整形外科医のブログ

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肩関節

脳梗塞後の肩関節脱臼は放置するに限る

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骨折をみたら手術を検討する、脱臼をみたら徒手整復する。このような思考パターンは整形外科ではお馴染みですね。


だいたい猪突猛進するのが整形外科医の特徴ですが、何も考えずに突っ込んでいるとときどき大変な目に遭うことになります。


その代表例のひとつは、脳梗塞後の肩関節脱臼ではないでしょうか。片麻痺が発生すると、いつの間にか肩関節が脱臼していることが多いです。


胸部X線像で偶然見つかるパターンもあります。このような症例に対して「徒手整復だ!」とすると思わぬ失敗をしでかす可能性があります。


脳梗塞後の肩関節脱臼はいつの間にか脱臼しているので、徒手整復が難しいケースが多いです。脱臼から日が浅くて整復できたとしても、またすぐに脱臼します。


そして拘縮(瘢痕形成?)が完成している脳梗塞後の肩関節脱臼症例に対して、無理矢理徒手整復しにいくと、脆弱化した上腕骨が折れてしまうことも...。


そもそも脳梗塞後の肩関節脱臼は痛みがありません。整復する必要さえ無い症例に、レントゲンコスメティックを追求して不要な徒手整復をするとロクなことがありません。


脳梗塞後の肩関節脱臼症例は、そっと見守るのが吉だと思います。この場合の問題点はご家族への説明です。


徒手整復するメリットが無いこととデメリットが大き過ぎることを丁寧に説明すれば、たいていの人は納得してくれます。ゆめゆめ猪突猛進しない方が良いでしょう。








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オープン型を隠れ蓑にした低品質 MRIに存在意義はあるのか

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最近では、クリニックでも MRIを導入する施設が増えてきました。「MRI導入済み」は大きな宣伝になりますし、何よりも収益面での貢献も大きい。


しかし、私たち病院勤務医の立場では、ちょっと困ったことが多発するようになりました。それは、クリニックの MRIは性能の悪い機種が多いことです。


例えば 0.3Tの MRI。オープン型という売り文句と磁場が小さく設備負担も小さいことがメリットです。施設面積に限りがあり、設備投資を抑えたいクリニックとの相性はバツグン。


しかし、0.3Tの MRIの画質は当然のごとく悪いです。例えば肩関節では、正常なのか異常なのかの判断自体さえ難しいシロモノです。


腱板損傷との触れ込みでクリニックから紹介されてくる患者さんを診察する機会がありましたが、確信をもって診断できるレベルの画像ではありません。


身体所見も微妙な感じだったので、やむを得ずもう一度撮像することになりました。実はこのような症例は稀ではありません。


医業収益アップのために、とにかく MRIを施行して、何か所見がありそうなら病院に紹介するというスキームは、医療資源の無駄遣い以外の何者でもないのではないでしょうか。


客観的にみて、
0.3Tの MRIと通常の1.5T以上の MRIでは別物です。現状でも磁場強度別による診療報酬体系になっていますが、傾斜配分が甘いと言わざるを得ません。


粗悪な MRI増殖による医療費の無駄遣いを抑えるためにも、1.5T未満の機種の
診療報酬をさらに引き下げる等の政策誘導が必要ではないでしょうか。






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deltpectoral approachでは指先で剥離しよう!

