整形外科医のブログ

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肩関節

肩関節拘縮はMRIで診断できる?!

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肩関節周囲炎の原因のひとつとして、腱板損傷があります。しかし、私たち整形外科医が、外来で診察する肩関節周囲炎の患者さんにMRIを撮像することはほとんどありません。


私はエコーもできないので、肩関節周囲炎の患者さんが来ると、バカのひとつ覚えに肩峰下滑液包への関節注射を施行するだけです。


関節注射で軽快せずに関節可動域制限が残れば、リハビリテーションでがんばりましょうね!と言って、作業療法士に丸投げして終わってしまいます。


しかし、肩関節周囲炎の原因はさまざまです。そして肩関節拘縮をきたした症例であれば、どこに可動域制限の原因があるのかを精査する必要があります。


調べてみると、肩関節拘縮ではMRIが結構有用なようです。例えば、axillary pouch消失していたり、上腕二頭筋腱周囲に水腫があると、肩関節拘縮の所見かもしれないそうです。


肩関節周囲炎に対してMRIを撮像するという発想自体が無かったのですが、キツイ肩関節拘縮をきたしている症例であれば、原因検索のために撮像してもよいかもしれません。


でもよく考えると、肩関節のMRIは結構読影が難しいです。そうなると、放射線科医師の読影に頼ってしまうので、結局自分で治療することはなさそうですね(苦笑)。






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肩甲上腕リズムって何だ?

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肩甲上腕リズムをご存知でしょうか?
肩関節周囲炎で調べものをしていると、肩甲上腕リズムという言葉に引っ掛かりました。


肩甲上腕リズムとは、肩関節を動かす際の上腕骨と肩甲骨の動きの比率です。 正常な人の場合、肩関節は外転45°以上になると、肩甲骨も肩甲胸郭関節で動き出します。


そして、狭義の肩関節(肩甲上腕関節)と肩甲胸郭関節は、2:1の比率で動きます。つまり、肩を動かす時には、肩関節だけではなく肩甲骨も動いているのです。


考えてみると、これは当たり前ですね。日整会の関節可動域測定の取り決めを見るまでも無く、肩関節は180度まで挙上できます。いわゆる腕が耳に付く状態ですね。


しかし、肩甲上腕関節の形態を考えると、そこまで挙上できないです。外観上で肩関節が180度まで挙上できるのは、ひとえに肩甲骨が動くことに寄ります。


そして、肩関節:肩甲胸郭関節の動きは、2:1になるのです。ナルホド、これが肩甲上腕リズムか...。初めて聞くフレーズですが、何故か妙にしっくりきます(笑)。


ただし、肩甲上腕リズムは45度以上で2:1と言われてきましたが、最近では違う比率で動くという報告もあるようです。


まぁ、いずれにせよ、肩は肩甲骨も動くことによって、あれだけ広い範囲の可動域を得られるようです。勉強になりました。






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鎖骨遠位端骨折は手術か保存かどちらの成績が良いの?

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先日、鎖骨遠位端骨折の治療法について、いくつかの論文を抄読する機会がありました。自分の中では、鎖骨遠位端骨折は基本的に手術と決めています。


しかし、保存治療して偽関節になったとしても、実際にはどの程度の障害が残るのかイマイチ自信ありませんでした。何となくそれほど大きな障害ではなさそうに思えます。


まず、保存療法 vs 手術療法ですが、可動域制限は保存療法の方が残ってしまう症例が多いようでした。偽関節化を防ぐために、可動域訓練開始時期が遅いことが原因でしょう。


当然ですが、保存療法では偽関節化率が高いです。鎖骨遠位端骨折の保存療法で偽関節率が高いのは当たり前ですが、肝心の痛みはどうでしょうか?


もちろん、多少の痛みはあるようですが、劇的な痛みというわけでは無さそうです。そして特筆するべきは、可動域制限が残ったとしても「軽度」であったようです。


残念ながら、正確な数字が無かったので、どの程度の可動域制限だったのかが不明ですが、痛みも可動域制限もそれほど高度ではなかったようです。


一方、手術療法では皮膚トラブルと可動域制限(特に外転)があったようです。総合的に考えると、早期に抜釘するのであれば、やや手術療法が有利かな?ぐらいの感覚でした。


う~ん、圧倒的に手術療法の方が成績が良いことを期待していましたが、保存療法も悪くないようです。ますます悩みが深くなりそう...。






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脳梗塞後の肩関節脱臼は放置するに限る

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骨折をみたら手術を検討する、脱臼をみたら徒手整復する。このような思考パターンは整形外科ではお馴染みですね。


だいたい猪突猛進するのが整形外科医の特徴ですが、何も考えずに突っ込んでいるとときどき大変な目に遭うことになります。


その代表例のひとつは、脳梗塞後の肩関節脱臼ではないでしょうか。片麻痺が発生すると、いつの間にか肩関節が脱臼していることが多いです。


胸部X線像で偶然見つかるパターンもあります。このような症例に対して「徒手整復だ!」とすると思わぬ失敗をしでかす可能性があります。


脳梗塞後の肩関節脱臼はいつの間にか脱臼しているので、徒手整復が難しいケースが多いです。脱臼から日が浅くて整復できたとしても、またすぐに脱臼します。


そして拘縮(瘢痕形成?)が完成している脳梗塞後の肩関節脱臼症例に対して、無理矢理徒手整復しにいくと、脆弱化した上腕骨が折れてしまうことも...。


そもそも脳梗塞後の肩関節脱臼は痛みがありません。整復する必要さえ無い症例に、レントゲンコスメティックを追求して不要な徒手整復をするとロクなことがありません。


脳梗塞後の肩関節脱臼症例は、そっと見守るのが吉だと思います。この場合の問題点はご家族への説明です。


徒手整復するメリットが無いこととデメリットが大き過ぎることを丁寧に説明すれば、たいていの人は納得してくれます。ゆめゆめ猪突猛進しない方が良いでしょう。








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オープン型を隠れ蓑にした低品質 MRIに存在意義はあるのか

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最近では、クリニックでも MRIを導入する施設が増えてきました。「MRI導入済み」は大きな宣伝になりますし、何よりも収益面での貢献も大きい。


しかし、私たち病院勤務医の立場では、ちょっと困ったことが多発するようになりました。それは、クリニックの MRIは性能の悪い機種が多いことです。


例えば 0.3Tの MRI。オープン型という売り文句と磁場が小さく設備負担も小さいことがメリットです。施設面積に限りがあり、設備投資を抑えたいクリニックとの相性はバツグン。


しかし、0.3Tの MRIの画質は当然のごとく悪いです。例えば肩関節では、正常なのか異常なのかの判断自体さえ難しいシロモノです。


腱板損傷との触れ込みでクリニックから紹介されてくる患者さんを診察する機会がありましたが、確信をもって診断できるレベルの画像ではありません。


身体所見も微妙な感じだったので、やむを得ずもう一度撮像することになりました。実はこのような症例は稀ではありません。


医業収益アップのために、とにかく MRIを施行して、何か所見がありそうなら病院に紹介するというスキームは、医療資源の無駄遣い以外の何者でもないのではないでしょうか。


客観的にみて、
0.3Tの MRIと通常の1.5T以上の MRIでは別物です。現状でも磁場強度別による診療報酬体系になっていますが、傾斜配分が甘いと言わざるを得ません。


粗悪な MRI増殖による医療費の無駄遣いを抑えるためにも、1.5T未満の機種の
診療報酬をさらに引き下げる等の政策誘導が必要ではないでしょうか。






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