整形外科医のブログ

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股関節

大転子部の石灰沈着性滑液包炎

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先日の外来で、久しぶりに石灰沈着性滑液包炎の患者さんに遭遇しました!
今回は大腿骨大転子部です。大転子部滑液包の炎症ですね。




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こんな感じで大腿骨大転子部の外側に石灰沈着を認めます。大腿部なので表面上の腫脹や発赤は分かりませんでしたが、大転子部の圧痛度合いはハンパ無かったです。


石灰沈着性腱炎や滑液包炎は、本当に全身のいたるところに発生します。私が今まで経験した石灰沈着性腱炎は、下記のごとくです。





一時期、集中的に石灰沈着性腱炎や滑液包炎に遭遇していましたが、肩関節以外の患者さんを診るのは約 1年振りです。


これだけいろいろな部位に発生する石灰沈着性腱炎や滑液包炎を診ていると、本当にどこにでも発生する可能性がある疾患だなと感じます。






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変形性股関節症患者さんの殿部痛増悪で悩む

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変形性股関節症の患者さんのフォローをしていると、ときどき股関節部痛が増悪したといって手術希望で予約を繰り上げて再診する患者さんがいます。


もちろん、できるだけ早期に人工股関節全置換術(THA)を施行できるように手配するのですが、殿部痛が増悪した患者さんでは慎重な対応が必要です。


殿痛は腰椎由来でしょ!と思いがちですが、たくさんの変形性股関節症の患者さんをフォローしていると、意外と殿部痛も股関節由来であることが多いことに気付きます。


THAを施行すると殿部痛も消失することが多いのです。このため、殿部痛の由来が股関節か腰椎かで悩むことになります。


もっともクリアな方法が股関節へのキシロカインテストですが、コレをすると3ヵ月はTHAをできなくなるというデメリットがあります。


次善の策として、Patrick testを施行して誘発される痛みの種類が殿部痛と似た感じの痛みであるか否かを聴取することにしています。


MRIで股関節周囲の骨髄浮腫をみるという手もありますが、骨髄浮腫があるからと言って殿部痛=股関節由来と言えないので、最近ではあまり施行していません。


このように変形性股関節症の患者の殿部痛増悪時には治療法で悩むことが多いです。何かクリアカットな方法は無いものでしょうか...。






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ライナー抜去にはタップを切るのが良い?!

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先日、人工股関節全置換術(THA)後のライナー交換手術がありました。リップ付きライナーも意外と良いですねという記事でしたが、今回は少し異なる切り口です。


ライナーを抜去する際には、AO(大)の皮質骨スクリューもしくは海綿骨スクリューを使用することが多いと思います。


昔はこの方法で問題なかったのですが、最近ではハイリークロスリンクポリエチレン
(HXLPE)のためにライナーの厚みが薄い症例が多いです。



このような症例ではスクリュー挿入時にカットアウトしがちです。また HXLPEは従来型より硬いためか、ドリル後にスクリューがうまく挿入できないことが多いです。


このため、ライナーにスクリューを挿入するという初期段階でつまずいてしまいます。このような事態を回避するためには、タップを使用すると良いと思います。


表面から 1/2ほどタップしておくと皮質骨スクリュー挿入が容易になるのです。セルフタップスクリュー使用も良いかもしれませんが、先端が尖っているのでカップに傷が付きます。


ハイリークロスリンクポリエチレン
(HXLPE)のライナー抜去は意外と難しいです。小さな工夫ですがご参考にしていただければ幸いです。





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股関節手術ではなく補高だけで治療が完結した件

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先日、人工股関節全置換術(THA)希望の患者さんが受診しました。80歳台の方で、Crowe type 3の高位脱臼股です。しかも単純X線像では、大腿骨がかなりの粗鬆骨です...。


CTでは、腸骨翼内に新臼蓋が存在しており、寛骨臼前方開角はマイナス45度でした(つまり後方開角)。必然的に原臼蓋まで引き下ろす必要があります。


これはなかなか難易度の高い手術になりそうだなぁと思っていましたが、よくよく主訴を聞いてみると股関節部痛ではなく
「歩きにくさ」で困っているとのことです。


診察室内で少し歩いてもらうと、著明な中殿筋爬行でした。これだけ派手に Trendelenburg signが出ていると、歩きにくさを自覚するのも当然です。


中殿筋爬行の原因は、高位脱臼による中殿筋機能不全と脚長差です。中殿筋機能不全に関しては、原臼蓋に股関節を持っていくしかないですが、脚長差は補高で簡単に補正できます。


試しに 10mm補高すると、歩容が劇的に改善しました。THAを希望されたのが疼痛ではなく歩容改善なので、補高だけでニーズを満たしたことになります。


殿筋内脱臼ではないので、今後股関節痛を発症する可能性はあります。しかし、現時点では差し迫った手術の必要性は無くなったため、このまま少し経過観察しようと思います。


患者さんも手術せずに「治った」という気持ちになったようで、とても満足して帰っていきました。股関節診療では時々こういうことがあります。







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右股関節部痛では虫垂炎も鑑別に!

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先日、高齢者が右股関節部痛の主訴で受診しました。施設入所中の方で認知症があり、転倒歴は不明とのことでした。


施設内で人知れず転倒していた等のパターンはありがちなので、さしあたって単純X線像を撮像したのですが、明らかな異常所見を認めません。


身体所見として、右鼠径部を押さえると少し痛がります。しかし、右股関節の回旋時痛や軸圧痛は無いようです。


大腿骨近位部不顕性骨折の可能性もあるためMRIを施行しましたが、特に異常所見は無いようです。おかしいな???


熱発は無かったのですが、結晶性関節炎を疑ってMRIと同時に採血依頼もしていました。データを確認すると、CRP / WBCがそれぞれ18mg/dL / 18000/μLもありました。


よく診察すると、右鼠径部というよりも、もう少し中枢方向のMcBurney点に近い印象です。腹部CTではみごとに回盲部の炎症がありました。いわゆる虫垂炎ですね...。


股関節だけみていると「1週間ほど様子をみましょう」と言うところでした。初めての経験でしたが、右股関節部痛の鑑別診断として、虫垂炎も考える必要がありそうです。






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