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先日、上腕骨近位端骨折の骨折観血的手術を行いました。4-part骨折でしたが、なんとかカタチになってホッとしています。


さて、上腕骨近位端骨折のプレート固定では、deltpectoral approachがデファクトです。一般整形外科医にとって、このアプローチはあまり馴染みありません。


しかし、アプローチ自体は非常にシンプルです。それにもかかわらず展開に苦労することがあるのは、多くの症例が骨折だからだと思います。


骨折症例は受傷後数日であっても、内部はベタベタに癒着しています。このため正常解剖が分かりづらく、慣れない術野も相まって少々手こずることが多いのでしょう。


実は、私自身もdeltpectoral approachは10回ほどしか経験ありません。股関節外科医であることも要因のひとつでしょうが、一般的には20年選手でもこの程度ではないでしょうか。


さて慣れないアプローチとは言え、目の前の症例は何とかしなければなりません。私はいつも過去症例のポイントをwordファイルに書き留めています。


今回の手術に際して、過去問を10症例ほど確認しました。するとほとんどの症例で「指先での剥離」をしていました。アレっ?そんな泥臭いことしてたっけ...。


最近物覚えが悪いので詳細に覚えていないのですが、過去の自分は実際に指先で術野を展開していたようです。そして今回も実際の術野を見て思いました。


これは指先で展開するしかないな...。ベタベタに癒着していて、しかも易出血性です。しかもスペースが狭い。指先で愛護的に剥離することでスムーズに展開できました。


傍目には慣れた術者のようです(笑)。なるほど、deltpectoral approachでは指先で剥離するに限るな。またひとつお利口さんになったようです。






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上腕骨ネイルのピットフォール

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先日、上腕骨近位端骨折の髄内釘を施行しました。
大腿骨近位部骨折と比較して数が少ないので手術は新鮮な気持ちで臨みました。



3 - コピー




派手に転位していたので、大腿骨近位部骨折に準じて牽引した状態を確認してみました。残念ながら上腕骨近位部は90度回転したままです...。


側面でも全く整復位は取れていないので、最初からjoy stickで整復することに決めました。3.0 K-wireを刺入すると、そこそこ整復されます。


しかし、ガイドワイヤーが末梢側にぜんぜん通りません。そこで玉付きガイドワイヤーに変更して、末梢側に誘導しやすいように先端を少しだけ曲げました。


首尾良く末梢側の髄内に挿入できましたが、ナントほんの少し曲げただけなのに上腕骨ネイルが挿入できないのです。


メーカーに確認したところ、上腕骨ネイルは大腿骨ネイルと比較して径が細いので、少しでも曲げるとネイルが通らなくなるとのことでした...。


しかも玉付きガイドワイヤーは1本しか無く、一度曲げたガイドワイヤーは真っすぐしたように見えてもネイルがうまく通りません。


やむを得ず、エントリーで使用した先端が鋭のガイドワイヤを首尾逆にして末梢側に誘導しました。手許側が鋭なので注意が必要です。



1 - コピー




上腕骨ネイルでは、ガイドワイヤーを少しでも曲げると通らないというピットフォールがあるのですね。勉強になりました。







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ワクチン接種で腕があがらなくなる?!

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最近、予防接種を打った後に注射をした部分が痛くなり、そのうち同側の肩に痛みが移動して腕が挙がらなくなったという人を立て続けに診察しました。


客観的にみると肩関節周囲炎なのですが、当人たちはワクチンとの関連性を強く疑っているようです...。


まぁ、たしかに非医療者であればそう思ってもしかたないと思っていましたが、なんと内科医師まで同じような経過で受診されたので「ん???」と思いました。


本当にそのような合併症があるのでしょうか? 調べてみると、腕があがらないという合併症(副反応)報告は非常に多いようです。正直言って、これには非常に驚きました。


もちろん整形外科的に考えると、ワクチンと肩関節周囲炎には直接の因果関係はありません。しかし、ワクチンの副反応として局所の腫脹や疼痛は高率に出現します。


接種後はしばらく痛いことも多く、無意識のうちに同側の上肢を使わないようにしていると、肩関節周囲炎を併発してもおかしくありません。


なるほど、そのような機序であればワクチン接種後に腕が挙がらなくなるという症状は、あながち因果関係が無いとも言えないと思いました。


時節柄、新型コロナウイルス感染症のワクチンが開始されています。ワクチン接種が加速すると、整形外科への肩関節周囲炎での受診が増えるかもしれませんね。





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