整形外科医のブログ

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股関節

またまた閉鎖孔ヘルニアに遭遇...ではなかった件

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先日、突然の左股関節部痛(鼠径部痛)を主訴に 70歳台の女性が初診されました。入浴中に突然発症したそうです。痛みが強いようで車椅子に乗っています。


外傷は無いとのことで、少々気持ち悪さを感じました。さらに問診を進めると、左大腿内側から膝関節内側までの痛みとしびれもあるとのことです。


むむっ、どこかで診たことあるような...。少し考えていたのですが、数年前にコレとよく似た状況がありました。閉鎖孔ヘルニアです!



<参考> 閉鎖孔ヘルニアを見た!



もしかして閉鎖孔ヘルニアではないのか? とりあえず骨盤CTを撮像しましたが、閉鎖孔ヘルニアは無さそうです。しかし左大腿から膝関節内側の痛みとしびれが気になります。


そういう目で見ると、ますます左大腿から膝関節内側の痛みとしびれも閉鎖神経の症状に思えてきました。閉鎖孔ヘルニアは自然に嵌頓が戻るケースもあるそうです。


こりゃ、きっと閉鎖孔ヘルニアだと思い、近くの総合病院の外科に紹介しました。場末病院なので、勤務先には外科医が居ないんですね...。


どんな返事が返ってくるのかと思っていると、腰椎椎間板ヘルニアじゃないですか?というツレない返信でした...。ああ、きっとバカだと思われたんだろうな。


まぁ実際バカなので仕方無いですが、巷でそんなに閉鎖孔ヘルニアが転がっているワケありません。それにしても肌感覚として腰椎椎間板ヘルニアは無いと思うのですが...。






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変股症のある大腿骨転子部骨折の治療法は?

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先日、既往症に末期変形性股関節症のある大腿骨転子部骨折の患者さんが搬送されてきました。変形性股関節症に大腿骨近位部骨折を併発するのは珍しいです。


単なる大腿骨転子部骨折であれば、通常の術式で問題無いです。しかし、将来的にTHAも予想される変形性股関節症が既往症にある場合は、術式をよく検討する必要があります。


大腿骨転子部骨折の術式として、①髄内釘 ②CHSなどの骨接合術の2種類が挙げられます。より一般的な術式は①髄内釘でしょう。②CHSと比べて侵襲が小さいのが利点です。


しかし THAを前提に考えると、①髄内釘には2つの問題点があります。

  • ネイルの挿入口になる大転子が破壊される
  • 髄内釘に接した部分の骨硬化のため、ステムのラスピングが非常にやり辛い。


ラグスクリュー部分の骨欠損は両者ともあるので仕方ありません。しかし髄内釘の選択で発生する大転子の破壊や髄内の骨硬化は、CHSなら避けることができます。


少々面倒くさいですが、変形性股関節症が既往症にある患者さんでは、CHSの方が無難であると考えました。ちなみに THAを施行する時にはセメントステムを推奨します。





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田川ノミが再び陽の目を見ることに!

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皆さん、田川ノミってご存知でしょうか? 正確には田川式臼蓋骨切術用ノミという名称で、寛骨臼回転骨切り術で使用する特殊なノミです。


田川ノミは特殊な角度と曲率半径をしており、寛骨臼回転骨切り術しか使途がありません。そして股関節外科医にとって骨切り術は特別な意味を持っています。


THAなどの人工関節置換術は極論すれば誰でもできる手術です。しかし骨切り術は「匠の技」が必要な特殊技能であり、後の世代に伝承するべき技術なのです。


一方、昨今のインプラントの劇的な性能向上により、骨切り術の優位性は低下しています。股関節外科の中でも骨切り術は絶滅危惧種(?)に指定されかねません。


そして例に漏れず、私もこの 10年ほどは骨切り術をまったく執刀していません。比較的若年者であってもインプラント耐用年数向上と術後後療法の簡便さでTHAを選択しています。


股関節外科医としては多少の寂寥感がありますが時代の流れだと思っていました。ところが母校の大学の股関節外科医から田川ノミを譲ってもらえないかとのオファーがありました。


何でもいろいろな病院に出向いて骨盤骨切り術をやっているそうなのですが、大学のノミを搬送するのに時間がかかるため不便に感じているとのことでした。


10年以上私の机の中で眠っていた田川ノミが、久し振りに陽の目をみる時がやってきたようです! ぜひ患者さんのために役立ててもらおうと、その先生に譲ることにしました。


出張までして骨盤骨切り術を施行している大学の股関節外科医に敬意を表するとともに、私の田川ノミが再び世の中の役に立てる時が来たことをとても嬉しく思いました。






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大転子部の石灰沈着性滑液包炎

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先日の外来で、久しぶりに石灰沈着性滑液包炎の患者さんに遭遇しました!
今回は大腿骨大転子部です。大転子部滑液包の炎症ですね。




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こんな感じで大腿骨大転子部の外側に石灰沈着を認めます。大腿部なので表面上の腫脹や発赤は分かりませんでしたが、大転子部の圧痛度合いはハンパ無かったです。


石灰沈着性腱炎や滑液包炎は、本当に全身のいたるところに発生します。私が今まで経験した石灰沈着性腱炎は、下記のごとくです。





一時期、集中的に石灰沈着性腱炎や滑液包炎に遭遇していましたが、肩関節以外の患者さんを診るのは約 1年振りです。


これだけいろいろな部位に発生する石灰沈着性腱炎や滑液包炎を診ていると、本当にどこにでも発生する可能性がある疾患だなと感じます。






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変形性股関節症患者さんの殿部痛増悪で悩む

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変形性股関節症の患者さんのフォローをしていると、ときどき股関節部痛が増悪したといって手術希望で予約を繰り上げて再診する患者さんがいます。


もちろん、できるだけ早期に人工股関節全置換術(THA)を施行できるように手配するのですが、殿部痛が増悪した患者さんでは慎重な対応が必要です。


殿痛は腰椎由来でしょ!と思いがちですが、たくさんの変形性股関節症の患者さんをフォローしていると、意外と殿部痛も股関節由来であることが多いことに気付きます。


THAを施行すると殿部痛も消失することが多いのです。このため、殿部痛の由来が股関節か腰椎かで悩むことになります。


もっともクリアな方法が股関節へのキシロカインテストですが、コレをすると3ヵ月はTHAをできなくなるというデメリットがあります。


次善の策として、Patrick testを施行して誘発される痛みの種類が殿部痛と似た感じの痛みであるか否かを聴取することにしています。


MRIで股関節周囲の骨髄浮腫をみるという手もありますが、骨髄浮腫があるからと言って殿部痛=股関節由来と言えないので、最近ではあまり施行していません。


このように変形性股関節症の患者の殿部痛増悪時には治療法で悩むことが多いです。何かクリアカットな方法は無いものでしょうか...。






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