整形外科医のブログ

中堅の整形外科医が、日々の気付きを書き記します。投資の成功で働く必要が無くなりましたが、社会貢献のため医師を続けています。

上肢

WAHSで手根根開放術を施行するポイント

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先日、久し振りに手根管症候群の手術がありました。最近では手の外科の小手術は、Wide awake hand surgery(WAHS)で施行するようにしています。


もちろん単なる手根管開放術なので、本物の WAHSというほどのものではないですが、できるだけ局所麻酔+患者さんの負担にならないようには心掛けています。


WAHSの特徴は下記のごとくですが、手根管開放術では①②を実践するようにしています。

  1. エピネフリン入りリドカインで局所麻酔する
  2. ターニケットは使用しない
  3. 自動運動による動きを確認する



E入りキシロカインを使用するため、真皮以外からはさほど出血しません。また、ターニケットを使用しないため、術後の腫脹が軽度というメリットもあります。


たしかにターニケット無しでもそれほど困ることはありませんが、もし出血でどうしても困ったら、その時点でターニケットを開始してもOKです。


手根管開放術を WAHSで施行する際の留意点は、遠位から屈筋支帯を切離することだと思います。近位から切離すると出血のため屈筋支帯切離が不十分になりがちだからです。






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橈骨遠位端骨折の rim plateは難しい!

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先日、高齢者の橈骨遠位端粉砕骨折がありました。
いわゆる rim fractureではありませんが rim plateの使用が望ましい症例だと判断しました。



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私は、rim plateの使用経験がありません。このため、プレートの設置位置が感覚的につかめずに苦労しました。


本症例では Watershed lineは破綻しておらず、十分に触知できる状況です。しかし、rim plateではWatershed lineを覆ってしまうので、イマイチ設置部位に自信を持てないのです。


透視下に至適位置を探りますが、骨粗鬆症が強いために橈骨遠位端の形状が分かりにくいです。このため、プレート設置位置決めで普段の 3倍ほど時間がかかってしまいました。


最終的には、
イメージ画像としては通常タイプのプレートと大差無いことが分かって手術が終了しました。しかしここに至るまでに何度も仮固定→透視を繰り返しました。



Watershed lineを越えてプレートが橈骨掌側を覆ってしまうので、整形外科医的には非常に気持ち悪い内固定材料です...。


後方視の判断にはなりますが、本事案では rim plateではなく通常タイプのプレートでも対応できた可能性が高いです。これからは通常タイプで対応できるものは通常タイプにしよう。






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豊富な図や画像が提示されているため、ほとんどの骨折や脱臼に対応することが可能です








橈骨頚部骨折の K-wire髄内釘手術

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先日、橈骨頚部骨折の手術がありました。何度か、K-wireを用いた髄内的固定術の助手に入ったことはあるのですが執刀は初めてです。



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そこで、教科書や文献をあたったのですが、意外なほどありませんでした...。OS NOWにあったような気がしたのですが見つけることができませんでした。


医中誌ウェブで検索しても症例報告ばかりです。これってメジャーな手術ではないのかも???。大学同門会で発表した人が居たので、同門内でメジャーなだけかもしれません。


とりあえず、下記のような手法で手術を施行しました
  • 1.5mm K-wireを2本使用
  • 先端10mm部分を少し曲げ、手元部分を同じ面で90度に曲げる
    橈骨遠位端から5cmの橈背側に10㎜の皮膚切開
    2.5mmドリルをできるだけ寝かせて、橈骨長軸に平行に近くなるようにして開孔
    骨折部の整復は intrafocal piiningに準じて、1.5K-wireで整復・仮固定
  • 橈骨遠位端から5cmの橈背側に10㎜の皮膚切開
  • 2.5mmドリルをできるだけ寝かせて、橈骨長軸に平行に近くなるようにして開孔
  • 骨折部の整復は intrafocal piiningに準じて、1.5K-wireで整復・仮固定
  • 1.5mm K-wireを橈骨軟骨下骨まで叩打して再転位を防止



術後の単純X線像はこんな感じです。少しコツはありますが、手技自体は容易で30~40分程度で終了します。



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低侵襲なのでもっとメジャーになってもよい手術だと思うのですが...。





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ばね指治療の効率的実践法

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最近、ばね指の保存治療に関しては、くらげ整形外科の山崎厚郎先生による A1 pulleyのストレッチを第一選択にしています。特に環指に関しては絶大な威力を発揮しています。


さて、A1 pulleyのストレッチは下記のような手法ですが、外来でやり方を説明してから患者さんに机の端を握ってもらい実践しています。



<A1 pulleyのストレッチ>

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上の図のように、MP・PIP関節最大屈曲、DIP関節伸展位で罹患指と手掌でブロックを挟みます。この状態でブロックを握ることで屈筋腱が収縮して A1 pulley内腔が増大します。

ブロックを30秒握るストレッチを 1日10回以上実施することで、A1 pulley内腔の拡大によって屈筋腱の滑走性を向上させます。治療開始後1~2ヵ月で効果が得られます。



さしあたって 30秒×3回ぐらい私の目の前でやってもらいますが、その間ボーッとしていると時間の無駄です。


そこで、ばね指だと分かった瞬間から A1 pulleyのストレッチを開始して、患者さんが実践している間に、ちらちら時計の秒針を見ながらカルテ記載します。


そして、30秒×3回が終了した時点で症状は軽快してカルテ記載も終了しているので「1ヵ月毎日がんばってください!」と言って診察室からお見送りします。


この間、約 3~5分ほどです。入室から退室まで含めての時間なので、診療効率としては良いのではないかと思っています。






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肘関節滑膜ひだ障害の存在を忘れるな!

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先日、プロゴルファーの方が右肘関節外側痛で初診されました。診察すると典型的な上腕骨外上顆炎です。


数日後に大事な試合を控えているとのことなので、今回はテニス肘サポーターの処方に加えて、ステロイド注射を施行しました。


皆さんご存知のように、上腕骨外上顆炎には短橈側手根伸筋腱起始部の炎症が原因となっている症例以外にも、「肘関節滑膜ひだ障害」があります。


肘関節滑膜ひだ障害は、いわゆるプリカ(Plica)が肘関節内にできて、インピンジする病態です。プリカでは、短橈側手根伸筋腱起始部ではなく、腕橈関節に圧痛があります。


この患者さんでも腕橈関節に圧痛がありました。このような症例では、短橈側手根伸筋腱起始部にステロイド注射を施行しても無効なので注意が必要です。


肘関節滑膜ひだ障害では、保存治療に抵抗する場合には肘関節MRIを撮像してプリカの存在を確認します。プリカがあれば鏡視下切除術の適応となるそうです。


実は、何気に短橈側手根伸筋腱起始部にステロイド注射を施行してしまうところでした。上腕骨外上顆炎では、肘関節滑膜ひだ障害の存在も忘れてはいけませんね...。







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オーストラリア理学療法協会のスポーツ理学療法士による実践的な教科書です。
治療的テーピングの概要を学ぶことができます。



 






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