整形外科医のブログ

投資の成功によって30歳代で経済的自由を達成しました。 医師起業家として年商10億円企業を目指して日々奮闘中

救急

場末病院でオプジーボ患者を受けれるのか?

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先日、大腿骨近位部骨折の転院依頼がありました。
ふたつ返事でOKというところでしたが、既往歴を確認すると癌のターミナルです。


しかも、オプジーボを 2週毎に投与中とのことでした...。オプジーボは有名な薬剤ですが、実際に投与している場面に遭遇したことはありません。


何となくオプジーボ投与に対応できなさそうだったので転院をお断りしたのですが、気になったので本当に転院できなかったのかを調べてみました。


まず、この患者さんの場合、オプジーボの薬価だけで月間 100万円近くするようです。なかなか強烈なインパクトがあります。


そして、仮に入院中にオプジーボを投与する際には「最適使用推進ガイドライン」を満たすことをレセプトに記載する必要があるとのことでした。


ガイドラインでは、施設要件としてがん診療連携拠点病院であることが求められています。これ以外にも、医師要件としてがん薬物療法の 3~5年以上の臨床経験の必要があります。


いずれも全く満たしていません。何となく自院ではダメっぽいと感じていましたが、ぜんぜん話にならないレベルでした。下手に受けると全員が不幸になるところでした...。






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ガイドラインに準拠してわかりやすくコンパクトにまとまった良書です。概論が最初の30ページ程度なので、これはあらかじめ通読するとよいでしょう。各論は原発性骨腫瘍、腫瘍類似疾患、転移性骨腫瘍、軟部腫瘍、骨系統疾患、代謝性骨疾患の6章に分かれています。各章とも疾患ごとに、豊富な写真でわかりやすく解説されています。







片麻痺が無くても脳梗塞はありえる!

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先日、80歳台の方が、転倒後から歩行できなくなったとのことで救急搬送されました。現病歴から、整形外科での対応は何の問題無いと思いました。


ところが救急搬送されてきた患者さんを診ても、特に痛がるところはないのです。もしや脳梗塞か???と思って立膝や両手挙上してもらいましたが、問題なく可能です。


おかしいなぁと思いつつも介助下に立たせると不安定ながら立位可能です。認知症なのかなと思いましたが、念のため脳神経外科に診察依頼しました。


脳神経外科医はルーチンで頭部CTもしくは頭部MRIを施行するようです。MRIは敷居が高い印象ですが、拡散強調MRI (Diffusion-weighted MRI) なら数分で撮像可能とのことです。




22 - コピー




本症例でも頭部MRIを撮像いただいたのですが、ナント DWIにて右ACA領域に高信号領域を認めました! 新鮮脳梗塞とのことです。


何とか立てるものの不安定だったのは脳梗塞が原因だったようです。典型的な片麻痺症状がなくても「フラフラする」「立つときに力が入らない」は脳梗塞を疑うべきなのでしょう。


今回の症例は勉強になりましたが、脳神経外科医に診察依頼できたのは、非常にフットワークの軽い医師だったからです。


実際は、ほぼ見落とし症例になるところでした。いまさらですが、日常診療には至る所に落とし穴があるようです...。






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頚動脈損傷は天井を見れば分かる?!

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先日、救急室から直電がありました。
自傷行為で頚部を包丁で切った!患者さんがいるのでヘルプとのことでした。


とんでもないことするな...と思って救急室に急行したのですが、まず救急室の天井を見上げました。しかし、天井には血液は付着していません。


以前、頚椎前方除圧固定術の際に、動脈を損傷して出血が止まらなくなったことがあります。泉のように血が湧き出てくるので、ヤバいと思って耳鼻科に応援依頼しました。


すぐに耳鼻科部長が応援に駆けつけてくれたのですが、手術室に入るなり天井を見上げて「大丈夫だな
」とおっしゃいました。



頚動脈本体を損傷した場合には、動脈圧が高いので天井まで血が吹き上がるのですが、天井は無傷(?)だったので、頚動脈損傷ではないという判断だったそうです。


その時はナルホドーという余裕も無かったのですが、後から思い返して得心したしだいです。今度は立場が逆になって、
その時の経験が今回の私の行動になりました。



派手にバックリと開いた傷でしたが、幸いにも小動脈の枝だったようで何とか止血して事なきを得ました。とりあえず、自傷行為で首を切るのは止めてもらいたいと切に思いました。







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肺塞栓症(PE)で重要な 2症状

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先日、術後2日目の患者さんの呼吸状態が突然(?)悪化しました。
早朝の検温時に、SaO2=80%前半に低下していました。HR>100/分で頻脈もあります。


幸い、意識障害や呼吸苦などは無く、傍目にはそれほど重篤感はありません。それでも主治医的にはかなり焦ってしまいます。これは PEを併発したかな...。


人工関節術後患者さんなので、術前にDVTが無いことを確認したうえで術後1日目からリクシアナを経口投与しています。しかし、そんなことでは何の安心感もありません。


かなり前に重篤な 症候性PEを経験したのですが、最近は忘れていました。そこで、ザザッと PEについてのおさらいをしました。まず症候性 PEの代表的症状は下記2つです。


  1.  呼吸不全
  2.  頻脈


この2つがそろっている術後患者さんは PEを念頭に置いて検査を迅速に進めるべきでしょう。そして、検査は下記を行います。


  •  胸部CT、Xp
  •  心エコー、下肢静脈エコー
  •  血液生化学検査
  •  動脈血ガス


上記には比較的迅速に施行可能だと思います。特に心エコーでの右心負荷の有無は確認したいところです。誤嚥性肺炎の可能性もあるので胸部CTは必須でしょう。


高齢者は腎機能低下している方が多いので、造影CTを施行するか否かは状況しだいですが、心エコーで右心負荷(-)なら無しでもいいかもしれません。


そんなこんなでワタワタと検査してみましたが、結果的には PEではなく肺炎を併発していたようです。高齢者の人工関節置換術後の呼吸不全はこちらの心臓にも悪いですね...。








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こむら返りは熱中症の可能性も!

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先日、大腿部こむら返りの患者さんを診察する機会がありました。この患者さんは大腿部のこむら返りを主訴に整形外科受診していました。


他院でロキソニンを処方されて帰宅したのですが、すぐにこむら返りが再燃して、こちらに受診しました。当初は整形外科疾患のようだったので、私が診察することになりました。


体を触ると熱かったので、こむら返りではなく熱中症だなとピンときました。体温を測ると、あんのじょう38度近くあります。


現病歴は、昨日のフットサル後から出現したこむら返りでしたが、数日間かけて進行する熱中症(熱けいれん)もあるようです。


内科医師が診ればすぐに熱中症だと気付くかもしれませんが、整形外科医では「こむら返り=熱中症の可能性」という思考回路が出来ていない人が多い印象です。



ロキソニンで様子みましょうと言って帰してしまうと大変なことになってしまいます。整形外科医と言えども熱中症患者を診る可能性はあります。


夏真っ盛りの今の季節は、私たち整形外科医も熱中症のことをアタマの片隅に置いておく必要があると感じました。






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