療の気付き

肉離れ治療のキモは筋腱移行部損傷の有無!

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既にご存知の方も多いと思いますが、日整会誌が電子化されました。2021/4/27に号外メールが届いたので、さっそく MED PORTALにアカウント登録しました。


紙ベースの日整会誌と比較して俯瞰性が低下しましたが、電子書籍では仕方ないと思います。いちユーザーとしての要望は、いきなりブラウンジングできる方がありがたいです。


さて、今月も興味をひく教育研修講演をいくつか拝読しました。国立スポーツ科学センターの奥脇先生による肉離れの治療戦略 をご紹介します。私にとってのTIPSは下記です。


  • 肉離れは大腿二頭筋長頭などの羽状筋の腱膜や筋腱移行部に生じやすい
  • 保存治療可能な筋繊維部損傷と、手術治療の可能性がある腱膜部損傷や筋腱移行部損傷との鑑別は、受傷時のストレッチ痛の有無で判断する


まとめとして、下記のように述べられています。

肉離れの典型例は腱膜損傷であり、その治療戦略を考える上で知りたいのは「どの筋の、どこが、どの程度損傷したか」



特にアスリートでは、肉離れの診断に MRIの有用性が高いようです。症状の強い肉離れでは、MRIを撮像して筋腱移行部損傷の有無を判断することが重要だと思いました。





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オーストラリア理学療法協会のスポーツ理学療法士による実践的な教科書です。
治療的テーピングの概要を学ぶことができます。



 






まぐれ?遠隔診療で急性腎盂腎炎の診断がついた!

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先日、私的なオンライン診療を行いました。
朝から腰が痛くなって動けなくなったとのことで、知り合いから LINEが来たのです。


遠くに住んでいる人なので、直接診ることはできません。しかし、メッセのやりとりをしていると、安静時痛があるため通常の急性腰痛症では無いような印象を受けました。


そこで、LINEのビデオ通話機能を利用して疑似診察してみました。知り合いのお子さんにスマホでご本人の腰部を撮影してもらいながら指示を出します。


まず、腸骨稜の位置を確認してもらい、その部分から真下(床方向)に降ろした垂線上の中央で腰椎棘突起を触知してもらいます。


整形外科医相手であれば「L4棘突起を触知して」で済みますが、素人の子供相手では説明に少々コツが要ります。腰椎棘突起を順番に触知してもらいましたが、圧痛は無いようです。


次に腸骨稜から10㎝ほど中枢側部分の腰部を左右とも叩打してもらいました。子供さんは恐る恐る軽く叩くだけなので、「もっと気合を入れて叩いて!」と喝を入れました(笑)。


左側は問題なかったのですが、右側で叩打痛があります。尿路結石っぽい感じですね。体温を測ってもらうと37度台後半あります。急性腎盂腎炎を併発していそうです。


すぐに病院
受診するように促しました。ここまでで約 5分ほどの時間です。病院を受診した結果は尿路結石に伴う急性腎盂腎炎で、そのまま入院治療となりました。


今回の経験から、意外とその辺に転がっているツールを利用することで、遠隔診療(?)が成り立つことが分かりました。体系化すれば面白い展開になりそうな気がします。






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ケンカして水に流すなどありえない!

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先日、オンラインサロン内でお勧め書籍を紹介するテーマがありました。私は10冊ほど購読してみたのですが、下記の書籍はなかなか味わい深かったです。







キャッチィーなタイトルとは裏腹に、世の中の真実が記載されている箇所が多いのです。その中でも「一度敵対すると関係が修復されることは無い」という部分が腑落ちしました。


著者は元国会議員ですが、豊富な人生経験から一度壊れた人間関係が修復されることはなく、「無かったことにして水に流す」ことは無いとおっしゃられています。


私の経験からも、ほぼ真実だと感じました。過去には若気の至りでコメディカルと衝突したこともありましが、一度心にできた溝が氷解したと感じたことはありません。


医師は院内での立場が強いので「暴君」になりがちです。正面切って逆らう人は少数派でしょうが、一度でも怒りを向けられた人の心は、一生氷解することは無いと思います。


こうなると厄介で、基本的にサボタージュされてしまうので業務がどんどんスムーズに進まなくなっていきます。最近業務が滞りがちだと感じている人は胸に手を当ててみましょう。


