整形外科医のブログ

投資の成功によって30歳代で経済的自由を達成しました。 医師起業家として年商10億円企業を目指して日々奮闘中

関節リウマチ

エクスパートからの耳学問は最強の学習法?!

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先日、関節リウマチについて勉強せざるを得ない状況に追い込まれました。デッドラインは翌日午前という緊迫した状況。それなりのレベルまで知識を向上させなければいけません。


フツーなら教科書を読み込むかネットで情報収集します。しかし、臨床的なTIPSをそれらの媒体から得るのは難しいです。何故なら肌感覚の情報まで公開されていないからです。


実臨床で使えるTIPSは、リアルな実経験もしくはエキスパートから聞く話でしか得ることはできないでしょう。そして効率が良いのは、もちろんエキスパートから聞く話です。


今回は大学から出張で来られていた関節リウマチのエキスパートに、20分ほど根掘り葉掘りお伺いしました。ガイドライン作成委員を務められている本物のリウマチ医です。


私のような、なんちゃってにも程があるリウマチ専門医とはレベルが違いすぎます。極めて濃度の高い20分間で、私も少しだけお利口さんになりました。


エキスパートからお話をお伺いする際のポイントは、こちらから疑問点をピックアップしておくことに尽きます。いきなり総論を話してくださいとかは絶対に御法度です。


超短時間で濃い耳学問を得るには、こちらも基本的知識と経験を押さえておく必要があります。その上で一般人では到達できない領域を垣間見るため、エキスパートにお伺いする。


つまり、こちらも一流まで行かずとも、少なくとも二流レベルに到達していないと、超一流から貴重なお話を聞くことはできません。知識ゼロで訊いたらダメだよというお話でした。






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なぜ今さらMTXに注射製薬? メトジェクトが上市された理由

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2022年秋に、関節リウマチで使用する MTXの注射製薬であるメトジェクトが上市されました。こちらがメトジェクトのプレスリリースです。


それにしても、なぜ経口製剤があるのに、わざわざ注射製剤が必要なのでしょうか。普通に考えると、メリットは無さそうに思えます。


先日、関節リウマチ医と飲む機会があったので、その際にメトジェクトの意義をお伺いしてみました。メトジェクトには以下のメリットがあるようです。

  1. 消化器症状(悪心や嘔吐)が無い
  2. 血中濃度が安定する


主なメリットは①消化器症状(悪心や嘔吐)が無いことのようです。海外では、MTXは注射製剤から始まったそうで、市場シェアが半分近くある国もあります。


一方、日本では関節リウマチの承認が遅れたため、いきなり経口製剤が投入されました。相対的なメリットは経口薬の方が大きいため、今まで注射製剤は上市されなかったようです。


メトジェクトは自己注射しなければいけないこと以外にも、薬価が経口製剤の2倍するというデメリットもあります。フツーに考えたらメトジェクトは処方しなさそう...。


前述の関節リウマチ医によると、消化器症状でドロップアウトする患者さんは全体の約10%なので、この層をターゲットにしているのではないかとのことでした。


私の経験では、大柄な人以外は 8mg以下の投与量で十分に効果を発揮しており、またそれ以上では生物学的製剤を導入するため、あまりMTXの消化器症状はお目にかかりません。


鳴り物入り(?)で上市されたメトジェクトですが、日本においてはこれまでの経緯と体格の問題で、あまり流行らない気がします。







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医師の治療内容ではなく患者さんが悪いケースも多い?!

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先日、フォロー中の関節リウマチ患者さんが転倒して大腿骨転子部骨折を受傷しました。手術に向けて準備をしていると、家人から大量の持参薬が届いたとの一報がありました。


気にも留めていなかったのですが、薬の量を聞いて驚愕です。その数、ナント1年分...。ほとんど服用していないじゃないですか!!!


