整形外科医のブログ

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肩関節

肩関節可動域の改善度は屈曲と外転で差がある!

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肩関節周囲骨折では、肩関節の可動域訓練がなかなか大変です。がんばって施行していると少しずつ改善しますが、屈曲と外転で改善度に差があると感じています。


整形外科医であれば、このことは皆感じていることだと思いますが、意外なことに教科書や文献で明示されているものを見たことがありません。


そこで思い切って、肩関節外科医にそのような文献が存在するのかを質問してみました。その先生の感覚でも、屈曲→外転→外旋→内旋の順に改善する事が多いとのことです。


一方、教科書や文献に関しては、英文ではありますが下記のような文献の存在を教えていただきました。



The Effectiveness of Acupuncture in the Treatment of Frozen Shoulder: A Systematic Review and Meta-Analysis



Table 4では各種の治療群の比較がなされています。理学療法のみの研究では、屈曲と外転の Baselineに有意差があり、1.5ヵ月後と3ヵ月後の改善度でも屈曲の改善度が高いです。


まさに臨床の肌感覚に合致したシステマティックレビューだと思いました。つまり、肩関節では屈曲→外転の順に改善し、最終的な可動域も屈曲の改善度が高いという結論です。






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nの暴力でステロイド関注も JAMAに届く!

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ケアネットで興味深い論文が紹介されていました。
五十肩、短期的に最も有効な治療法は? です。


五十肩(肩関節周囲炎)に対するさまざまな治療の有効性について、英国・グラスゴー大学のDimitris Challoumas氏らが65研究のメタ解析を行った結果、関節内ステロイド注射が他の治療(外科的治療を除く)と比べて短期での有用性が高く、その優位性は6ヵ月継続することがわかった。この結果から著者らは、最初に関節内ステロイド注射が行われるべきとしている。



整形外科医的には当たり前な結果です。しかし、今回もシステマティックレビューで、nの暴力が遺憾なく発揮されています。このフレーズ大好きです(笑)。


さて本題に戻りますが、著者は最初に関節内ステロイド注射を推奨しています。私も初回はステロイド注射ですが、たしかに初回にステロイドを入れると除痛に弾みがつきます。


今回の研究では、整形外科医であれば誰でも感じている常識の正当性が証明されたわけですが、それよりも「nの暴力」で JAMAにも届くという事実が大変勉強になりました...。






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凍結肩の MRI所見

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日整会誌. 94: 413-418 2020 に興味深い教育研修講演が掲載されていました。肩関節変性疾患の診断と治療 です。


この中で、いわゆる凍結肩についての記載がありました。凍結肩とは、他動的にも屈曲 100度未満、外旋 10度未満、内旋 L5未満の症例を言います。


いわゆる関節拘縮の状態ですが、私は関節拘縮には有意な画像所見は存在しないと考えていました。ところが、凍結肩においては MRIで下記のような所見が散見されるようです。


  • 関節口腔内や肩峰下滑液包内に水腫を認める
  • 下方関節包(腋窩嚢)のたるみが消失、直線的な肥厚


患側のみの読影は難しいかもしれませんが、健側と比較すれば多少分かりやすいかもしれません。CLINICAL REHABILITATION Vol.26 No.9では、下記のような画像がありました。


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なるほど、関節拘縮であっても MRIで客観的な所見を得ることができるようです。肩関節のMRIでは、上記以外にもいくつかの所見が提示されていました。勉強になります...。






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腱板疎部損傷って何だ?

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腱板疎部ってご存知でしょうか?
名前はよく聞きますが、実際に腱板疎部損傷の患者さんを診たことはありませんでした。


30歳台で社会人野球をしている方が右肩関節周囲炎で受診されました。そりゃー、あなた四十肩でしょうと思いましたが、投球肩の可能性もあるので MRIを撮像しました。



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すると、腱板疎部に一致して高信号領域を認めます。ムム、これはわが生涯初めての腱板疎部損傷の患者さんではないのか...。


うるさく言う親への対応がメンドーなので、スポーツ整形外科は避けるようにしています。このため、腱板疎部損傷というメジャー(?)な疾患をほとんど認知していませんでした。


これまでは机上の知識だけだったので、このようにMRIで明確な腱板疎部損傷の患者さんを診るのは初めてです。


腱板疎部とは、棘上筋と肩甲下筋の間にある腱板の無いスペースです。この部分のみ関節包しか存在しません。その理由は近位に烏口突起があるためです。


腱板疎部の最も広い部分は烏口突起の横で、遠位にいくほど狭くなります。腱板疎部は関節包しかないので弱いと思いがちですが、腱板損傷が発生しないので意外と強い組織です。


よほどの外力が加わらないかぎり、関節包が断裂することはないからです。そうは言っても投球動作等の慢性的な機械刺激では、腱板疎部の関節包も炎症を併発します。


今回の症例では、そのような状態を捉えたのでしょう。腱板疎部炎と腱板疎部損傷の違いは便宜上のもので、両者はオーバーラップしているそうです。う~ん、奥が深い...。






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SLAP損傷に併発したガングリオン

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先日、誘因なく右肩関節部痛が出現したとのことで40歳台の患者さんが受診されました。四十肩ですね~と言って関節注射を施行したのですが、イマイチ症状が軽快しません。


思い切ってMRIを撮像してみたのですが、画像所見をみて驚きました。肩甲骨の棘上窩にガングリオンがあったのです!



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調べてみると、肩関節周囲のガングリオンはSLAP損傷に併発することが多いとのことでした。今回の症例でも後上方関節唇が膨化しているようです。


はっきりと後上方関節唇損傷部からガングリオンが伸びている所見は確認できませんでしたが、おそらく関節外の後上方関節唇損傷部から発生したガングリオンなのでしょう。


これだけ大きいと、肩甲上神経を圧迫して棘下筋の運動麻痺を併発する可能性があります。神経伝導速度検査もしなければなりません...。






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