整形外科医のブログ

投資の成功によって30歳代で経済的自由を達成しました。 医師起業家として年商10億円企業を目指して日々奮闘中

手技

脳梗塞後の肩関節脱臼は放置するに限る

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骨折をみたら手術を検討する、脱臼をみたら徒手整復する。このような思考パターンは整形外科ではお馴染みですね。


だいたい猪突猛進するのが整形外科医の特徴ですが、何も考えずに突っ込んでいるとときどき大変な目に遭うことになります。


その代表例のひとつは、脳梗塞後の肩関節脱臼ではないでしょうか。片麻痺が発生すると、いつの間にか肩関節が脱臼していることが多いです。


胸部X線像で偶然見つかるパターンもあります。このような症例に対して「徒手整復だ!」とすると思わぬ失敗をしでかす可能性があります。


脳梗塞後の肩関節脱臼はいつの間にか脱臼しているので、徒手整復が難しいケースが多いです。脱臼から日が浅くて整復できたとしても、またすぐに脱臼します。


そして拘縮(瘢痕形成?)が完成している脳梗塞後の肩関節脱臼症例に対して、無理矢理徒手整復しにいくと、脆弱化した上腕骨が折れてしまうことも...。


そもそも脳梗塞後の肩関節脱臼は痛みがありません。整復する必要さえ無い症例に、レントゲンコスメティックを追求して不要な徒手整復をするとロクなことがありません。


脳梗塞後の肩関節脱臼症例は、そっと見守るのが吉だと思います。この場合の問題点はご家族への説明です。


徒手整復するメリットが無いこととデメリットが大き過ぎることを丁寧に説明すれば、たいていの人は納得してくれます。ゆめゆめ猪突猛進しない方が良いでしょう。








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整形外科研修ノート 改訂第2版



対応の難しい患者さんには「真の欲求」を見極めよう

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先日、午前外来終了 3分前の11時57分に患者さんが初診受付しました。その日は13時出しの手術がありました。う~ん、どうしよう。


しかも、お約束の対応が難しい患者さんです。診察室に入ってくるなりマシンガントークでハチの巣にされてしまいました...。


この難局(笑)をどう乗り切るのかは腕の見せ所です。このようなケースでは、まず患者さんの「真の欲求
を見極めることから始めています。


この方の場合は、近所の開業医に対する不信でした。当然、診療情報提供書などありませんがお薬手帳を拝見する限りでは、ぞんざいな扱いしかされていないようです。


まぁ、どちらが悪いのか分かりませんが、治療に足りないところはありそうです。そこで、患者さんの気を静めるために MRIでの精査を勧めました。


この段階で少し患者さんのヒートアップした気持下肢ちは沈静化します。そして下肢症状にも困っているようなので、EPA処方を提案しました。患者さん嬉しそう。


単純X線像は MRIと一緒に説明することにしました。1週間後に再診予約して気持ちよくお帰りいただきました。ここまでで約 5分です。手術にも無事間に合い、めでたしめでたし。


もちろん、丁寧な診療とは言い難いですが、時間を含めた限りある医療資源を最大限使用するには仕方無い対応だと考えています...。






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整形外科研修ノート 改訂第2版



満床じゃないのに早期退院を促すってKPI設定がおかしくないか?

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患者数コントロールについての愚痴です。
場末病院では集患がとても大変です。


大学や日赤などの基幹病院は黙っていても患者さんが集まります。むしろ、どうやって患者さんを受診させないかに知恵を絞ることも...。


このような環境で勤務している人には理解し難いかもしれませんが、集患は本当に頭の痛い問題です。私立病院では、医師の評価は基本的に売り上げです。


このため集患は極めて重要なポイントなのですが、どうもパラメディカルには理解してもらえないようです。その代表例は、満床でもないのに退院を促す行為です。


せっかく私が苦労して入院させた患者さんも、ADLがある程度回復するとすぐに退院調整とか言い出します。おいおい、ちょっと待て! そんなに早く退院させなくてもいいでしょ。