たしかに、この患者さんは関節リウマチのコントロールが良くありませんでした。何となくコンプライアンス不良そうだったのですが、まさか1年分も溜め込んでいたとは。


関節リウマチは「痛い」ので、ここまでコンプライアンス不良の人は珍しいと思います。一方、「痛くない」糖尿病患者さんでは、さほど珍しくことではないでしょう。


実際に、同じぐらいに入院した糖尿病患者さんは、入院してから服薬管理を厳密に行った結果、劇的に血糖が下がりました(苦笑)。


患者さんは、医師の前ではよい子にしています(笑)。薬もきっちり飲んでいますよと。しかし、そんな言葉に騙されてはいけません。


数値が思わしくない時には、自分の処方内容もさることながら、この患者さんは本当に服用しているのだろうかという観点も必要だと思います。






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移行期医療のキモは親と患者さんの自立支援にあり

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先日、オレンシアサミット2022年に参加してきました。久し振りのオンサイト開催で、前日からの博多入りです。新しい出会いがあり、とても楽しいひと時を過ごしました。


さて、講演会では移行期医療についてのセッションがありました。移行期医療とは初めて聞くフレーズです。


移行期医療は、若年性特発性関節炎(juvenile idiopathic arthritis:JIA)などの16歳未満のこどもの患者を、小児科から成人診療科へシームレスに繋げる試みです。


これまでは、JIAなどで小児科で治療されていた患者さんは、成人してもそのまま小児科で治療を続けるケースが多かったそうです。


しかし、20歳台後半の患者さんが小児科を受診するのは少しおかしな感じですね。しかし、JIAは関節リウマチと異なる疾患なので、成人診療科の医師も苦手意識があるようです。


私自身は場末病院の医師なので、関節リウマチ患者さんはたくさん治療しているものの、JIAの治療経験はありません。


このため、疾患自体の特殊性をそもそも理解していないのですが、リウマチ科の医師でさえ苦手意識があるというアンケート結果に驚きました。


しかし小児診療科と成人診療科の間には、取り扱う疾患が違うだけではなく、患者さんとの関り方や社会制度の違いもあって移行が難しいようです。


理想を言うと、ある一定期間の両科併診を経て、リウマチ科への転科が望ましいです。しかし現実は、ある日突然転科するそうです。


ドラスティックな変化なので、医師・患者さんとも大変です。このため、移行期医療の取り組みが全国各地で立ち上がっています。


そのキモになるのは、単に転科をスムーズにするだけではなく、患者さんおよび両親の自立を促すことです。特に両親の子離れが難しいケースが多いとのことです。


小児期発症慢性疾患患者さんはさほど数が多くないですが、国の将来を担う貴重な存在です。移行期医療を支える仕組みづくりは素晴らしいと思いました。






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非定型抗酸菌症既往アリの関節リウマチ患者さんの治療

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非定型抗酸菌症って厄介ですね。
この厄介な感染症を併発している関節リウマチの治療は困難を極めます。


先日、他院から既往歴に非定型抗酸菌症のある関節リウマチ患者さんの診療依頼がありました。現状はステロイドしか投与していないようで、ほぼ寝たきり状態とのことでした。


ヤバそうなニオイがプンプンします。そして現在の主治医はリウマチ医ではないようです。既往歴に非定型抗酸菌症があるというだけで、それに対する精査は施行されていません。


私もホンモノの非定型抗酸菌症の関節リウマチ患者さんは経験が無かったので、リウマチ専門医(注:私も専門医資格アリ、苦笑)に治療方針について尋ねてみました。


MAC抗体陽性で非定型抗酸菌症が確定的な患者さんに関しては、感染が増悪するので csDMARD、bDMARDとも投与不可です。


一方、MAC抗体陰性の場合は、胸部CTをフォローしながら bDMARDを半量くらい投与して関節リウマチのコントロールを行うそうです。


なるほど、場末病院でやるには少々ハードルが高そう。まぁ、そうは言っても患者さんがあまりに悲惨な状況であれば検討せざるを得ません。あぁ、プレッシャーだな...。






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