整形外科医のブログ

中堅の整形外科医が、日々の気付きを書き記します。投資の成功で働く必要が無くなりましたが、社会貢献のため医師を続けています。

救急

アナフィラキシー対応を具体的に準備しておこう!

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今月号の日本医師会雑誌に付録でついていた医療事故の再発防止に向けた提言が興味深かったのでご紹介します。お題は注射剤によるアナフィラキシーに係る死亡事例の分析です。


臨床をしているとアナフィラキシーに遭遇するリスクが常にあります。このため、アナフィラキシー対応は無意識に対応できるレベルで熟知しておく必要があります。


  • 造影剤、抗菌剤、筋弛緩薬を静脈内注射する際は少なくとも5分間は観察する
  • 皮膚症状に限らず患者の容態が変化した場合は確定診断を待たずに薬剤投与中止してアドレナリン0.3㎎を準備する
  • アナフィラキシーを疑った場合は、アドレナリン0.3㎎を大腿前外側に筋肉注射する


幸いにも私の患者さんでアナフィラキシーを発症したことはありませんが、今回の提言を拝読してアナフィラキシーの緊急対応の復習ができました。


普段から救急に慣れているわけではないので、思わずルート確保を優先しそうになりそうです。もちろんルート確保は並行して行いますが、まずはアドレナリン0.3㎎筋注ですね。


ちなみにアドレナリン0.3㎎は、エピペン0.3㎎ もしくは
ボスミン 0.3ml  (ボスミン 1Aは 1mg = 1ml)です。


勤務先にある薬剤の種類と、その薬剤がどこに収納されているのかをあらかじめ確認して、万が一のアナフィラキシー発症に備えておきましょう。






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90歳以上の脳梗塞でも血管内治療をあきらめるな!

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Medical Tribuneに興味深い記事がありました。
90歳以上の脳梗塞でも血管内治療が有効 です。


血管内治療は、80歳以上の脳主幹動脈閉塞による脳梗塞患者の障害軽減に対する有効性と安全性が示されているが、90歳以上では明らかでなかった。国立循環器病研究センター脳血管内科の藤田恭平氏(現・東京医科歯科大学)らは、前向き国内多施設共同研究RESCUE-Japan Registry 2のデータを用いて90歳以上の急性期脳梗塞患者に対する血管内治療と内科治療単独の効果を比較した結果をStroke(2021年3月1日オンライン版)に発表。90歳以上の脳梗塞患者でも血管内治療は安全に脳梗塞後の障害を軽減させる可能性があることを示した。




これは非常に興味深い研究だと思いました。整形外科医のオマエが、なぜ超高齢者の血管内治療に興味を抱くのか?と言われそうですが、場末病院勤務なので必須の知識と言えます。


つまり、健康な人の人工関節手術ばかりしていればOKではなく、来る者拒まずで何でも診る関係で、必然的に超高齢者の脊椎圧迫骨折の保存治療例も受け持つことになります。


たくさんの超高齢患者さんを抱えていると、年に何度かは脳梗塞を併発します。その際のひとつの指針として、今回の研究は貴重な知見だと感じました。


今までは、90歳以上の超高齢者の脳梗塞症例については、基幹病院に転院依頼するべきか否かに迷いがありました。しかし、今後は今回の研究を念頭に判断していこうと思います。





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場末病院でオプジーボ患者を受けれるのか?

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先日、大腿骨近位部骨折の転院依頼がありました。
ふたつ返事でOKというところでしたが、既往歴を確認すると癌のターミナルです。


しかも、オプジーボを 2週毎に投与中とのことでした...。オプジーボは有名な薬剤ですが、実際に投与している場面に遭遇したことはありません。


何となくオプジーボ投与に対応できなさそうだったので転院をお断りしたのですが、気になったので本当に転院できなかったのかを調べてみました。


まず、この患者さんの場合、オプジーボの薬価だけで月間 100万円近くするようです。なかなか強烈なインパクトがあります。


そして、仮に入院中にオプジーボを投与する際には「最適使用推進ガイドライン」を満たすことをレセプトに記載する必要があるとのことでした。


ガイドラインでは、施設要件としてがん診療連携拠点病院であることが求められています。これ以外にも、医師要件としてがん薬物療法の 3~5年以上の臨床経験の必要があります。


いずれも全く満たしていません。何となく自院ではダメっぽいと感じていましたが、ぜんぜん話にならないレベルでした。下手に受けると全員が不幸になるところでした...。






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ガイドラインに準拠してわかりやすくコンパクトにまとまった良書です。概論が最初の30ページ程度なので、これはあらかじめ通読するとよいでしょう。各論は原発性骨腫瘍、腫瘍類似疾患、転移性骨腫瘍、軟部腫瘍、骨系統疾患、代謝性骨疾患の6章に分かれています。各章とも疾患ごとに、豊富な写真でわかりやすく解説されています。







片麻痺が無くても脳梗塞はありえる!

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先日、80歳台の方が、転倒後から歩行できなくなったとのことで救急搬送されました。現病歴から、整形外科での対応は何の問題無いと思いました。


ところが救急搬送されてきた患者さんを診ても、特に痛がるところはないのです。もしや脳梗塞か???と思って立膝や両手挙上してもらいましたが、問題なく可能です。


おかしいなぁと思いつつも介助下に立たせると不安定ながら立位可能です。認知症なのかなと思いましたが、念のため脳神経外科に診察依頼しました。


脳神経外科医はルーチンで頭部CTもしくは頭部MRIを施行するようです。MRIは敷居が高い印象ですが、拡散強調MRI (Diffusion-weighted MRI) なら数分で撮像可能とのことです。




22 - コピー




本症例でも頭部MRIを撮像いただいたのですが、ナント DWIにて右ACA領域に高信号領域を認めました! 新鮮脳梗塞とのことです。


何とか立てるものの不安定だったのは脳梗塞が原因だったようです。典型的な片麻痺症状がなくても「フラフラする」「立つときに力が入らない」は脳梗塞を疑うべきなのでしょう。


今回の症例は勉強になりましたが、脳神経外科医に診察依頼できたのは、非常にフットワークの軽い医師だったからです。


実際は、ほぼ見落とし症例になるところでした。いまさらですが、日常診療には至る所に落とし穴があるようです...。






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頚動脈損傷は天井を見れば分かる?!

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先日、救急室から直電がありました。
自傷行為で頚部を包丁で切った!患者さんがいるのでヘルプとのことでした。


とんでもないことするな...と思って救急室に急行したのですが、まず救急室の天井を見上げました。しかし、天井には血液は付着していません。


以前、頚椎前方除圧固定術の際に、動脈を損傷して出血が止まらなくなったことがあります。泉のように血が湧き出てくるので、ヤバいと思って耳鼻科に応援依頼しました。


すぐに耳鼻科部長が応援に駆けつけてくれたのですが、手術室に入るなり天井を見上げて「大丈夫だな
」とおっしゃいました。



頚動脈本体を損傷した場合には、動脈圧が高いので天井まで血が吹き上がるのですが、天井は無傷(?)だったので、頚動脈損傷ではないという判断だったそうです。


その時はナルホドーという余裕も無かったのですが、後から思い返して得心したしだいです。今度は立場が逆になって、
その時の経験が今回の私の行動になりました。



派手にバックリと開いた傷でしたが、幸いにも小動脈の枝だったようで何とか止血して事なきを得ました。とりあえず、自傷行為で首を切るのは止めてもらいたいと切に思いました。







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