整形外科医のブログ

投資の成功によって30歳代で経済的自由を達成しました。 医師起業家として年商10億円企業を目指して日々奮闘中

頚椎

エセ疾患? スプラングバックって何だ

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先日、雑談でスプラングバックと棘間靭帯炎という病名が話題になりました。何なんだ、その病名は? まったく聞いたことがありません。


なんでも接骨院でスプラングバックといわれて施術を受ている患者さんが外来受診したそうです。そんな病名聞いたことないですが、それは自分の不勉強なのか?という話題でした。


スプラングバックはともかく、棘間靭帯炎はアリそうな病名です。しかし教科書はもちろん、医中誌で検索してもヒットゼロ...。やはり正式な病名ではないようです。


Googleで検索すると接骨院のホームページばかり出てきます。どうやら彼らが創作した想像上の疾患概念のようです(笑)脊椎外科医にきいても、何だそれ?という感じでした。


もっともらしく、エコーで棘間靭帯に炎症が見られるとの記載もあります。しかしもし本当に靭帯付着部の炎症なら、付着部炎のパターンになるのではないでしょうか。


医学的に考えるとハチャメチャな疾患概念(?)ですが、一般人にはもっともらしく聞こえるのがコワイところです。


このようなエセ情報が流布されるということは、そこに金脈があるのかもしれません。
医療業界の周辺には魑魅魍魎としたモノが多いことを再認識しました。





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自治医科大学准教授の星地先生の経験・知識を余すところなく収めたサブテキストです。定番と言われている教科書に記載されている内容は素直に信じてしまいがちですが、実臨床との”ズレ”を感じることがときどきあります。このような臨床家として感じる、「一体何が重要なのか」「何がわかっていないのか」「ツボは何なのか」を自らの経験に基づいて完結に述べられています。








                 
       

超高齢関節リウマチ患者さんの垂直亜脱臼

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先日、いつもお世話になっている某基幹病院から超高齢者の関節リウマチ患者さんが紹介されてきました。お歳が 90歳を超えているためより近くにある私の所に紹介されたのです。


超高齢者にもかかわらず関節リウマチは高疾患活動性であり、コントロールに難渋されていることが診療情報提供書に記載されていました。


実力は折り紙付きのリウマチ医なので、本当にやっかいな病状なのでしょう。一応、整形外科医として両手と頚椎の単純X線像を撮像したところ目が点になりました。


Ranawat値がヒト桁ミリも無い、高度な垂直亜脱臼があるではないですか! 単純X線像をみるだけで、軸椎が延髄に突き刺さっていることが容易に分かります...。



超高齢者とは言え未だに高疾患活動性なので、少しでも手綱を緩めると垂直亜脱臼はさらに増悪する可能性が高いです。


垂直亜脱臼の増悪も抑制しつつ、超高齢者の関節リウマチ疾患活動性を合併症を併発させないように治療していく自信は到底ありません。


脊椎外科医師、呼吸器内科医師、肝胆膵消化器内科医師も居ない状況で、なんちゃってリウマチ医の私が診るにはあまりにハードルが高い症例です。


いつもお世話になっている医師なのでかなり迷いましたが、やはり自分の能力の限界をわきまえて、お受けすることが難しい旨の返信をしました。


リウマチ医と言っても完璧ではありません。特に上位頚椎の不安定性に関してはときどき整形外科医がチェックした方が良いのでしょう。






管理人 お勧めの医学書

 
初学者が関節リウマチの治療体系を俯瞰するにあたり、最もお勧めの書籍です

頚椎人工椎間板って人工関節に似ている!

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日整会誌95:628-637 2021に興味深い教育研修講座がありました。頚椎人工椎間板置換術の実際と今後の展望です。


関節外科医にとって
人工椎間板置換術は縁遠い話ですが、整形外科医であるからには脊椎外科の大きな流れも知っておく必要があります。


現在日本で上梓されている人工椎間板は 2種類あります。メドトロニック社の Prestige LPとジンマーバイオメット社の Mobi-Cです。



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上の画像はメドトロニック社の Prestige LPです。なんだかメタルオンメタルの THAを彷彿させる構造ですね。素人目線では ARMDや脱臼やが心配になりそうな形状です。



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一方のジンマーバイオメット社の Mobi-Cは、モバイルベアリングのTKAっぽいです。インサート(?)にはサイズバリュエーションが豊富にあるようです。


