整形外科医のブログ

投資の成功によって30歳代で経済的自由を達成しました。 医師起業家として年商10億円企業を目指して日々奮闘中

手技

関節注射の刺入点を見誤らない素晴らしい工夫

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私は、患者さんの体に針を刺すとき、未だに少し緊張します。何年整形外科医をやっているんだと言われそうですね(笑)。


しかし、針を刺す行為は意外と侮れないと考えています。特に肩関節(肩峰下滑液包)の関節注射では、一発で入らずに患者さんを痛い目に合わすことも...。


最初の刺入部位を間違えると軌道修正が大変です。内部を探りながらの軌道修正していると、患者さんの信頼感もガタ落ちです。


このため、一発で至適部位に至適角度で針を刺すワケですが、少しでもずれると痛みの少ない関節注射にはなりません。この際に重宝しているのが、ボールペンを使用する方法です。


このアイデアは、当ブログ内で広島骨接ぎ先生をはじめとする何名かの先生方から教えていただきました。方法は以下のとおりです。


  • ボールペンの芯を出さない状態でペン先を押し付けてマーキングする


ボールペンの芯を出さない状態なのでインクがつかないし、しっかり消毒してもボールペンの先で圧迫した跡は消えません。


更に、患者さんが『ああ、ここに刺されるんだ』という自覚を持つことで、針を刺しても比較的痛みを感じにくい、という魔法のような効果も付いてくるとのことでした。 


それにしても、これほど簡単にできて素晴らしい工夫も珍しいと思います。世の中には頭の良い人が多いものですね。






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整形外科研修ノート 改訂第2版



患者さんのクレームを解決する魔法の行動とは?

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入院中の患者さんからクレームが出ることがあります。クレームの理由はさまざまで、患者さんのキャラクターも大いに関係ありそうです。


しかし、入院中の患者さんが主治医や病院に対してクレームするのは、実はかなり精神的ハードルが高いです。そりゃ、自分の健康や命を握られているワケですから当たり前ですね。


そんなリスクを乗り越えてまでクレームを入れるには、クレームの直接原因が些細なことであっても、その背後には何か大きな原因があるはずと考えるべきでしょう。


私の場合、その理由は患者さんとのコミュニケーション不足だと考えています。常時20名前後の入院患者さんを担当していると、安定している患者さんは放置プレーになりがちです。


しかし、患者さんにとって主治医はたった一人です。その大事な主治医が滅多に顔を見せないのであれば、不満が蓄積されます。そしてその不満が些細な出来事で爆発するのです。


このことに気付いてから、これまで「こんな些細なこと文句で言うとはクレーマーに違いない」と思うことを止めました。


更に対応策として、直接のクレーム改善はもちろんのこと、訪床頻度を上げて患者さんの不満を解消することにしています。多くの患者さんはこれで満足しておとなしくなります。


訪床頻度アップは、クレーム対策としてかなりの効果を期待できます。クレームが多くなってきたなと感じたら、訪床頻度アップを強くお勧めします。






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整形外科研修ノート 改訂第2版



慢性疼痛患者さんには心療内科的アプローチが有用

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先日、大阪公立大学整形外科の豊田先生の慢性疼痛に関する講演を拝聴しました。講演の後半が、認知行動療法(CBT)と動機付け面接(MI)の整形外科診療への応用でした。


正直言って、認知行動療法や動機付け面接というフレーズは聞いたことがありませんでした(苦笑)。感覚的には、心療内科っぽい印象を受けます。



国立精神・神経医療研究センター(NCNP)から抜粋

認知行動療法(Cognitive Behavior Therapy)はCBTとも呼ばれ、ストレスなどで固まって狭くなってしまった考えや行動を、ご自身の力で柔らかくときほぐし、自由に考えたり行動したりするのをお手伝いする心理療法です。



