整形外科医のブログ

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外傷

腓骨筋腱脱臼のMRI所見

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先日、習慣性の腓骨筋腱脱臼の患者さんが初診されました。しかも、両側性です。発症してから数年経過しているそうですが、既に数百回も脱臼しているとのことでした...。


一般的には腓骨筋腱脱臼はそれほどメジャーな傷病ではないと思います。私自身、これまで1例しか診たことがありません。その症例の画像を再掲します。



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どこが習慣性腓骨筋腱脱臼の有意所見かお分りでしょうか? 私も最初の症例では分かりませんでした。




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上腓骨筋支帯の下に仮性嚢(赤矢印)を認めます。とても繊細な所見なので見逃してしまいそうですが、一度でも腓骨筋腱脱臼を経験すると忘れられません。




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この症例は上腓骨筋支帯の下に仮性嚢を認めるため、Oden分類のType 1に該当するようです。足の外科医ではない一般整形外科医が診断をつけることができればカッコイイですね!




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熱傷の治療はドライにするのが良い?!

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激しい当直から遠ざかっているため、熱傷の患者さんを診なくなって久しいです。ところが、ひょんなことから手掌の2度熱傷患者さんを診察する機会がありました。


母指から中指にかけて、たくさんの水疱を形成しています。これは痛そう...。患者さんは痛過ぎてあまり指を動かせない状態です。


さて、このような患者さんに適切に対応するにはどうすれば良いのでしょうか? さしあたってデルモベートを手掌の赤くなっている部分に塗布+ガーゼ保護して返しました。


明日以降の治療方針を決めなければ行けないので、皮膚科専門医の同級生に訊いてみました。その結果は下記のごとくです。


  1. ステロイドは1日だけでOK
  2. 2日目からはワセリン塗布+ガーゼ保護とする
  3. 基本的にはある程度「ドライ」な環境を目指す


①②は納得できますが、③の「ドライ」は腑落ちしません。だって、創処置の基本はウェットな環境ではなかったでしょうか。


この点を確認すると、熱傷では浸出液が極めて多いため、創をウェットにしようとすると「ズブズブ」になってしまうそうです。


つまり、創をドライにする感覚でやっていると、ほど良いウェット加減になるとのことでした。なるほど、、、教科書的な浅い知識では、餅屋に対抗できないと感じました。








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整形外科研修ノート 改訂第2版



TKA後の人工関節周囲骨折でも MRIが有用!

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先日、人工膝関節全置換術後の患者さんが転倒して歩行困難となり受診されました。診察するとかなり膝関節が腫脹しています...。


人工関節周囲骨折だったら嫌だなと思って単純X線像を依頼しましたが、画像上は明らかな骨折を認めませんでした。しかし歩行困難なので骨折を否定できません。


このような場合、昔はCTを撮像していました。しかし THA後のステム周囲骨折では MRIが有用であることを思い出しました。



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そこでMRIを施行すると、大腿骨・脛骨・膝蓋骨とも明らかな骨折は認めませんでした。これで自信をもって患者さんに説明できます。



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一方、現在の疼痛の原因は膝関節側方の皮下に存在する広範な血種のようです。更に自信をもって患者さんに説明できます。人工関節周囲骨折を疑った場合には MRIが有用ですね!






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TFCC損傷の画像診断のポイント

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手関節の TFCC損傷は橈骨遠位端骨折に併発することも多いので比較的日常診療でよくみかける傷病です。しかし手外科医以外は TFCC損傷に苦手意識のある方も多いことでしょう。


そこで、TFCC損傷の実際的な画像診断のポイントをまとめてみました。TFCC損傷の分類では、外傷に関しては Palmer分類が有名です。

  • ⅠA: 中央部の穿孔
  • ⅠB: 尺骨小窩付着部の断裂 
  • ⅠC: 遠位側付着部の断裂
  • ⅠD: 橈骨付着部の断裂


上記のうち、疼痛の原因となることが多いのはⅠBの尺骨小窩付着部の断裂です。その理由として、尺骨小窩付着部が断裂すると DRUJの不安定性をきたすことが挙げられます。


それ以外では、ⅠAの中央部穿孔でも断裂部がインピンジすることで疼痛の原因となることもあるそうです。


上記をまとめると、疼痛の訴えのある TFCC損傷では Palmer分類ⅠBの尺骨小窩付着部断裂が多く、MRI読影の際にも同部位に高信号領域があるか否かが読影のポイントとなります





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広島大学名誉教授の津下先生による、手の外科における必須の医学書です。特に、「私の手の外科」は津下先生直筆のイラストが豊富で、非常に分かりやすく実践的な医学書です。


 







爪外傷はアロンアルファで「瞬間的」に治す

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先日、久し振りに足趾の爪外傷の患者さんの治療を行いました。母趾末節骨開放骨折に併発しており、足趾の爪は中枢側と末梢側で割れていました。


周知のように、爪はシーネのような役割を果たします。したがって、爪が割れていても、可能なかぎり抜爪しない方が骨癒合率も高まり、患者さんのADLも向上します。


このような爪外傷を治療する機会は、整形外科医よりも救急科や外科の医師の方が多いかもしれません。そしてありがちなのは爪を抜爪してしまうことです。


爪が無いと末節骨の偽関節化率が高まり、また爪変形もきたしやすくなります。このような症例では、私は爪をアロンアルファなどの瞬間接着剤で割れた爪表面を修復しています。


 
tsume

(ファミリー薬局から抜粋)



爪甲が爪床から剥がれていない場合、アロンアルファなどの瞬間接着剤で割れた爪表面を修復すると、あっという間に爪が「治るのです。


爪甲が爪床から剥がれている場合であっても、できるだけ抜爪しません。剥がれかかった爪を周囲に縫合した後、アロンアルファで爪甲の修復を行います。


手の爪は1日あたり約 0.1mm伸びます。つまり1ヵ月で約 3mmしか伸びません。このため抜爪すると完全に生え変わるのに約 3~6ヵ月も掛かります。


更に、足趾では1年近く掛かってしまうのです。その間爪が無い生活を送らなければいけないので、患者さんのADL上も快適とは言い難い状況になります。


具体的な手法は下記のごとくです。
  1. 割れた爪同士をぴったり合わせる。
  2. 2つの爪の間から血液もしくは淡血清の滲出液が爪表面に漏出するので、ガーゼ等でふき取って爪甲表面を乾いた状態にする
  3. 瞬間接着剤を爪が割れている部分に塗布する
  4. 瞬間接着剤が固まるまで数分間は爪をぴったり合わせたまま圧迫力を加え続ける


ピットフォールは、①瞬間接着剤が固まるまで数分間かかること ②塗布する瞬間接着剤の量が多いと爪郭にこぼれたり固着するのに時間がかかるので少なめにすること です。






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