整形外科医のブログ

投資の成功によって30歳代で経済的自由を達成しました。 医師起業家として年商10億円企業を目指して日々奮闘中

頚椎

胸腰移行部椎体骨折の治療方針

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胸腰椎の椎体骨折を受傷すると脊柱アライメントが後弯になります。後弯になるのは悪いイメージがありますが、具体的にはどのようなことが発生するのでしょうか?


関節外科的には椎間関節が悪くなって症状をきたしそうですが、胸腰椎高位では脊椎後方要素の「椎間関節」の変性はあまり問題にならないようです。


もちろん、椎間関節の変性は発生しますが、症状としてさほど問題になることは無いそうです。脊椎外科医が手術を検討するのは、椎体不安定性や椎間不安定性が存在する場合です。


椎体不安定性の場合は、BKP(椎体形成術)を中心として罹患椎を安定化する術式が選択されます。一方で椎間不安定性の場合は、不安定な椎間をまたぐ後方固定術が必須です。


椎体不安定性と椎間不安定性が合併している場合には前方椎体置換術を考慮します。脊椎外科医はこのような考え方で治療方針を決定するそうです。勉強になりました。


ちなみに、素人目線では脊椎固定術=隣接椎間関節障害が問題になるとイメージしがちですが、実際にはどうなのでしょうか?


隣接椎間関節障害が問題になるのは、荷重負荷の大きな腰椎の固定術後だそうです。単なる胸腰移行部の椎体骨折では隣接椎間関節障害は問題になりません。


尚、胸腰移行部の椎体骨折では、受傷時に骨折が終板まで及んでいる画像所見(上位終板損傷)があれば、骨折形態から終板骨折があり椎間板損傷が存在する可能性があります。


このような症例では、将来的に椎間板障害が進行して
椎間不安定性
をきたす可能性があるので注意が必要なようです。





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自治医科大学准教授の星地先生の経験・知識を余すところなく収めたサブテキストです。定番と言われている教科書に記載されている内容は素直に信じてしまいがちですが、実臨床との”ズレ”を感じることがときどきあります。このような臨床家として感じる、「一体何が重要なのか」「何がわかっていないのか」「ツボは何なのか」を自らの経験に基づいて完結に述べられています。








                        

脊柱の global balanceはどこまで使えるのか

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日常臨床では
胸腰移行部の椎体骨折のために後弯変形をきたした症例を頻回に診ますが、客観的評価はどうすればよいのでしょうか。



脊椎外科医にお伺いすると、脊柱だけでなく骨盤も含めた global balanceの評価が一般的とのことでした。恥ずかしながら 
global balanceという概念は初めて聞きました...。



体幹の矢状面の global balanceの指標のひとつに、C7椎体中心から降ろした垂線(C7 plumb line: C7PL)と仙骨岬角の距離(C7PLシフト)があります。



210816 - コピー


稲見 聡: Dokkyo Journal of Medical Sciences 38巻3号 Page307-311より転載





Scoliosis Research Society(SRS)は、成人脊柱変形の各パラメーターの基準値を示しており、C7PLシフトが5㎝以上を異常値としています。


脊柱後弯変形では、バランスの円錐(cone of economy)という概念もありますが、素人的には具体的な指標を挙げている global balanceの方がクリアカットに思えます。


しかし、
C7PLは global balanceの評価において絶対的なものではなく、静的な状態を捉えているに過ぎず、背筋に負荷がかかり疲れて後弯になる易疲労性の減少は捉えられません。



また、global balanceの維持には体幹筋が重要ですが、特に女性においては 30歳台をピークにして、筋力が減少していきます。


さらに、若年者の椎体骨折では局所後弯が進行しても、脊柱の代償機構により C7PLが異常値として算出されにくいという問題点もあります。


global balanceは重要な概念ですが、背筋や骨盤の代償機構が介在します。このため臨床的には
絶対的なアライメント不良をもたらす椎体骨折の変形程度の方が重要だと思いました。







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肩甲上腕反射って何だ???

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肩甲上腕反射(SHR; Scapulohumeral Reflex)をご存知でしょうか? SHRは、C1~C4脊髄節が反射中枢となっている反射弓です。


臨床的には、下顎反射(第5脳神経)と上腕二頭筋反射(C5~6脊髄節)の間の反射中枢のギャップ(C1~C4脊髄節)を埋める意味合いがあります。



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具体的な手技ですが、座位の患者の肩峰もしくは肩甲棘を打腱器で叩いたときに、C1~C4脊髄節に異常があると、肩甲骨の挙上あるいは上腕の外転を認めます。


正常例では、肩峰もしくは肩甲棘を打腱器で叩いても、肩甲骨の挙上や上腕の外転は誘発されません。つまり、BabinskiやHoffman反射のように陽性になると異常な反射なのです。


私は当初、SHR -/-という記載は異常な状況だと思っていました。しかし、よく調べてみると、SHRでは反射が出ないことが正常な状況のようです。


上腕二頭筋腱反射や腕橈骨筋反射と比較してあまり有名ではないですが、上位頚髄に異常を認める際には、実施する必要性のある反射だと思います。






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バランスの円錐(cone of economy)

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先日、cone of economyという概念の存在を初めて知りました。人間は、足を支点とした身体のバランスの円錐を持っており、この円錐を cone of economyと言うそうです。


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上の図が、cone of economyの概念図です。頭部が円錐の中にあれば楽に立位姿勢を維持できますが、この円錐から逸脱すると大きな筋力を必要とします。


一般的に cone of economyが問題になるのは、胸腰移行部の圧迫骨折による脊柱後弯変形です。脊柱が後弯すると頭部は前方に移動するため、立位保持が困難となります。


このアンバランスを代償するため、股関節伸展+膝関節屈曲することで骨盤を後傾します。ご高齢の方が杖無し歩行するときのアノ姿勢です。


このような代償動作を長く続けると、腰背筋群のコンパートメント内圧が上昇して筋肉が阻血状態となります。このため、筋膜性腰痛や腰痛性間欠性跛行を併発するようです。


同じような症状を呈する腰部脊柱管狭窄症では腰部を前屈して間欠性跛行を軽減しますが、脊柱後弯変形では股関節伸展+膝関節屈曲となっているので、鑑別に注意が必要です。







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破壊性脊椎関節症の画像所見

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私は透析患者さんを日常的に診察している関係で、脊椎のチェックも行う機会が多いです。先日、血液透析歴10年以上の年季の入った患者さんが両上肢のしびれで受診しました。


頚椎の単純X線像を確認したところ、C2/3/4で不安定性を認めました。これっていわゆる破壊性脊椎関節症じゃないだろうか???


破壊性脊椎関節症(destructivespondyloarthropathy;DSA)は透析アミロイドーシスの一種で、下記が特徴のようです。

  • 脊椎板腔の狭小化
  • 椎体終板の破壊像や骨のう胞
  • 椎間関節の破壊像(CT)
  • 椎体の亜脱臼


アミロイドの沈着のために椎間板や椎間関節が破壊されることによって、脊椎不安定性が惹起されます。脊椎不安定性は脊髄症状を併発するため、固定術を検討する必要があります。


しかし、破壊性脊椎関節症の固定術後には、隣接椎間障害や内固定材料のゆるみなどの問題が高率に発生するそうです。


関節外科医の私には馴染みの無い疾患ですが、透析患者さんを診察する際には見逃さないように注意しなければいけないと思いました。







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