また、数は少ないですが、医師同士でケンカする人もいます。これは本当に最悪で、実害がモロに出るので深刻です。特に他科医師とのケンカは、強者同士なので悪影響が甚大です。


特に患者さんが急変した場面では、積極的な協力を得られないこともあるため非常に大きなダメージを被ります。しかし、一度ケンカすると氷解は無いので打つ手がありません。


このことから得る教訓は、職場では絶対にケンカしたり、感情にまかせて怒らないことだと思います。相手に非があれば怒るのではなく冷静に指摘する。


常に実践するのは難しいですが、自分や患者さんの身を守り、業務をスムーズに回すためには必須のコツだと思います。





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ばね指治療の効率的実践法

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最近、ばね指の保存治療に関しては、くらげ整形外科の山崎厚郎先生による A1 pulleyのストレッチを第一選択にしています。特に環指に関しては絶大な威力を発揮しています。


さて、A1 pulleyのストレッチは下記のような手法ですが、外来でやり方を説明してから患者さんに机の端を握ってもらい実践しています。



<A1 pulleyのストレッチ>

22 - コピー



上の図のように、MP・PIP関節最大屈曲、DIP関節伸展位で罹患指と手掌でブロックを挟みます。この状態でブロックを握ることで屈筋腱が収縮して A1 pulley内腔が増大します。

ブロックを30秒握るストレッチを 1日10回以上実施することで、A1 pulley内腔の拡大によって屈筋腱の滑走性を向上させます。治療開始後1~2ヵ月で効果が得られます。



さしあたって 30秒×3回ぐらい私の目の前でやってもらいますが、その間ボーッとしていると時間の無駄です。


そこで、ばね指だと分かった瞬間から A1 pulleyのストレッチを開始して、患者さんが実践している間に、ちらちら時計の秒針を見ながらカルテ記載します。


そして、30秒×3回が終了した時点で症状は軽快してカルテ記載も終了しているので「1ヵ月毎日がんばってください!」と言って診察室からお見送りします。


この間、約 3~5分ほどです。入室から退室まで含めての時間なので、診療効率としては良いのではないかと思っています。






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広島大学名誉教授の津下先生による、手の外科における必須の医学書です。特に、「私の手の外科」は津下先生直筆のイラストが豊富で、非常に分かりやすく実践的な医学書です。


 







ワクチン接種で腕があがらなくなる?!

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最近、予防接種を打った後に注射をした部分が痛くなり、そのうち同側の肩に痛みが移動して腕が挙がらなくなったという人を立て続けに診察しました。


客観的にみると肩関節周囲炎なのですが、当人たちはワクチンとの関連性を強く疑っているようです...。


まぁ、たしかに非医療者であればそう思ってもしかたないと思っていましたが、なんと内科医師まで同じような経過で受診されたので「ん???」と思いました。


本当にそのような合併症があるのでしょうか? 調べてみると、腕があがらないという合併症(副反応)報告は非常に多いようです。正直言って、これには非常に驚きました。


もちろん整形外科的に考えると、ワクチンと肩関節周囲炎には直接の因果関係はありません。しかし、ワクチンの副反応として局所の腫脹や疼痛は高率に出現します。


接種後はしばらく痛いことも多く、無意識のうちに同側の上肢を使わないようにしていると、肩関節周囲炎を併発してもおかしくありません。


なるほど、そのような機序であればワクチン接種後に腕が挙がらなくなるという症状は、あながち因果関係が無いとも言えないと思いました。


時節柄、新型コロナウイルス感染症のワクチンが開始されています。ワクチン接種が加速すると、整形外科への肩関節周囲炎での受診が増えるかもしれませんね。





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