すぐに退院調整を言い出すスタッフは「底の抜けたバケツ」に見えて仕方ありません...。こちらの苦労も知らず、よく退院調整とか言い出すな。


少し前まで「こいつらアホなんだ」と思っていましたが、最近になって彼らの KPIが在院日数短縮であることに気付きました。


なるほど、なぜ在院日数短縮が大切なのかを知ることなく、在院日数短縮が至上命題になっているため、全体の状況が全く見えていないようです。


在院日数短縮が大切なのは、DPCが高稼働している施設に限られます。満床でもないのに在院日数短縮しても医業収入が減るだけで何の意味もありません。


少し考えれば分かりそうなモノですが、彼らにイチイチ説明するのは大変です。このため、空床率をニラみながら「退院はまだダメ!!」と日々連呼しています。


おそらくパラメディカルからは、コイツはヤブ医者か治療が慎重すぎるのかのどちらかだろうと思われているに違いない...。





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整形外科研修ノート 改訂第2版



乳がん術後患者さんの患側ルート確保がダメな理由

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乳癌患者さんでは患側でのルート確保は避けるべき


整形外科の手術を施行する際に、既往歴として乳癌手術のある患者さんがときどき居ます。乳癌術後患者さんは、患側でのルート確保は避けるべきと言われています。


先日、右乳癌手術の既往歴のある、左側の橈骨遠位端骨折の患者さんの手術がありました。このような症例では下肢でルート確保することになります。


下肢でルート確保するのはあまり無いので、なぜ乳癌術後患者さんでは患側を避けるべきなのかを調べてみました。


どうやらその理由は乳癌術後のリンパ浮腫と関係があるそうです。乳癌手術で腋窩リンパ節郭清をした場合、上肢からのリンパ液還流のルートが減少します。


このため、患側上肢のリンパ浮腫を併発しやすくなります。そして患側上肢でルートを確保すると、静脈圧を上げてしまいリンパ浮腫の併発や増悪を誘発する可能性があります。


また、ルート確保によって感染を併発するリスクも存在するため、患側でのルート確保は避ける方が無難なようです。



患側上肢での血圧測定、採血、予防接種は禁忌ではない


ルート確保だけではなく、血圧測定、採血、予防接種などの医療行為も受けない方が無難だと言われています。


ただし、これらの医療行為によってリンパ浮腫の併発や増悪するというエビデンスは無いようです。あくまでも「経験則」レベルの話。


このため「なるべく受けない」程度の指導で十分であり、やむを得ない場合には血圧測定、採血程度であれば患側上肢で実施しても問題ないようです。


さすがにルート確保は気持ち悪いので患側上肢は避けた方が無難だと思いますが、エビデンスがある話でもないので、あまり神経質になり過ぎない方がよいのかもしれません。





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整形外科研修ノート 改訂第2版



シロウトが語る骨折講義を聴いてみた!

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ケアネットで興味深い動画チャンネルがありました。Dr.増井の骨折ハンティングです。ケアネットは同業他社と比べて、動画チャンネルが充実していることが特徴です。


さて本題のこの動画チャンネルですが、骨折の解説をしているのは、ナント整形外科医ではありません。増井医師は救急医のようです。ほー、どんな講義なのか興味津々ですね。


無料で閲覧できるお試し番組を視聴してみました。お題は脊椎圧迫骨折です。単純X線像だけでもL1は陳旧性で、椎体前方が微妙に膨らんでいるL2の新鮮圧迫骨折は分かります。


しかし非専門医がどうやってこのビミョーな画像を判定するのか? 結局、単純X線だけでは診断が難しいというオチに椅子から落ちそうになりましたが、実際こんなモノでしょう。


せめて腰椎側面像を座位と臥位で比較するなどの TIPSを教えてあげて欲しいところです。それはさておき、動画チャンネルの紹介文では下記メッセージが掲載されています。


こうした微妙な骨折の場合、診断に必要なのは骨折線の「イメージ」。 検査前に予想骨折線を引くことで、微妙な骨折が見えるようになるのです。



う~ん、かなりビミョーなコメントです...。さすがに非専門医が骨折の講義をするのはかなり無理がある企画ではないのか??? 


ここで、私たちと増井医師との差は何なのかを考えてみました。それはやはり圧倒的な経験量の差でしょう。整形外科専門医であれば、これまで何万枚もの画像を読影してきたはず。


この圧倒的な経験数が、素人とは別次元の世界を見せてくれるのでしょう。同じ画像を見ても「診ている」世界が違うのです。


ただし今回の動画チャンネルは、非専門医のニーズを意外と汲み取っているのかもしれません。私たちでは思いもつかない観点から骨折を語っているのはとても興味深いです。





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