日本での導入は 2017年とかなり遅かったようですが、その理由は①欧米では頚部神経根症に対して積極的に手術を行う ②日本では後方法へ過剰にシフトしていた ためです。


広義のデバイスラグですが、頚椎人工椎間板置換術ではむしろ良かったかもしれません。人工椎間板置換術はけっして夢の治療法ではなく下記のような問題点もあるからです。


  • 椎体へのインプラントの沈み込み
  • 後方への脱転による脊髄損傷
  • 椎体骨折
  • 頚椎の後弯化
  • 異所性骨化による骨性癒合
  • 固定マジックを期待できないので除圧をしっかりする必要がある


たしかに隣接椎間障害を防止できるメリットはありますが、現時点では人工関節全置換術ほど完成された術式ではないようです。


若年者の単椎間のヘルニアに伴う神経根症および脊髄症が最も良い適応だそうなので、症例を積み重ねて順調に発展することを祈念したいですね。






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胸腰移行部椎体骨折の治療方針

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胸腰椎の椎体骨折を受傷すると脊柱アライメントが後弯になります。後弯になるのは悪いイメージがありますが、具体的にはどのようなことが発生するのでしょうか?


関節外科的には椎間関節が悪くなって症状をきたしそうですが、胸腰椎高位では脊椎後方要素の「椎間関節」の変性はあまり問題にならないようです。


もちろん、椎間関節の変性は発生しますが、症状としてさほど問題になることは無いそうです。脊椎外科医が手術を検討するのは、椎体不安定性や椎間不安定性が存在する場合です。


椎体不安定性の場合は、BKP(椎体形成術)を中心として罹患椎を安定化する術式が選択されます。一方で椎間不安定性の場合は、不安定な椎間をまたぐ後方固定術が必須です。


椎体不安定性と椎間不安定性が合併している場合には前方椎体置換術を考慮します。脊椎外科医はこのような考え方で治療方針を決定するそうです。勉強になりました。


ちなみに、素人目線では脊椎固定術=隣接椎間関節障害が問題になるとイメージしがちですが、実際にはどうなのでしょうか?


隣接椎間関節障害が問題になるのは、荷重負荷の大きな腰椎の固定術後だそうです。単なる胸腰移行部の椎体骨折では隣接椎間関節障害は問題になりません。


尚、胸腰移行部の椎体骨折では、受傷時に骨折が終板まで及んでいる画像所見(上位終板損傷)があれば、骨折形態から終板骨折があり椎間板損傷が存在する可能性があります。


このような症例では、将来的に椎間板障害が進行して
椎間不安定性
をきたす可能性があるので注意が必要なようです。





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脊柱の global balanceはどこまで使えるのか

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日常臨床では
胸腰移行部の椎体骨折のために後弯変形をきたした症例を頻回に診ますが、客観的評価はどうすればよいのでしょうか。



脊椎外科医にお伺いすると、脊柱だけでなく骨盤も含めた global balanceの評価が一般的とのことでした。恥ずかしながら 
global balanceという概念は初めて聞きました...。



体幹の矢状面の global balanceの指標のひとつに、C7椎体中心から降ろした垂線(C7 plumb line: C7PL)と仙骨岬角の距離(C7PLシフト)があります。



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稲見 聡: Dokkyo Journal of Medical Sciences 38巻3号 Page307-311より転載





Scoliosis Research Society(SRS)は、成人脊柱変形の各パラメーターの基準値を示しており、C7PLシフトが5㎝以上を異常値としています。


脊柱後弯変形では、バランスの円錐(cone of economy)という概念もありますが、素人的には具体的な指標を挙げている global balanceの方がクリアカットに思えます。


しかし、
C7PLは global balanceの評価において絶対的なものではなく、静的な状態を捉えているに過ぎず、背筋に負荷がかかり疲れて後弯になる易疲労性の減少は捉えられません。



また、global balanceの維持には体幹筋が重要ですが、特に女性においては 30歳台をピークにして、筋力が減少していきます。


さらに、若年者の椎体骨折では局所後弯が進行しても、脊柱の代償機構により C7PLが異常値として算出されにくいという問題点もあります。


global balanceは重要な概念ですが、背筋や骨盤の代償機構が介在します。このため臨床的には
絶対的なアライメント不良をもたらす椎体骨折の変形程度の方が重要だと思いました。







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