内閣府のホームページより抜粋

動機付け面接とは、面接者は対象者の考え方や行動が変化するための援助を行う。 動機づけ面接は、本人が変わりたい方向を見出し、その方向に変わろうとする対象者に力を添えていくようなやり方です。 



おそらく、ほとんどの整形外科医にはピンとこない話題でしょう。しかし、特に慢性疼痛歴の長い人では、薬物療法だけでは不充分なケースがあります。


慢性疼痛はネガティブな感情も原因になっている症例が多いため、認知行動療法の考え方を取り入れて、患者さんの凝り固まった考え方を開放することが肝要とのことです。


そして、その手段のひとつが動機付け面接(MI)です。医師などの専門家が導くのではなく、患者さん自らが凝り固まった考え方を変える方向に援助するのがポイントです。


患者さん自ら考え方を変えるには、患者さん言葉を否定せずに、末広がりになる方向に会話を持っていきます。


普通の医師が限られた外来時間でコレをするのは至難の業っぽいですが、ガチガチの慢性疼痛患者さんを扱う専門外来であれば、是非習得するべき技術だと感じました。






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整形外科研修ノート 改訂第2版



小児肘内障の整復法を一般の人に教えられるのか?

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先日、時間外で小児肘内障の患児が、美人お母さまに連れられて受診しました。病院に来るまでに痛みを訴えなくなったとのことで、診察時には自然整復されていたようです。


これまで 3回ほど肘内障を発症しているため、親御さんも慣れたものです。しかし、病院に連れてくるのは、ご家族にとってもかなりの負担になるはずです。


ご家族から、肘内障を自分たちで整復する方法を教えて欲しいと頼まれました。しかし、以下の2点のためにお断りしました。


  1. 診断が肘内障とは限らない
  2. 肘内障の整復法には何種類かあるため、一般人が習熟するのは難しい


最も懸念されるのは、①診断が肘内障とは限らない でしょう。以前、肘内障だと思って整骨院でゴリゴリされた結果、肘をパンパンに腫らしてやってきた患児が居ました。


診断は上腕骨外顆骨折だったのですが、患児にとっては生き地獄であったに違いない状況を想像するだけで胸が痛みます...。


あと、肘内障の整復法には何種類かあります。ひとつの方法でダメならもう一種類を試す柔軟さが必要です。


経験的に、何となく触った感覚で整復できる方向が分かるのですが、これを一般の人に過不足なく伝えることは不可能です。


それでは、ネットにアップされている動画はどうでしょうか? 残念ながら、現時点でも動画にロクなものはありません。


結論としては、小児肘内障では医療機関を受診してくださいね、ということになりました。整形外科医的には少々面倒くさいですが、前途ある子供の治療をできるので良しとしよう。






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整形外科研修ノート 改訂第2版



未滅菌手袋で腱縫合してもよいのか?!

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先日、高速サンダーで手を切った人が受診しました。以前の記事でご紹介したように、未滅菌手袋を使用して縫合しようと思いました。


まず局所麻酔をして水道水で石鹸で洗ってもらいます。昔に比べたら、こちらがやることが省略化されており、業務改善を感じます。


手洗いが終了すると処置台に上がってもらい、創部を観察します。しかし、手洗い前に比べると出血が多い...。手洗いすると止血されていた部分から再出血するのが玉に瑕です。


仕方ないので未滅菌手袋の指部分を切って、簡易エスマルヒ&ターニケットを実施しました。すると、PIP関節直上で伸筋腱が切れていました。


放置するとボタンホール変形をきたすヤツですね。伸筋腱中央索(central slip)はきっちり縫合しなければいけません。ここで、はたと手が止まりました。


腱縫合も未滅菌手袋で縫合してよいのか??? 感染すると少々厄介です。しかもナイロン糸は腱内に残存します。この場合は、やはり通常通りに消毒するのが吉だな...。


今回得た教訓は、未滅菌手袋で縫合する場合でも内部の観察はマストで、関節や腱にまで損傷が及んでいる場合には仕切り直した方が良さそうだということでした。






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