整形外科医のブログ

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足部

派手な骨折ほど徒手整復の重要性を感じた件

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先日、ド派手な骨折患者さんが来ました。
何が派手なのかというと、下の画像のごとく文字通り、足関節「脱臼」骨折なのです。



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ちょっとびっくりするような画像ですね。距骨が背側に脱臼していて、天蓋骨折の状態がよく分かりません。初診対応すると思わず身構えてしまいます。


しかし、このように高度の不安定性のある骨折は、意外なほどカンタンに徒手整復できます。この症例も少し引っ張るだけで簡単に整復されました。


整復後の単純X線像を確認すると、通常の足関節脱臼骨折(SE stage 4)です。もちろん後果骨折も併発しているのでカンタンな手術というわけではありません。


しかし、3果骨折合わせても one tourniquetで十分に対応できる程度でした。初診時の衝撃的画像と手術難易度のギャップが大きかったです。


今回の症例では外来での徒手整復の段階で7割がた治療が終了していました。手術は整復の足りない部分を補足的に行う意味合いですね。そう考えると徒手整復って偉大だな...。





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豊富な図や画像が提示されているため、ほとんどの骨折や脱臼に対応することが可能です








腓骨筋腱脱臼のMRI所見

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先日、習慣性の腓骨筋腱脱臼の患者さんが初診されました。しかも、両側性です。発症してから数年経過しているそうですが、既に数百回も脱臼しているとのことでした...。


一般的には腓骨筋腱脱臼はそれほどメジャーな傷病ではないと思います。私自身、これまで1例しか診たことがありません。その症例の画像を再掲します。



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どこが習慣性腓骨筋腱脱臼の有意所見かお分りでしょうか? 私も最初の症例では分かりませんでした。




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上腓骨筋支帯の下に仮性嚢(赤矢印)を認めます。とても繊細な所見なので見逃してしまいそうですが、一度でも腓骨筋腱脱臼を経験すると忘れられません。




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この症例は上腓骨筋支帯の下に仮性嚢を認めるため、Oden分類のType 1に該当するようです。足の外科医ではない一般整形外科医が診断をつけることができればカッコイイですね!




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保険者の装具支払拒否対策の切り札、フィットキュア・アンクル

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保険者による装具の支払い拒否多発


全国的に、保険者に装具の支払を拒否される事案が多発しています。例えば足関節装具。現時点で医師の処方以外にも、義肢装具士の採型が必須となっています。


この両者がそろっているにもかかわらず、支払が拒否される事例まであります。装具は高額なので、もし保険が利かずに患者さん全額負担になるとトラブルの素です。


このため、特に足関節装具では処方するに際して細心の注意が必要です。この問題に対していくつか対策を検討しました。その結果、妙案があったのでご紹介します。


実質装具なのにシーネ扱いのフィットキュア・アンクル


解決策のツールはアルケア社のフィットキュア・アンクルです。下図のように見た目や装着感は足関節装具です。それにもかかわらずステー部分がシーネの扱いになるアイデア商品。



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フィットキュア・アンクルは装具ではなくシーネなので、保険者に支払拒否される恐れはありません。しかしこれは悪質な保険支払い迂回行為ではないのか?という疑問が湧きます。


コロンブスの卵的な発想の転換ではありますが、もちろん違法行為ではありません。むしろ、これまで足関節装具で暴利を貪っていたことへのアンチテーゼとなります。


アルケアは足関節装具も販売しているのでカニバリゼーションになります。しかしフィットキュア・アンクルを上市せざるを得ないほど保険者のプレッシャーがキツイのでしょう。


医療費削減の観点でも、従来装具の半額程度のフィットキュア・アンクルは望ましい医療材料だと思います。足関節装具を全面的にフィットキュア・アンクルに置換するつもりです。






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治療的テーピングの概要を学ぶことができます。



 






2022年4月から足関節の可動域表示が変更

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ご存知の方も多いと思いますが、10月1日付けで日本リハビリテーション医学会から、関節可動域表示ならびに測定法改訂について(2022年4月改訂)というメールが届きました。


内がえし、外がえし、回内、回外が変更されたようですが、実臨床での要点は足関節の関節運動の名称が変更になったことだけだと思います。


  • 改訂前)  屈曲/伸展
  • 改訂後)  底屈/背屈



この通知を受けるまで足関節が底屈/背屈だと思い込んでいました(苦笑)。実際には屈曲/伸展だったんですね。興味があったので手関節を調べてみると、こちらは屈曲/伸展です。


足関節に合わせるのであれば手関節は掌屈/背屈ですが、どうもそうではないようです。他のほとんどの関節は
屈曲/伸展なので、足関節のみ特殊な名称と覚えれば良さそうです。






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シンデスモーシス損傷の判定法

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またまた足関節関係の話題です。
先日、三角靭帯損傷がらみで痛い目にあったので、周辺領域を少し勉強してみました。


するとタイムリーなことに、Monthly Book Orthopaedics 2020/12月 足関節果部骨折にともなうシンデスモーシス損傷を考える という特集がありました。


2ヵ月も本棚に放置していたようです...。気を取り直して読み込んでみました。シンデスモーシスとは、脛腓靭帯結合(syndesmosis)のことです。この領域がアツイのですね。


シンデスモーシス損傷診断のキモは、骨折内固定後に実施する術中麻酔下のストレス検査です。術前評価で損傷有無は分かりますが、不安定か否かまでは判断できません。


帝京大学の松井健太郎先生よると、ストレスをかける方法として下記があるそうです。

  • 足関節に背屈外旋外力を加える外旋ストレステスト
  • 腓骨にフックや鉗子をかけ、外側に牽引する外側牽引テスト
  • 踵を外側に移動させる外力をかけて腓骨を外側偏位させるCottonテスト



外側牽引テスト(フックテスト)は知っていましたが、ほとんど実施していませんでした。これからは上記ストレステストを行い、シンデスモーシス損傷を確認しようと思います。






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